エピソード33【カップル成立】

「ううん...」

「朝だよ、起きてー」

ネロの声だ...もう、起きたのか...。

「朝食、できたよー」

「うぅん...わかったよ...」

俺は寝ぼけながらも、起きた。


「ううん...」

「まだ、寝ぼけてるの?」

昨日は少し撮影が多かったから帰るのが遅くなった。

それで、寝るのも遅くなったからまだ眠かった。

「お前は今日は仕事は?」

「今回は病院の方も結構、人手が足りてるから

大丈夫だよ、患者の依頼も無いし」

ネロは腕が良いから患者の依頼があったら

出向いて仕事をするって形だ。

普段は人手が足りない時に病院で患者達を検査してり、家で薬を作ってる。

「わたしは本来、薬剤師だったんだけど

危険な魔物や悪い人たちと戦ってくれた

兵士たちの怪我を治してる回数が多かったから

医学を勉強するようになったんだ初めは

薬の事ばっかりだったんだよ」

そういえば、まだ幼い頃に行ってたな。

「とりあえず、朝食を食べよ!食後にコーヒー

飲めば眠気も覚めるよ!」

そう言って、ネロはトーストとベーコンと目玉焼きに、コーンスープとサラダ。

「どうする?食べ終わったらもう少し寝る?」

「やだ、一緒に居る...」

ジュンペイの方も色々と大変だから

少し、片づいたら手紙を送るって言ってたから

それを待っている、俺たちも分からないことを

調べても、しょうがないから、ジュンペイから

ヒントを貰うまでは日常を楽しもう。

「今日はクラリスの所に用事があるんだ

借りてた本を返しに行こうと思って」

「俺も行くよ、そういえば、ケントの様子

最近見てないし」

あいつら、何してるかなぁ...。


ネロと二人で王宮の中を歩いていた。

「クラリスになんの本を借りてたんだ?」

俺は好奇心で聞いてみた。

「最近ハマってるホラー小説だよ」

意外だな...あの子がホラーって...。

「まぁ、でも趣味は個人の自由か...」

そう、話してるとクラリスの部屋に着いた。

ガチャッ

「やっほー!クラリス、借りてた本返しにきたよ!」

扉を開けるとケントとクラリスが手を握りあって

お互いを見つめ合っていた。

「えっ?やだ、ネロ?!」

「姉さんまで、どうして?!」

俺もネロも言葉を失っていた。

パタンッ

ネロは無言で本を机に置いた。

「クラリス...幸せにね...」

「よかったな...ケント...」

そう言って、俺とネロは出て行った。


「まさか、二人がねぇー」

「ホントだなぁ、お前の妹と俺の弟がまさかな!」

ちょっと、ビックリしたけど良かった...春が来て。

「そうだ!先生にも用事があったんだ!」

「レミアさんにか?」

そうだ、先生にも今日はめずらしい薬草が

手に入ったから来て欲しいって言ってたんだ。

「行ってもいいかな?」

「もちろん!」

もしかしたら、先生は書物室にいるかな?。

来たついでに聞いてみよ。


先生、居ると良いなぁ。

ガチャッ

「先生、居ますかー!」

「ヒロムさん...」

「レミアさん...」

わたしの先生とレイの叔父さんのヒロムさんが

お互い手を取り合って見つめ合っていた。

「叔父さん...来てたの?...」

「えっ?あっ!いや、これは...てか、二人とも!

この前は、無茶して!」

「あらやだ...見てたの...」

ヒロムさんは誤魔化す、ように急に怒りだして

先生は顔が真っ赤になってる。

「先生...お幸せに...」

「良かった...叔父さん、いい相手見つけたんだな...」

わたしとレイはその場を去った。


10分後...。


「何か、カップル成立してるね」

「でも、良かっぜ、幸せが増えて」

わたしとレイと先生とヒロムさん、そしてクラリスとケントさんと集まってお茶していた。

「ええと...これは...」

ケントさんは顔が真っ赤になっていた。

「そもそも、僕がここに来たのは...」

「ヒロムさんは何時から先生と?」

「話を聞きなさい!」

ヒロムさんは多分わたしとレイを怒りに来たんだろう、けど、別に今はその事は後でもいい。

「先生はヒロムさんの事どう思ってる?」

「あのね、ネロ...私たちは...」

「なぁ、姉さんに教えてくれよ?二人のきっかけは?」

「いや、自分たちはまだそんな!」

ふーん...なるほど...。

「じゃあ...いつはな、なるんだね...」

「よかったじゃ、ねぇか!」

四人とも顔が真っ赤になっていた。

そんなに、照れなくてもいいのに...。

「自分の気持ちには正直になったほうがいいぜ」

「うん...わたし達もすなおになったから

幸せになれたんだよ」

あの時...告白して良かった...レイも受けてくれた。

「いいじゃん、後のことは後で考えればいいんだよ、俺も何か悩みがあったら聞くからさ!」

「うん、大丈夫だよ!きっとみんな、幸せになるよ!」

また、四人とも顔が真っ赤になってしまった。

「それと...」

わたしとレイはお互い二人で深呼吸した。

「勝手なことしてごめんなさい!叔父さん!」

「ホントにゴメンなさい...」

わたしとレイは二人でジュンペイのことで勝手な

行動をしたことに、ついて謝った。

「はぁ...叱ろうと思ったんだけど...君たちの

話しを聞いててわかったよ...自分達の甘酸っぱい

関係にもあんなに、親身になってくれたし...」

ヒロムさんは優しく笑っていた。

「二人みたいにすぐに行動しなければいけなかったんだ、こっちが謝らないといけない...

すまなかった...遅くなってしまって...」

「ヒロムさんが謝ることはないよ...」

「そうだよ、勝手な行動してしまって...」

ヒロムさんは真剣な顔つきになった。

「君たちはその、行動力のお陰でジュンペイたち

家族の事やその関わってた人達が助かったんだ」

なんだか、照れくさいな...レイもちょっと照れてる...。

「でも本当に自分の事を大事にしてくれ」

「そうだよ、姉さん達に何かあったら...」

「そうよ、ヒロムさん達も心配してたんだから」

クラリスはわたしとレイの手を握った。

「二人には...元気でいてほしい...」

今度はこっちが顔が真っ赤になりそう...。

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