傷天害理
しょうてんがいり/天に仇なし、ことわりに逆らうもの
「総主席。合衆国が、西海岸側から大陸間弾道弾を発射した模様です」
「ふむ。そんなことは、もう我々がとっくに試しているのだがな。水爆級の核弾頭を搭載した飛翔体も、全てが爆発前に焼き尽くされる。GAIはそのような存在であるというのに」
「反撃を行いますか?」
「反撃? 誰に対して、何を反撃するというのかね。GAIにか。それとも、合衆国に対してか。人類がこの地上から完全に消え去るまで、もういくらも間もないだろうというこの状況下で、最終戦争を始めようというのか」
「総主席」
「構わないよ。合衆国の兵器ならば通用するという可能性がわずかにでもあるというのなら、その可能性に賭けさせてもらおう。どうせ、GAIがここに到達するまで、もうあと数十分ほどのことだろう」
それから二十分後。
五千年の歴史を誇った国家が地図から消え、その大陸から人類の版図はすべて失われた。
そして炎は海を渡り、もう一つの大陸と、最後の島々へと到達しようとしていた。
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