エピソード31【頼み】

この状況...まずいな...。

「悪く思うなよ、これも仕事だ」

くそ!なんとか、ここから逃げないと...。

「後ろをお願い!」

そう言ってネロは、シャンデリアに風魔法を撃った。

ヒュン

シャンデリアはネロの風魔法が当たって、落ちてきた。

「おい、マジかよ?!」

周りが騒いだ時には遅かった。

ガシャアンッ

シャンデリアはすごい、速度で落ちてきた。

「今だ!」

バンッバンッ

俺は、後ろにいた、二人の敵を撃った。

バンッバンッ

そして、ネロはもう二人の敵の足を撃った。

「ネロ!速く走れ!」

「わかった!」

そう、言って俺とネロはこの部屋からなんとか脱出した。


「どうする、ここから逃げるか?!」

「でも、どこに?!」

この、屋敷を出ない事には始まらないな。

俺も銃を撃って無くなったし、

ネロも弾切れだよな。

「たく!走ったところで、どうすんだよ!」

バタンッ

「痛てて...」

走っていると、ネロが誰かにぶつかった。

「おい、大丈夫か?...てっ、お前ら!」

ネロのぶつかった、相手はジュンペイの妻だった。

奴の弟までいた。

「お前!」

ボォン

俺は手に炎を宿して、胸ぐらをつかんだ。

「待ってくれ!ちょうど、探してたんだ!」

「そうよ、話があるの!」

二人はそう言った。

「どうせ、罠だろ!」

「疑うのは、無理ない...だけど、このままだと、危ないだろ!

僕と一緒に来てくれ!」

「レイ、多分信じていいと思うよ」

ネロはこいつらを信用するみたいだな。

「ネロがそう、言うんだったら...わかった。

だけど、変な行動してみろ、顔面を焼くぞ!」

「とっ...とにかく、こっちに!」

俺らはついて行った。


「ねぇ、名前は?」

「そうね、申し遅れたわね」

ジュンペイの奥さんはわたしにあらためて自己紹介した。

「私はクラウディアで、彼はマサオ」

「よろしく」

クラウディアさんとマサオさんか...。

「俺はレイでこっちはネロだ。なぁ、いったい何処に行くんだ?

こんな、くらいで倉庫みたいな場所に?。

てか、やっぱり俺達の事を騙そうと...」

レイはマサオさんを睨み付けた。

「待ってくれ、これを見せてから...」

「見せるってなんだよ...」

「だから、それを...」

レイとマサオさんはお互い睨み合いになっている。

「どうも、ネロです」

「あっ!これはご丁寧に」

わたしとクラウディアさんは二人揃ってお辞儀した。

「なに、馴染んでんだよ!」

「いつの間に、仲良くなってんの!」

クラウディアさんと目があってお互いに言った。

「ちゃんとあいさつは必要でしょ?」

「ええ、それに信用できると思うわ」

レイは少しため息をはいた。

「ハァー...まぁ、ネロは人を見る目はあるから大丈夫かな」

人の目を見て話せないけど...。

「とにかくこれを見て...」

バコン

木箱を開けると沢山の銃が目の前にあった。

「ネロこれってお前が錬金術で作ってた銃だよな?」

「けど、こんなの見たことないよ!いったいどこで?」

クラウディアさんが前にでた。

「私が錬金術で作りました」

なるほどね、そういう事ね。

「理解したよ、ジュンペイは簡単に説明するとビジネスであなたと結婚したんだね」

「はい、そうです」

「ビジネス?何で?」

わたしはレイに説明した。

「本来、わたしでも見たことない武器だよ

ジュンペイはこんなのアルケミスト国以外にないよ...けどそれを作れるクラウディアさんと

結婚して他の国に売ってるんだよ」

「何で...そんなことを...」

「復活の時です...」

マサオさんが急に...復活?...。

「自分も余りその意味がわかりません...ですがその準備が必要だって...自分たちは

そのために子孫繁栄してきたんだって...」

子孫を...。

「誰かを不幸にしてまで子孫を残して悪さをするのはよくないよ!」

余計にジュンペイが許せなくなった。

「そのために、兄さんを止めて!」

「私からもお願いします、私は誰かを守る武器を作りたかった...だけど不幸になるんだったら私はもう武器を作りたくない!」

二人も色々、苦労したんだろうなぁ。

「私が作った銃火器で良ければ使ってください!」

「本来ここは兄さん達と取引してる人たちの緊急の保管場所なんだ、だからストックも

沢山あるよ!」

レイはマサオさんの前に近づいた。

「悪かったよ...二人とも色々あったんだな...」

「いや、こっちも悪かったよ」

お互い仲直りかな。

「だけど、厳しいことを言うよ」

それでも、わたしは二人にちゃんと話そうと思った。

「わたしもレイも手加減できるほど強くない」

「ネロの言った通りだ...最悪ジュンペイを...」

二人は少し黙り混んでしまった。

「昔はああじゃなかったんです...確かに私とも利益があったから結婚したんですが...

錬金術しか特技が無くて...家族からも白い目で見られてましたそんな時に

私はあの人と一緒になって必要とされてる...本当は優しい殿方なんです...」

「じゃあ、何で悪いことばかりするの!」

「そうだ!俺たちが狙われた理由もわかんねぇし!」

「兄さんの娘...アヤコが亡くなってから...変わってしまった...」

娘?...。

「確かに兄さんは裏社会で怖い存在だよ...だけど本当にかっこいい人なんだ!

だけど、アヤコが病気で亡くなってから変わったんだ...。

何で、アンタたち二人が狙われたのか分かんないけど...

家にある古い古文書をたまたま見つけてそれを読んでからおかしくなったんだ!」

二人は頭を深く下げた。

「もう、あんな兄さんを見たくない!どんな結果でも構わない!兄さんを止める

手伝いをしてください!」

「私からもお願いします!私とマサオの声を届かない!もう貴方たちしか頼むことが

できないんです!」

わたしとレイはお互い顔を見合わせた。

「どんな結果になっても知らねぇぞ!」

「引き受けてあげる...何でこうなるかな...」

二人はまた深く頭を下げた。

「ありがとうございます!」

「私からも、本当にありがとう!」

とりあえず、わたしとレイは武器の準備をした。

「いや、待って!マサオさん達も戦うつもりなの?」

「はい、銃の撃ち方は心得ております」

「僕も援護するよ!」

二人も行く気なのか。

「いや、ダメだ!」

「何で?!」

レイとマサオさんはお互い睨み付ける。

「足手まといだ、俺とネロだけで大丈夫だそれに、あんた達にもしもの事があったら

夢見が悪い」

「ですが...」

クラウディアさんも前に出た。

「もしかして...まだジュンペイを説得できるって信じてるの?」

わたしは二人に話しかけた。

「言葉が届くならこんなことになってないよ、厳しい事を言うけどあの人は戻れない所

まで歩いてしまった、話し合いで解決できるならわたしだって、そうしたい...

けど、二人も覚悟して...だって本当は近くで見てきた二人が一番理解してるんでしょ?」

二人は黙ってしまった。

「すいません...わがままを言ってしまって...」

「あなた達が正しい...私たちも覚悟します!」

そうして、くれないと...わたし達も気分が悪い...。

「せめて...一瞬で...兄さんをお願いします...」

「夫を頼みます...」

わたしとレイは無言で武器の準備をした。


わたしとレイは広い廊下を歩いていた。

「そんなにすごい奴が変わったなんて...」

少しレイも思うことがあるみたい。

「わたしも医者として色んな人を見てきた...どれだけ強くても愛する人が亡くなったら

狂ってしまうんだよ...」

レイはわたしの手を握った。

「俺はそうならないから...」

「わたしも頑張る...」

いつかはその日が来る...だけど...。

「おい!居たぞ、捕まえろ!」

今は二人で助け合って生きるんだ!。

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