九投目 モードマニアックが非情過ぎる
グジュル、バキ、グギ、ヌチョ、ペチョ、パキ、グジョグジュグチャグチャ——
「おーい! クモ助、新しい餌だぞぉ! 栄養豊富なチュートリアル参加者だ! 筋肉が多いからしっかり噛んで食うんだぞぉ!」
子蜘蛛——
親蜘蛛——
それを飼育しているのが奴隷商人マジドウ。
HEARDモードチュートリアルクリア者で、廃墟などの周辺に住みつき、チュートリアル参加者や弱者を捉えては売り払い生計を立てていたが、一匹の子蜘蛛を拾ってからは野望の為に蜘蛛の育成に心血を注いでいた。
黒く変色した肌に白い虹彩。
唇は青白く生気を感じられない。
蓄えた髭は白く、恰幅のいい体型は筋肉の鎧をまとっている様で、手には武器となる巨大な鈍器を持っている。
キキキキュイキュイキキキィ——と。
飼い主であるマジドウにしか聴かせない声で鳴くと蜘蛛達はドガートの身体を貪り食った。
最初に食ってた肉が主人公かどうか?
我らが主人公は巣の最奥で糸に絡まり繭の様になっている。
ことの顛末としては巣に迷い込んだリストが勝手に転がって繭となり、一番大喰らいの子蜘蛛が、こっそり後で食べようと思って保存食として運んだという所だ。
他にも繭はいくつか転がっているが、三兄弟の中で一番力の強い子蜘蛛のオヤツに手を出す兄弟はいなかった。
親蜘蛛に関しては子供のやる事に興味も無いようだった。
グチ——
ボキ——
グチャ——
親蜘蛛がドガートの四肢を千切り子供達に割り当てる。次いで胴体を割いて臓物を食い散らかすと頭を咥えてその場を去った。
蜘蛛達にとって人間の身体は腹を満たすには足りないが、進化を促す栄養素としては申し分無かった。
ちなみに繭となった中身は獣の類が殆どで、まさか賢い人間が繭になっているなどとはどの蜘蛛も想像さえ出来ていなかった。
「——さーて、久しぶりの上玉だぁ。こいつはどうやって味わってくれようか」
小屋に戻ったマジドウは壁に固定されたユーシーを眺めながら舌を出し、唇を舐めて涎をすする。
服を剥ぎ取られ、両手両足は開かれて目隠しをされた状態で壁に貼り付けられていた。
恐怖の極限を迎え尿を垂らして震え、その口には布を噛まされて涎が染み出している。
マジドウが、カポ——っと、突然に乳房に吸い付くとユーシーは悲鳴をあげて身体を悶えさせる。
その様子を上目で確認すると、悍ましい笑みを浮かべて乳房をしゃぶりながら下の方に手を伸ばした。
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