エピソード34【座標】

「子孫かぁ...」

俺はソファーに横になりながら天上を眺めてた。

「どうしたの急に?」

ネロはコーヒー豆をすりつぶして、本格的にコーヒーを作ってくれていた。

「すまん、作ってくれてるのに」

「いいよ、しゃべりながら、作れるし」

ホントに器用だよな...。

「子孫って言っても...俺の両親も小さい頃に亡くなったからなぁ...叔父さんが何か

知ってたらいいけど...」

しばらく、ここに居るから聞いてみるか...。

「両親かぁ...子孫とかの話はあんまりしたくないかな?母上...母さんはわたしが

産まれた時に亡くなったし、父さんも暗殺されたし...」

ネロは王族をやめたぐらいだ、それにさりげなく、両親の呼び方も変えた。

カシャンッ

「今はゆっくりしよ!コーヒー入ったよ、ミルクレープも作ったから食べて飲も!」

ネロはニコニコしながら俺に向かって言ってくれた。

こいつはいつも俺が悩んでると飲み物や食べ物を作って二人で飲んだり食べたりして

何気ない会話をして、いつの間にか俺も元気にさせてくれる。

「いつも...苦労させるな...」

「あれ?ゴメン、レイ、何か言った?」

俺はソファーから立ち上がった。

「何でもねぇよ!」

ネロを抱きしめて少し照れくさそうに笑っていた。

コンコンッ

ドアをノックする音が...誰だ?...。

「俺が出るよ」

俺はドアに近ずいた。

ガチャッ

「やぁ、レイ!」

「あれ?叔父さんとレミアさん!何でここに?!」

レミアさんと叔父さんが大量の本を持っていた。

「先生とヒロムさん!どうしたんですか?」

ネロも後ろから声をかけた。

「いえ、実はあなた達に話があるのよ」

とりあえず、2人に上がってもらった。

話ってなんだろう?。


「実はな...ジュンペイと色々情報を交換しながら話を進めてんだ」

「ヒロムさんが私を尋ねてきた時にその話を聞いて、クラリスに許可をもらって、色々と私も

調べてみたの」

そう言って二人は俺とネロの前に二つの書物を出した。

「叔父さん、これ何の書物なんだ?」

「見たところ結構、古そうですね?」

叔父さんは真剣な顔つきで口を開いた。

「ジュンペイに話を聞いて自分の実家からあった

古い書物を全部漁った時にコレを見つけんだ」

「私もヒロムさんに説明されて何とか探して

見つけることができたの」

レミアさんは二人の書物を手に取った。

「赤い方が勇者の日記で青い方が賢者の日記よ」

えっ?ちょっと待てよ...。

「じゃあ!俺たちがその子孫って!!」

「断言はできない...たまたまあった、だけかもしれないが...おそらく...そうだ...」

マジかよ...本当に...。

「先生...それで...何か重要なことは...」

叔父さんはため息をはいた。

「それが、ただの日記だったんだ」

叔父さんは残念そうに言った。

「いえ、ヒロムさん!片方は賢者です!もしかしたら暗号かも知れません!」

「だけど、レミアさんがあれだけ読みながら

考察してもなかったじゃないですか!」

なるほど、だから、すぐに俺たちに見せなかったんだ。

「ごめんなさい...ちゃんと分かってから説明したかったんだけど...」

「大丈夫ですよ!わたしにも見せてください!

一緒に考えてみましょう!」

そう言ってネロは賢者の日記を少し読んでいた。

「確かに...ただの日記ですね...」

まぁあ、俺が読んでも多分、分かんねぇと、思うけど、俺も手に取ってみた。

ファアアアア

すると、俺が手に持った瞬間、輝きだした。

「えっ?何コレ?!」

ネロの持ってた日記まで光っていた。

パラパラパラパラ

勝手に日記のページがめくられていってる!。

ファアアアア

「なんだよコレ?!文字が空中に!!」

文字が空中に浮かび上がって、そのまま重なり合う。

「先生...これって...」

「ええ...この国の形は...」

何か地図のようだけど?...。

「なぁ、何処なんだ?」

「アルケミスト国だよ!」

「錬金術が発達した国よ!」

俺と叔父さんは余りピンと来なかった。

「叔父さん...知ってる?...」

「まぁ、名前ぐらいは...」

二人は肩を落としてしまった。

なんか...ゴメン...。

「あれ?なぁ、何か下のところ...文章になってね?」

「ホントだ!これは...きょうかい?...」

きょうかいって...まさか...。

「教会に何かあんのか?」

「もしかしたら...何かあるのかもしれないわね...」

レミアさんは地図を真剣に見た。

「先生...コレ何か印がある訳じゃありませんよ...

その教会って書いてることも何か違う意味かも...

けど、今ある手がかりはコレしかありませんね...」

ネロもレミアさんもじっくり見てるけどそれらしい

手がかりは見当たらないらしい。

「だけど...困ったわね...」

レミアさんが少し考え込んでしまった。

「どうしたんですか?」

「わたしが説明するよ、この国は部外者は入れないんだ」

ネロが説明してくれた。

「この国は錬金術が発達して独自の研究や

錬金術を作り出してるから、それを外に漏れない

ように、出入りできるのはこの国で生まれ育った

人達だけなんだよ」

「なに?!、じゃあ、どうすれば...」

やっと、手がかりを手に入れたと思ったのに...。

「どうしましょう?」

「ううん...アルケミスト国出身の人が付き添いで

一緒に入国するか、紹介状があったら...」

「あっ!」

いきなり、叔父さんが大きな声を出した。

「どうしたんだよ、いきなり...」

「ジュンペイの奥さん...確か...」

俺はネロを目が合った。

「クラウディアさんの出身は...」

「アルケミスト国...」

そうだ、あの人に頼めば!。

「僕の方から、連絡してみるよ!」

「頼むよ、叔父さん!」

「そう、なると...捜索隊の手配を必要ね...」

レミアさんが捜索隊の事を言った。

「待ってください、先生...わたしとレイで行きます...」

「俺も、ネロと同じ意見です、行かせてください」

叔父さんとレミアは驚いた顔をした。

「待つんだ!この間、ジュンペイ達と戦ったばっかりだろ!ダメだ、ここは大人達の仕事だ!」

「ヒロムさんの言う通りよ!二人を行かせる訳には...」

それでも、ネロは...。

「ヒロムさんは自分の生まれた国を...先生には

この国と民を...そして、わたしの肉親を守って欲しいんです...」

「俺も...叔父さん達が居てくれたら助かるんだ...」

それに、多分...ネロと同じ気持ちだと思う...。

「俺やネロの先祖が何を残したのか気になる...」

「わたしもだよ...それに...何故か分からないけど...自分の目で確かめないと...」

「ダメだ!もう、これ以上危ないことは...」

レミアさんは、少しため息を吐いた。

「決めたら、いつも一直線ね...彼氏の影響かしら...ヒロムさん、言ったら二人とも

聞かないから...もう、二人の好きにさせましょ...」

レミアさんがそう言ったら、叔父さんも引いた。

「まったく...だが、無茶は...」

「無茶はするなだろ?心配してくれてありがとう。ネロ!荷物の準備しようぜ!」

「わかったよ!二人とも留守はお願いしますね!」

ネロと俺は荷物の準備をした。

「まったく...いつも話を聞かない...」

「いいじゃ、ないですか...小さい頃から面倒みてきたけど...もう、私達は必要無いんですよ...」

「なに?二人で寂しそうな顔してるの?」

「どうしたんだよ、二人揃って?」

叔父さんとレミアさんはすごい寂しそうにして、準備に集中できない。

「いや...二人とも、口うるさい事は言うつもりは無いが...お前たちはまだ子供だ...それを忘れるな...」

「ええ...頼っていいのよ...」

俺は叔父さんをネロはレミアさんを抱き締めた。

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