〜本章#17〜
強烈な一発で、男の体は殴られた勢いで反転した。後ろから来た和樹が男の股の間を右足で蹴り上げた。体はすぐに再生されているはずなのに、男はその場に倒れこみ、いつまでも痛みに悶えていた。アバターの子供たちが一斉に歓声を上げた。
「花子さんに教えてもらったんだよ。」
仁美がこっちに戻ってきて言った。
「今度はお前の番だぞ。」
和樹に言われて、僕は急いで男に向かっていった。周りの歓声が大きくなった。
僕は少ない髪をつかんで男を無理やりひざまずかせた。男はまだ頬と股間の痛みを訴えていた。
「赤い紙と青い紙どっちがいい?」
僕はそう言って、右手に裏向きのかるた、左手に男の家族写真を持って男に差し出した。
「赤い紙と青い紙どっちがいい?」
男は写真を取ろうとしていた。すると、かるたから声がした。何を言っているかわからなかったが、男を呼んでいた。男は一度手を引っ込めて、かるたに向かって手を伸ばしてきた。
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