エピソード32【見ててくれる誰か】

「見つけたぞ!捕らえろ!」

バンッバンッバンッ

わたしは拳銃を撃って三人が倒れた。

「なに!スライド式の拳銃!何でお前が?!」

「それは教えられない」

コレ、便利だな。

「ほらよ!」

レイがわたしが急ぎで作った包帯と止血剤が

入った小さい箱を投げて渡した。

「弾丸の取り出し方ぐらいはできるだろ?

それ使いな」

そう言ってわたしとレイはその場を後にした。


「ねぇ、マサオさん達から色々武器貰ったけど

無くならないといいけど...」

一応そこら辺にあったリュックが一つだけあったからレイに背負って貰ってるけど...。

「確かに、ここ敵が多いしな」

「おい!止まれ!」

そう話してるとすぐに追っ手がやってきた。

わたしはアサルトライフルをレイはサブマシンガン

確かそんな名前。

ダッダッダッダッダッダッ

「下がれ!」

「クソ!」

「足がぁあああ!」

ダッダッダッダッダッダッ

カンッ

薬莢が落ちる音と共に弾丸が無くなった。

「何だよこれ!推しっぱなしにしたらずっと弾が

飛んでくるぞ!」

「フルオートってそう言う意味!」

クラウディアさんも時間が無かったから

説明を簡単にしか聞くことができなかった。

「撃った衝撃で狙いがズレるから撃って止めてを

繰り返して撃った方がいいね」

わたしとレイは敵の近くまで走った。

「おい!」

レイはすぐに話しかけた。

「お前よくも!」

バシッ

相手が持ってる銃ごと蹴り飛ばした。

「痛ってぇええええ!」

「銃を構えたら手加減できねぇだろ!」

わたしは相手の怪我を一人ずつ見た。

「良かった、全部弾丸は抜けてる」

わたしは包帯と止血剤を渡した。

「何で...助ける...」

「勘違いするな、俺もネロも別に不殺にこだわってる訳じゃねぇ」

「彼女の言うとうり、わたしもレイも殺す時は

殺す」

相手の持ってる弾丸と銃を全部リュックに入れた。

「「だけど、殺さなくていいなら殺さない」」

「おい!」

一人が話しかけてきた。

「この先は武装した奴らが居る...来た道を戻って

別の道を探せ...」

「それって...わたしに嘘の情報教えてる?」

「それとも俺たちを助けてる?」

何故かその人は笑っていた。

「どう思う?」

わたしとレイは来た道をいったん戻った。


「たく!匂いも薄くなってる!痕跡が消えそうだ!」

多分、ジュンペイは知ってて呪いの匂いを消さなかったらんだろう、わたし達を見つけるために。

「でも、レイの鼻を信じてるよ!」

「おう、任せろ!」

廊下を走ってると...。

バンッ

パリンッ

銃で花瓶が割れた。

「そこを止まれ...」

確か、あいつは...。

「ジョンって呼ばれてたよね」

「覚えててくれたのか」

こいつは恐らくジュンペイの護衛だろう。

「あんたがここに居るってことは...この先に

ジュンペイがいるんだな?」

匂いは薄いけどこの先に居る。

「そうか、オオカミ族の嗅覚か嘘を言っても

バレるな、そうだこの先に居る」

「なるほど...」

俺は背負ってたリュックを思いっきり投げた。

ガシャン

「ぐあ!」

俺はすかさず、掴んだ。

バシッ

「行くんだネロ!ジュンペイを逃がすな!」

「でも...」

俺は叫んだ。

「いいから早く!」

「ああ、もう!そんなキミを愛してる!」

ネロは走って行った。

「俺も愛してるよ...」

シュンッ

これは...。

「あぶね!」

こいつ、軍用ナイフ隠してやがった。

「それなら...」

俺は懐から短刀を抜いた。

シャンッ

「斬撃には斬撃だな」

「わかってるな...あんた...」

相手が先に付き攻撃を仕掛けた。

ガァアンッ

それを力強く短刀で捌いた。

そして、俺は短刀で横から切った。

カンッ

それを受け止められた。

シャンッ

それを一度捌いて後ろに回った。

バッ

相手は後ろ蹴りを繰り出した。

バシッ

それを左手で受け止めた。

「せい!」

バシンッ

思いっきり飛び上がって掴んだまま、空中で

回し蹴りを顔面にくらわせた。

「やるな...」

「いや、あんたこそ」

顔面に入ったと思ったけど腕を少し庇ってる。

「あんた、うまくガードしたろ、しかも...」

少し、右足が切れて出血してる。

「あんた、俺の足まで切ったんだな」

「だが、まだ動くだろ?こっちはダメージを小さくしただけだ、お前の傷はそこまで深くない」

カンッ

こいつ、右手一本でも力強い!なんとか受け止めた

けど、さっきより踏み込みが強い。

ガンッガンッガンッ

切って...受け止めて...捌いて...。

少しでも気を抜いた方が負ける...。

「これでどうだ!」

逆手に持ち替えて向かって右から首を刺そうとした。

カァアアアンッ

それを大振りで弾いた。

相手が動きが崩れたところを見て...。

バッ

自分の背中と相手の背中を乗せて回転して。

バシッ

顔面の殴った。

「ぐはっ!」

ガシッ

そして、そのままナイフを持ってる腕を掴んだ。

グザッ

相手の横腹に短刀を刺した。

「ぐは!」

ナイフを握っていた手が弱まってナイフを離した。

ガシッ

そのナイフを受け止めた。

グザッ

そして、足に刺した。

「はぁああああ!」

バァンッ

そのまま、顎にアッパーをくらわせた。

バタンッ

少し、空中に飛んで背中から落ちた。

「ハァハァ...」

「まだ、生きてるか?」

一応、急所は外れてるけど、このままだと死ぬな。

「顎をやられてる...体は思うように動かないぞ...」

なんとか、倒した...ネロは大丈夫かな?。


バアンッ

わたしは扉を開いた。

「やっと見つけたぞ!」

そこにはジュンペイが立っていた。

「なんだ、一人か?」

「レイにも来て欲しかった?悪いねわたし一人だよ」

わたしは拳銃を取り出して構えた。

「まぁいい、一人居なくなれば後は問題ない」

こいつ、さっきから何言ってんだ?。

ボォオオオオン

「しまった!煙幕!」

ジュンペイは隠し持って煙幕の爆弾で周りが見えなくなった。

カシャッ

左から来る!。

ヒュンッ

ピッ

わたしは何とか避けたけど左の頬が少し切れた。

バッ

上から力強く刀を降った。

ガンッ

わたしは拳銃で受け止めた。

ガァンッ

「しまった!」

拳銃を弾かれて落としてしまった。

カシャッ

横から来る!。

ヒュンッ

わたしは飛び上がって避けた。

バシンッ

そのまま横蹴りを頭にくらわせ。

タッタッタッ

バク転して距離を取った。

ダッダッダッダッダッダッダッダッダッ

背中に背負っていた、アサルトライフルを撃った。

「何処を撃ってる?」

いつの間にか後ろに回り込まれていた。

「わかってよ、足音で」

ブゥウウウウウウ

風魔法で竜巻を発動させて煙幕を吹き飛ばした。

ドンッ

「がはぁ!」

ジュンペイは壁に叩きつけられた。

カチッカチッ

そのまま、撃とうとしたら弾切れだった。

「ああ、もう!運ないな!!」

ビリィイイイイイイ

錬金術で銃を剣に変えた。

「はぁあああ!」

わたしは走って捨て身の突き技を繰り出した。

カンッ

ジュンペイは上にすくい上げるように捌いた。

「少し、動きが鈍くなってきたんじゃないのか?」

そういえば...。

「なるほど...刃に毒を塗ってたんだね...」

少し、気分が悪い...。

「ネロ王子あんたは魔法が強いだから自分には

勝ち目はない遠距離武器や近距離武器を使っても

結界で防ぐ、魔法も同じだそれなら、やられる

覚悟で刃に毒を塗った方が効率がいい」

参ったなぁ、自分の怪我とか病気は治すのに

時間がかかるんだよなぁ...。

「それなら!」

ビリィイイイイイイ

わたしは自分の体を錬成した。

「なに!」

わたしの体は熱くなって湯気が漂ってる。

「錬金術は速攻でするのは難しい...

まぁ、わたしは何度もやってるからできるけどね」

「もしかして、毒を...」

少し、錬金術の知識があるのかな?。

「毒を体内で浄化させたおかげで、熱いし痛いけど」

「おのれ!」

ジュンペイは踏み込んできた。

シャンッ

わたしは相手の力を利用してる受け流した。

ガシッ

ビリィイイイイイイ

「ぐぁあ!」

わたしは錬金術でジュンペイの右腕を沸騰させた。

「体の三分の一は水分で、出来てるからこんな事も

できるんだよ」

わたしは膝まづいたジュンペイに近ずいた。

「エグイなやり方が...」

「わたしの大事な将来の奥さんにした事忘れた?」

ジュンペイを睨みつけた。

「何?13歳の子供に何怖がってんの?」

「迫力がすごくてな...殺れよ...」

あっさり諦めんだ...。

「マサオさんとクラウディアさんから聞いたけど

娘さん亡くなったんだって」

「聞いたのか?...」

ガチャッ

「よう、終わったか?」

「やぁ、レイ!あれ?そいつは...」

レイはさっきまで戦っていたジョンって人を

担いでいた。

「いや、なんか殺すの勿体ないかなって」

「まぁ、キミの好きにしたらいいよ」

バタンッ

レイは床に置いた。

「その割には雑だね」

「そこまで優しくする義理はない」

何か、喋ろうとしてるけど、顎が砕けてるのかな?。

「ほら、治してあげる」

ファアアアア

わたしは顎の骨を治した。

「ジョン...マサオとクラウディアを連れて逃げろと

言っだろ...」

「すいません...どうしても貴方を置いて行けなくて...」

良い、護衛じゃん。

ガチャッ

「兄さん!」

「ジュンペイ様!」

その時、突然、マサオさん達が入ってきた。

「バカ、来るな!」

「お願い!もう、こんなことはやめて!」

クラウディアさんが泣きながら言った。

「もう...娘は戻ってこないの...」


「なぁ、どうして俺の事を狙った?」

ジュンペイは口を開いた。

「魔王の存在は知ってるか?」

魔王?おとぎ話のやつか?。

「でも、昔から言ってる作り話でしょ?」

「いや、魔王...白の魔王は存在する...」

存在する?...どうして?...。

「白の魔王を封印した勇者と賢者とその仲間たちのことは知ってるか?」

「まぁ、俺はあんまり詳しくは知らない...」

「私はその封印に関わった仲間の一族だ」

えっ...ちょっと待てよ...。

「じゃあ、白の魔王は...」

「本当にあった話だ」

ネロが何か考え混んでいる。

「わたし、も昔に少し読んだぐらいだから余り覚えてないけど...

賢者はお姫様と...勇者は自分の生まれた国の幼なじみと結婚したよね?」

「その、子孫が君たち二人だ」

ネロは頭を抱えた。

「なるほどね...」

「何がなるほどだよ?」

ネロは説明した。

「白の魔王の封印を壊すにはその封印した勇者と賢者...もしくはその子孫が

念じるか...二人の心臓を差し出すか...」

おい...だとしたら...。

「あんた...まさか...」

「白の魔王を復活させる...」

やっぱり...そうなるのか...。

「子孫だとか...おとぎ話が実話だとか色々聞きたいけど...何で復活させたいんだ?」

「娘を生き返らせたかったんでしょ?」

クラウディアさんが言った...だけど、ジュンペイは黙ったままだった...。

「魔王は未知の力を持っている...だから娘にもう一度...」

ネロは少し前に出た。

「こんなことを言って慰めになるか分からない...だけど誰でもいつかは土の中で眠る...」

ネロは俺の方を見た。

「わたしは体が病弱だから彼女にいつも心配されてる」

「もう...死に顔は見たくない...」

ケントは家族で...ネロは初めて好きになった相手...。

「お別れは誰にでも来る...わたしだって...多分立ち直れない...」

「俺だってやだよ...そんなこと考えるの...」

俺とネロはお互い手を繋いだ...。

「「だけど、思い出は消えない」」

口を揃えて言った。

「兄さん...もう、やめてくれ...」

「もう、いいんです...あの子は幸せでしたよ...私はあの子の笑顔の思い出があります...

あなたにもあります...」

ジュンペイは涙を流した。

「すまない...クラウディア...マサオ...愚かな私を許してくれ...ジョン...お前にも迷惑を...」

「気にしないで下さい...何処までもついていきます...」

ファアアアアア

ネロはジョンの怪我を治した。

「これで大丈夫だよ」

「ありがとう...」

ジュンペイは申し訳なさそうに口を開いた。

「私の事...許せないだろ?...殺されても文句は言えない...」

「ああ、もういいよ...何か、話を聞いてたらこっちまで悲しくなった...ネロは?」

「レイがそう思うなら、わたしも別に何も言うつもりはない...」

ファアアアアアア

ネロはジュンペイの怪我を治した。

「わたしは悪いことや不正は嫌い...だけど、裏社会でしか生きられない誰かも居る...

そんな誰かを暴走しないように...見ててあげて...」

ネロは立ち上がった。

「帰ろっか」

「そうだな」

俺はネロと手を繋いだ。

「待ってくれ!」

ジュンペイは俺たちを引き止めた。

「いいのか?」

俺とネロは振り返った。

「誰でも狂ってしまう、俺だってそうなってたかも知れない...」

「わたし、だって同じだよ...だからこそ今いる家族を大事にして...」

そして、そのまま歩いた。

「ありがとう...」

「いつか、恩返しするから!」

「ありがとうございます!」

「本当にありがとう...」

四人とも後ろで感謝の言葉を俺とネロに言った。

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