①魔王と出逢ってしまった木こり――②
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「ふー、こんなもんかな……」
ほんのりと日が傾き始めてきた頃、アイは斧を下ろしました。
切り倒した木をロープで一つにまとめます。そうしていつも木を引きずって街まで歩いていくのですが、その途中でアイはびっくり仰天しました。道端に何か大きなものが転がっているではないですか。
「うぅ……」
「だ、大丈夫か!?」
転がっていたのは
引きずっていた木をほっぽって、アイは倒れている誰かさんを揺さぶります。エメラルドグリーンの長い髪を三つ編みにして垂らすその誰かさんは、アイと同じくらいの年頃の男の子でした。
「おい、聞こえるか⁉ しっかりしろっ!」
「はち……つ……」
「え? 何だ⁉」
「はちみつ……いっぱい……たべ、たい……」
そう言って、男の子はアイの手の中でガックリと力を失いました。
「……
いびきをかき始めた男の子の顔を眺めながら、アイは数秒間真剣に考えてしまいました。
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