エピソード27【友達と一緒に】

俺はカメラの前でポーズをとる。

「いいよ、レイちゃん」

カシャッ

ツゥゥ

「レイちゃん、もうちょい表情ゆったり出来ない

かな?

今回の服はカワイイ系だから」

「ゆったりって言われても...

俺ちょっとこういう服は...」

あれから、何回かモデルの仕事を

してるけど、メンズの服は一度も

着せて貰っ待てない。

給料は多いしネロにお土産に服を

買えるからここでバイトしてるけど、

やっぱりレディースの服は嫌いだ。

「頑張ります...」

俺は何とか表情を固くしない様にした。

「う~ん、ちょっと固いね~」

「すいません...」

「いやいや!レイちゃんまだ日が浅いし

しょうがないよ!。

そうだ、何かリラックスする事を

頭の中で想像してみるのはどうかな?」

リラックスする事を頭の中で...。

「例えば、自分が好きな事してる時とか

安心する場所を思い浮かでみるとか」

「やって、みます」

自分がリラックスする事を思い浮かべる...。

俺は目をつぶって思い出してみた。


「レイ、何読んでるの?」

「ん?勉強中」

俺は文字の読み書きのやり方を

学ぶ本を読んでいた。

「ダメだ、そもそも難しい文字が読めないから

この本が何書いてんのか理解出来ない!」

俺はいったんソファーの横にある

テーブルに本を置いた。

「ケントの面倒や一人で生きていく為に

色々忙しかったから勉強する暇が無かった」

傭兵は強くないとやっていけないから

ある程度、計算や読み書き出来てば

何とかやっていけた。

「だけど、これから働くなら

ちゃんとした、文字の書き方は覚えないとなぁ」

「借して」

ネロは俺がさっきまで読んでた

本を手に取った。

「教えてあげるよ」

ネロはページをめくっていた。

「ネロそこからだと見えないから

ここに来いよ...」

俺は仰向けになってネロを誘った。

「まったく勉強は真剣に...」

「はいはい、わかった」

俺はネロを俺の胸元に頭を置いた。

「ちょうどいい枕だろ?」

「大きすぎ...」

俺はネロが本のページをめくってる最中

ずっとネロの顔を眺めてた。


俺はそれを思い出していた。

「はい、オッケーだよ!

レイちゃん良かったよあの笑いかた!」

「えっ?もう終わったんですか?!」

いつの間に...。

「うん、そうだよ今日はもうこれで

終わりだよ、お疲れ様」

どんな、顔で俺は写ってたんだろ?。

「まぁ、とりあえず。

お疲れ様でしたー!」

俺は着替え室に行った。

ガチャッ

「あら、新しいモデルのコでしょ?確か...」

「レイだ、はじめまして先輩」

二人だけ中でモデルの人達がいた。

片方は白と茶の犬族で

もう一人も犬族だけど、ゴールドの色をしている。

「そんな緊張しないでよ下さいよ

多分、私たちの方が歳下だし。

でも、ホントに綺麗ねスカート似合ってる」

「どうも...」

何か、ネロは自閉症だから人付き合いが

苦手って言ってたけど。

なんだかんだ、俺も人見知りするな。

とにかく、俺はこの鬱陶しい服を

脱ぎたかった。

スゥゥゥ

「ちょっと待って!」

俺は呼び止められた。

「あなた、それ冗談か罰ゲーム?」

何言ってんだ?。

「いや!それボクサーパンツでしょ?!

雌の子の下着じゃないでしょ!」

「しかも、あなた胸は!」

「パンツはこの方が動きやすいし

胸は布巻いてるから大丈夫だよ」

ネロみたいな事を言うなこの人達。

「パンツはともかく

ブラジャーは!」

「胸が大きいから俺のサイズないんだよ」

そう言った瞬間二人はお互い

顔を見合わせてうんっと言った。

「あたし、サム」

「私のことはヘレンって呼んでね」

えっ?なんで自己紹介?。

「あなたの事は...」

「呼び捨てでいいっすよ」

サムは俺の右手を。

ヘレンは左手を握った。

「レイ、用事がないなら

今から下着を買いに行きましょ」

「サムの言うとうりよこんなの着てたらダメよ」

「はっ?!」

俺はその後もイエスって言ってないのに無理やり

行くはめになった。


「ここってなんスか」

何か、店の外から窓見えてるけど

沢山下着が売ってるなぁ。

「とりあえず、入ろ」

「ちなみに私達の事は

呼び捨て、でいいからね

私達もそうするから敬語もいらない」

「わかったよ...」

何か、不安しかないんだけど。

カランッ

「いらっしゃいませー」

中は当然だけど、雌用の下着だらけだ。

「次いでにあたしの買っていこうかな?」

「そうね、私もちょっと古くなってきたかな

買おうかな」

「じゃあ、二人のやつを先に買ってくれよ

それ見て参考にするから」

何を買えばいいのか分からないから

とりあえず、二人のセンスを見よう。

「そうね、私達のを参考にするのもいいかもね」

「それだったら...すいません!

試着室借りますね!」

そう言って二人とも流し目で選んだ

下着を手に取って試着室に入った。


シャアァァァ

「どう?レイちゃん似合う?」

「何、あんた自慢してんのよ?」

「自慢じゃないもん、聞いてるだけだもん」

サムはピンクのカワイイ系で、

ヘレンは黄色の少し派手なデザインを

試着している。

「彼氏がピンクかわいいって言ってくれたから

この色気に入ってんだ」

「だから、あんたの事は聞いてないのよ」

二人中いいなぁ...。

「そういえば、あたしはCカップだけど

レイちゃんのサイズは?」

「そうだった、サイズを聞いて無かったわね。

私はDカップだけど、

見たところ私より大きいけど...」

「Fカップ...」

身長は良いんだけど

胸と尻のサイズはあんまり言いたくないんだよな。

「えっ?レイちゃんそんなに大きいの?」

「私より大きいとは思ってたけど

そんなに...」

めっちゃ、同様してる。

「ちょっと待ってて、いったん服着るから」

そう言われて俺はいったん待った。


「う~ん、Fカップかぁ...」

「ここ、色んなサイズがあって良かったわね」

「けど、種類が他のと比べると

少なくね?」

何か、俺のサイズのコーナーが

すごい、こじんまりとしてる。

「だって、せいぜい大きくて

Eカップだよ、あたし見た事ないもん

レイちゃんの大きさの人

お尻も大きいからパンツ痛く無いかな?」

「確かに、大きいわね。

だからこそ、セクシーなんだけどね」

まぁ、とりあえず探すか。

「でも、俺こういう店来たこと無いから

イマイチわからん」

「とりあえず、何でもいいのよ」

「そうそう、自分の好きな色から

選んで見たら」

自分が好きな色かぁ...。

「何でもいいんだよ、

お気に入りのとかないの?」

「青か白...」

青い瞳と白い毛並みのネロ...。

「ブラとパンツ一式セットから選ぶなら...

青色ならこれどう?」

ヘレンが選んだのは青色のシンプルなデザインだ。

「シンプルだね、しょうがないけど」

「そうなのよねぇ...」

なんで二人が残念かるんだ。

「あたしも白の一式見つけたけど...」

サムが持ってきたのは少しクラシックな

デザインだ。

「でも、柄があるだけマシじゃない」

「そうだね、いったんレイちゃん

これ着てみてよ」

「サイズがFならこのまま買うよ」

サムは手を引っ張って来た。

「ダメだよ、その製品によって

デザインが違う様にブラとパンツの形も

違うからズレたりして、最悪、皮膚が

スレてガサガサになるんだから」

「サムの言うとうりよ

試着して自分に合う形のブラとパンツを

ちゃんと確かめないと」

そう、言われて俺は無理やり試着室に

入れられた。


シャアァァァ

初めはヘレンが持ってきた

青色のシンプルやつ。

「レイちゃん、セクシー...」

「シンプルイズベストってこういう事を言うのね」

どうやら似合ってるようだ。


シャアァァァ

次はサムが選んだ白いクラシックなやつを着た。

「うわ、美人すぎる...」

「これも、似合ってるわね...」

「なぁ、俺は結局どっちを買ったらいいんだよ」

二人とも顔を見合わせた。

「えっ?色々買うんじゃないの?」

「そうよ、洗い替えは必要でしょ?」

えっ?何個も買うの。

「それなら、何で順番に見せたんだよ!」

「まずは、デザインから」

「それから、気に入った順に買うのよ」

何か、雌の子の買い物ってしんどい...。


「いやー、楽しかったねぇ!」

「結構見れたわね、新しいお店もあったし」

俺たちは近くの喫茶店で休んでいた。

何故か、俺の下着を買う予定だったのに

どうして、他の買い物まで付き合わされた。

「でも、レイちゃん?ホントに下着だけでいいの?」

「いっいや、大丈夫だホントに...」

それに、今回手持ちそんなに

持ってきてないし

俺が買った下着の一色があんなに

高いなんて思わなかった。

ネロにお土産買って上げたかったけど、

すまん、ネロ...。

「てか、サムとヘレンって中良いよな」

俺はずっと気になってた事を言った。

「ああ、サムとは中学の時から

友達だから」

「そうそう、モデルのバイトしながら

高校の学費稼いでるだ。

ちなみに同い歳の16歳だよ」

二人とも、だから仲が良いのか。

「てか、俺も16なんだけど...」

「えっ?なんだそうだったの!」

「背が高いから歳上かと思ったごめん!」

二人は一生懸命謝ってきた。

「気にしないでくれよ、

そろそろ俺帰らないと」

「ええ、持っとレイちゃんと遊びたかったのに」

「私も、色んな話がしたかったわ」

二人は残念そうに言った。

「それだったら、二人は今度いつ空いてるんだ?」

二人は顔が明るくなった。

「えっ?ホントにやったー!」

「私達、実は一週間後に、私とサムの彼氏も連れて

プールに遊びに行くのよ」

彼氏連れてくるのかそれだったら...。

「俺も彼氏連れて来るよ...」

二人は急に固まった。

「えっ?レイちゃん彼氏いたの?

何で、早く言わないの!」

「名前は教えてよ!」

二人とも急にグイグイ来るようになったな。

「歳は13で名前はネロ...」

「あれっ?ネロって...もしかしてネロ王子?」

「そういえば、ネロ王子の恋人の名前はレイ...」

二人は無言になってしまった。

「気にしないでくれ、俺も堅苦しいのは

嫌いだし。

もし、ネロにあったら敬語とかは

やめてくれよ、アイツもそういうの疲れたんだよ」

二人は緊張していたけど、肩の荷が降りたのかグッタリした。

「ああ、良かった...後で彼氏にも

言っとくね」

「そういえば、レイって水着持ってるの?」

ヘレンが答えてきた。

「そういえば、持ってなかったな

ネロにも後で聞いとこ」

二人はお互い顔を見合わせた。

ヤバい...余計な事を言ってしまった...。


ガチャッ

「お帰り、レイ...ってどうしたの?!」

多分、ネロがビックリしたって事は

俺は今、ぐったりしてだろうな。

「なぁ、ネロ...」

「どうしたの?」

「ネロは水着持ってるか?」

ネロはいきなり聞かれてキョトンってなっていた。

「水着?海水パンツなら持ってるけど」

「それなら、良かった...」

バタンッ

「レイィィィィィイ!」

俺はその場で倒れた。

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