交流(1)
ぼんやりとした中で瞼を開く、この動作は無意識的なものであったものの目を覚ましたという事実は意識的に自覚することができた
部屋の壁にかけている電波時計を確認する
時刻は午前6時、少し起きるには早い時間だ
もう一度寝る、という発想が真っ先に浮かんでくる、誰だって予定より早く起きてしまったら寝てしまいたくもなるだろう。たとえ目覚まし時計などの設定した時刻の10分前だろうがだ
自分の設定した時刻は午前7時、つまりは今から1時間後だ、学校への準備なんておきてから30分もあれば朝食込みで事足りる
そういうことで八葉は布団に潜り込み、もう一度夢の世界へと飛び込もうとするが妙に、嫌に意識がすっきりと心地よくはっきりとしている
そういえば、覚えている限りでは夢なんてみていない。こういうときの目覚めの朝は大体こんな感じであり気持ちも妙にすっきりしているのだ、そんな日は大抵気持ちが浮つき、良い1日となる
そうと決まればかかりかけの布団を弾き飛ばし、ゆっくりと下の階の洗面所に向かう。家族はまだ寝ているようなのでなるべく音を殺して階段を下りる
洗面所の鏡に映るのはやはりイケメンであり、正直自分でも見惚れてしまうほどだ。
手を洗い、顔を水で軽く洗う。顔と手をふくと、次にコップに無香料、無味のマウスウォッシュをコップにいれ口に含む
いつの日かのテレビで寝起きの朝の口内環境はヤバイと聞いたのでそれ以来寝起きの朝は口内環境を整えてからうがいを行う
それを終えるとシャッターを開く、シャッターの向こうには朝日がのぼり、ひんやりとした空気が入り込んでくる、その空気を少し楽しむとテーブルを消毒し、棚から牛乳とコーンフレークを取り出す
コーンフレークの入った容器に牛乳を満たすとふやけないうちに口にコーンフレークを放り込んでいく、コーンフレークと牛乳のなんとなく混じらない味とともに冷たさとサクサクとした食感が伝わってくる
手早く朝食を食べ終わり、改めてなんとなく外を眺める
2度目の空には相変わらずの天気に加えて、雲の影は見えないせいで思わず太陽の目玉焼きを想像してしまった
***
「んじゃ、行ってくる」
「いってらっしゃーい」
それから大体1時間立ったくらいには親も起床してきて朝食を食べていた。うちの朝食は各自自由な感じだ。たまに母が作ることもあるが頻度は少ない
現在は午前7時40分、自転車と電車の時間を考えればこんなもんだろE
軽いリュックサックを荷台に積み込む、中には本日の行事として教科書購入があるためまとまって入るようにするのと、保険として大きいトートバックを畳んで入れている
いつもの駅のルートを無意識に通り過ぎ、駅の駐輪場に停める。改札の上の掲示板を確認すると少し足を早める
電車に乗り周囲を確認するが残念ながら席は空いていなかっため仕方なく電車の出口付近に寄っかかりスマホを開く
すると通知が来ていたため確認するとLOINEからのメッセージだ、内容は浜崎からであり肝心の内容は今日の予定についてだった
どうやら配られた用紙を失くしてしまったらしい、大丈夫かよと思ったものの失くしてしまった原因は衣類と一緒に洗濯している可能性があるそうだ。
思わずクスっときてしまうが並行して今日の予定を伝える
そのあとも駅に着くまでは浜崎と会話することにした
とはいっても数駅のことであるため時間にしては10分もかからないくらいだが割と話せたと思う、最後は浜崎の出発時間になってしまったたね中途半端に途切れてしまったがこちらも丁度学校の最寄りに着いたのでキリはかなり良い幕引きとなった
ピッと改札を通り過ぎ学校への道のりへ足先を向けた時だった
「八葉くん!おはよっ!」
ふと振り返るとそこには昨日のカラオケに誘ってくれた斎藤の姿があった
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