第7話
労働基準監督署の労働総合相談センターの窓口に来たのは初めてだったので最初は緊張していたけど、年輩の女性職員と話していて、意識がこちらの世界…大勢の人間が忙しそうに立って働く世界…に戻ってきた。
会社を退めさせられてから、ずっと狭いアパートにインコと暮らしていて、こういう活気のある雰囲気に直接触れたような。
尤も、困っているのに国からお金は貰えそうになかったから、これは大問題だった。年輩の女性職員は、退めさせられる前に相談に来ればよかったのに…と言ったが、退めさせられる前は労働基準監督署のこういうサービスすら知らなかったから仕方ない。
「労働トラブルなら労働局にも会社と話し合いをする制度がありますから、利用しますか」と言われた。法律家の先生に相談してみたら。
相談なんかできるんですか?というと、年輩の女性職員は、あなたの事例なら話を聞いてもらったほうがいいんじゃないかしらと言った。
今日、労働局に来てからずっと説明したことを、まただれかに説明するのかと思うと気が滅入ったし、弁護士とか言われても「お金がない…」と渋ると、本来は労働局内のサービスだけど、合同庁舎が工事中で、別の場所で相談を受けてもらうことになるが、無料だから労働相談に行ってみてと言う。市内の労働組合が入っているビルを紹介された。
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