〜本章#23〜

 お願いがあると言われた。

 花子さんが手を上げると、口裂け女のほうから、かるたが1枚飛んできた。花子さんの手に収まった時には、宝くじに変わっていた。それを僕に渡した。裏面の余白に『生活の糧 パパより』と書かれていた。

「みゆに渡しとくよ……お別れだよね?」

 僕が聞くと、花子さんは「まあ。」と適当な返事をした。その後、花子さんが宝くじの表に書いてある英単語を指さした。

「ドリーム?」

 僕が言うと、花子さんは頷いた。それをきっかけに、他の者たちが小さな光の球体になって、花子さんの体に吸い込まれていった。別れの声がたくさん聞こえた。僕と双子も何回も「さようなら。」と言った。

 一人になった花子さんが僕を見つめていた。

「ドリーム……さよなら翔。」

 美紀の悪夢はこうして終わった。

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