エピソード29【大人な会話】

俺は集中してあえて目を閉じる。

ばしゃあああ

右の茂みから襲いかかってきた。

ドンッ

俺は木製作られたナイフで受け止めた。

「力強いぞネロ!」

「どうも!」

お互い距離を取った。

俺は順手持ちで木製ナイフを構えた。

ネロは木製ナイフを逆手に構えて、少し中腰に低く力を込める。

「そうだ、叔父さんから近接武器を教わっただろ

頭で考えるな、感覚を体で覚えろ」

ネロは少し目をつぶりじっとした。

「ふぅぅ...いくよ!」

「来い!」

バァァ

ネロはまっすぐ俺に突っ込んで行った。

ドンッ

木材がぶつかる音がする。

ドンッドンッドンッ

ネロはナイフで切りつけてくる。

俺は、それを受け続ける。

ドンッ

ナイフを受けて力を込めて動きを止める。

ギィイイイイ

バァアアア

俺のアゴに蹴り上げて攻撃してきたが

ギリギリ避けた。

ネロはすぐに足を地面に下げて

ナイフの底を手で押さえて

俺の腹に刺そうとした。

ドンッ

隙をついて、俺はナイフを切り上げて

ネロのナイフを弾いた。

バタンッ

ネロは倒れて、すぐに立ち上がろうとした

俺は、すぐにナイフを持って方の手首を掴んで

体重をかけて、上に乗った。

そして、喉にナイフの刃の部分を向けた。

「ああ、また負けた...」

「でも、良かったぞ逆手持ちの切り方

分かってるじゃないか」

それでも、ネロは不満そうだ。

「けど、キミに勝った事が無い」

「それでも、強くなるさ」

ネロは少しモジモジした。

「あの...そろそろ離して...」

「いや、いい眺めでさ」

俺はネロにキスした。

チュッ

「嬉しいけど!...」

俺は無理やり口全体をネロの唇に押し付けた。

バァッ

ガサンッ

木製のナイフが地面に落として

両手でネロの手首を掴んで動けないようにした。

「ふぐっ!ふぐくぐっ」

ネロは暴れたけど、段々疲れたのか

暴れなくなった

今の状況に身を任せている。

「ふぐっふぐっ...ぷはっ。

はぁはぁ...」

俺はネロの口から離れてネロの

体全体を抱きしめ座りこんだ。

俺はネロの顔を覗き込むと、ネロが少し

不機嫌な顔になっていた。

「乱暴...」

「すまん...」

どうしても、我慢できなかった。

「熱くなると、襲いたくなる...」

「わたしが雄らしくないから?」

「違う、お前の事情は分かってる...

俺が逆の立場だったら、ネロと同じ考えをするさ」

だけど、ネロを見てると...。

「すまん、初めてを捧げたい」

捧げたいのもあるけど

一番はお前の初めてが欲しい。

「純愛だけじゃダメかい?」

「それも、可愛いけど...

楽しみたい...」

ネロは恥ずかしそうにしている。

「認める、変態なんだよ...お前専用の...」

「わたしは別に...」

「いや、変態だよじゃないと

お前にこんな事しない」

求められたいそれもある。

だけど、俺がネロを求めている。

「最近、肉付き良くなったな...」

俺はネロの腹を少し触った。

「ダイエットした方がいいかな?」

「いや、健康的でいいさ」

それに、これだけ動いていたら

尚更だ。


カチャン

バンッ

さっきの森を移動して

少し、開けた草原で人が居ないのを

確認して

的を設置してレイと一緒に

ライフルを撃つ。

カチャンッ

バンッ

わたしは向かって左で

レイは右の的を狙う。

カチャンッ

バンッ

「慣れたもんだね」

「いや、ネロの方が凄い真ん中じゃん」

けど、レイも真ん中はあててないけど

命中率は中々だ。

「けど、時間の問題だよ」

「そういえば、ネロはどんな銃が

作れんだ?」

「えっとね、9mm弾丸使用のリボルバーと

マグナムリボルバーとスナイパーライフルと

ショットガン。

同じタイプでも、色々種類があるから

色んな種類を作れるんだ」

「じゃあ、近接武器は?」

確か、近接武器なら...。

「剣と槍と盾と斧とか...あっ!

ハンマーとか短剣とか弓とか...

ヒロムさんに大和国の武器の書物を

貰ったから刀とか薙刀とかも作れるよ」

「お前、バケモンだろ...」

だけど、わたしふと思った。

「あれ?だけど、銃とかの

組み立て、レイの方が早く無かった?

刃物の研ぎ方もわたしより綺麗だし」

「確かに、手入れとか

組み立ては俺の方が早いかもしれないけど

お前がそれを作らないと、意味無いだろ?」

でも、凄かったな

わたしは組み立てが襲いから

予め、作ったのを置かないといけないのに

レイは目隠しをつけて

目の前が見えない状態でリボルバー

組み立てたもんな。

しかも、めっちゃ早い。

「ちょっと、休憩しよ指が痛くなってきた」

「そうだな」

わたしとレイは遠くにある的を

二人で片付けて銃も

背負って二人で木の影で座った。

「なぁ、ネロ?」

「ない?」

レイは何だか、少し緊張してるようだった。

「急だけど...ネロはどんな雌の人がタイプだ?」

「えっ?」

何、急に...。

「どうして?」

「いや、俺たち幼なじみで縁があったから

好きになっただろ?

けど、タイプは違うのかなって」

いい機会だからハッキリ言お。

「前に言ってたでしょ?

レイは性同一性障害だからっていうのも

あるけど、雄と雌どっちが好きか

分からないって」

わたしは落ちた葉っぱを拾った。

「わたしも分かんない

どんな雌の子がタイプなのか...

レイも知っての通りわたしは耳が良い。

だけど、実は猫科の種族は

元から耳がいいんだけど

生まれつき絶対音感を持ってるんだ。

相手の心拍数や呼吸の音や回数で

嘘かホントかいつもじゃ無いけど分かる」

中には、嘘だらけの人と会話した事もあったから

正直、自閉症じゃなくても

知らない人と何処まで話せてた、だろうか。

「だから、レイと同じで分かんない」

「俺もさ、嗅覚が良いだろ?

だけど、良すぎて相手が怒ってたり

悲しんでたり、すると匂いで自然と分かるんだ

それで、内心イライラしてたり

悲しかったりそんな奴らが多かったから

自分でも無意識に身構えるんだ」

なるほど、レイも緊張してしんどいよね。

「疲れるね...」

「ああ、疲れる...」

わたしはレイに打ち明けた。

「前に話したでしょ?

薄々レイの性別分かってたって」

「ああ、他にも理由があるのか?」

「実は、心拍数の音量や鳴ってる回数で

性別が分かるんだ。

実際、魔力でお腹にいる赤ちゃんの

心臓の音で性別を当てたこともあるよ」

レイは少し驚いていた。

「ちょっと待て、じゃあ俺の事...」

「いや、音が雌の人だったけど、

自分の勘違いだと思ってた...

いや、目を背けてた...

もしかしてたら、関係を壊したくなくて

自分で気づいてないって

思わせて、逃げてた...」

だけど、わたしはずっとキミが...。

「ネロ...俺もお前が父親が

原因で色々辛い思いをして来たのは

知ってた...

だけど、さっき言ってたろ?

匂いで、相手の簡単な感情が分かるって

まさか、自閉症だとは思わなかったけど

何か別のもので悩んでるって分かってた」

レイ...。

「だけど、こんな中途半端な

俺がお前の悩みを聞く資格なんて無い

そう思って逃げてた...」

レイはわたしの手を握った。

「だけど、今は違う

生まれつき、自分じゃどうする事も出来ない

ものを背負った者同士だ、

この先何があろうと、俺は

ずっとお前のそばに居て、ささえになるから」

わたしは恥ずかくなった。

「それって雄のわたしが言うセリフじゃない?」

「いいんだよ、てか、

いつになったら甘えん坊になるんだ?」

急に話がガラッと変わったな。

「サムとヘレンから言われたんだよ

歳下は甘えん坊でワガママで

生意気って」

それ、悪口じゃない?。

「けど、俺の思ってる甘え方しないし

ワガママ言わないし、偉そうなこと

言わないし」

えっ?なに...どうすれば良いの?。

「俺の事もうちょっと困らせろよ」

あれ?何か雌の色気より

雄の色気になってんだけど?。

「アソコも結構でかいよな?」

レイは下半身を見た。

「エッチ...」

「なんとでも言え...」

こんなに、幸せでいいのかなって

思うくらい幸せだなぁ。

「面倒になっら捨てていいよ...」

「捨てない...」

「疲れない?」

「かわいいから疲れない...」

「レイは歳上がお似合いだよ?」

「そんなの俺の勝手だろ?」

レイは右腕の中にわたしを寄せた。

「絶対に守るから」

「はい...」

今だけわたしは雌の子みたいになろ...。


「今日はよかったぞ、段々、近接武器の

扱いが慣れてきた。

体術も自分の物になりかけてるし」

「レイも、銃の腕が上達してるよ」

わたし達は道具を全部片付けた後

家に帰ることにした。

「モデルのバイトはいつから?」

「明日から。お前は?」

「わたしも明日から」

わたしはレイと何気ない会話をしていた。

「また、お小遣いあげるね」

「いや、もう財布重いよ」

医者として働いて。

薬品や金属や木材も売ったりして

稼いでいる。

「ネロ着いたぞ」

「話してると時間があっという間だね」

楽しい時間はすぐに過ぎてしまう。

わたしは郵便受けの中身をチェックした。

カランッ

中には一枚だけ封筒が入っていた。

「何だろ?」

ビリィイイ

わたし中身の内容を簡単に読んだ。

「レイ、明日はモデルの仕事

休みになるよ」

「何でだ?」

わたしも後で病院に連絡しないとな。

「レイを呪ってコンくん達、騙した奴の

居場所が分かったみたいだよ」

「叔父さんからだな...」

レイもわたしもお互い顔を見合わせた。

「あいつはわたしが仕留める」

「俺にも一発殴らせろ」

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