〜本章#22〜
もう1人の男は肌が触れ合ってから少しずつ、黒いもやもやとした存在に変わっていた。
「内容は?」
花子さんが聞いた。厳しい口調だった。
「消滅!」
体にまとわりついていた黒いもやもやはすでに消えていた。
「家族に一生楽な暮らしを……」
本当の花子か男か、どっちが言った言葉かわからなかった。男はその後すぐに、指示された通りに誓いを立てた。「比較的健全な精神状態……」から始まる簡単な誓いだった。
男は消えた。とてもあっけない最後だった。静かな拍手が聞こえた。僕は、仁美と和樹のところに駆け寄って、双子を抱きしめた。和樹が鼻をすすりながらまた僕を罵った。
「終わったんだね……美紀ちゃんには会えた?」
仁美に聞かれ、僕は頷いた。ここにいたと言って、自分の胸に手を置いた。
「ずっと一緒にいたんだ……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます