第14話
そのころ、同居しているセキセイインコの様子がおかしくなった。姉の点点が、ケージの底にうずくまって、りきむような動作を続けていた。卵詰まりだった。二十四時間以内に卵を取り出さないと落鳥する。慌てて携帯でタクシーを呼んで、隣の区の動物病院へ行った。
ガサコは置いていったがそれがまずかった。帰宅するとガサコは何も食べなくなっていた。ガサコは点点に比べてメンタルなショックに弱い面があった。特に、飼い主の私がガサコを忘れているような態度をとると、嫉妬に狂ったように大声で鳴くことがあった。一羽だけ置いていかれた精神的ショックかもしれない。急いで保温球を設置して、必死で看病することになった。
次の仕事を探し始めるが、人間関係のトラブルに巻き込まれるのが鬱で、ハローワークに足が向かない。もともと自分の生活費が安いのだけが取り柄だ。滅多にだれからもかかってこない携帯が鳴った。電話をかけてきたのはあの弁護士で、問い合わせの事実に対して、派遣先の会社はいじめは否認、私の仕事を首にした件について派遣会社によるものだという。しかし派遣先の会社も外部からトラブルを持ち込まれるのは嫌らしいので「和解」を希望している、ただし条件があるらしいし、確認したいことがあるので事務所へ来いとのことだった。
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