エピソード23【目覚めていきなりの突撃】

「起きて...起きて...」

何だ...俺は確か...。

「起きて...」

誰かの声がする...。

「レイ...いつまで寝てるの?...」

ネロが優しく笑いかけた。


「は!」

バッ

俺は目を覚ました。

「レイちゃん!ヒロムさん、

レイちゃんが起きたわよ!」

「何、レイ大丈夫か?!」

二人は慌てて俺の顔を見るとホッとした

表情になった。

「よかった...レイ本当に...」

「叔父さん...」

叔父さんは膝から崩れ落ちた。

「確か...俺は狐の雄の子に札を...」

多分あれは呪いの札かな、それから

倒れて、気を失っていた。

「てか、ネロは何処だ?

一緒に寝れなかったから今晩は

あいつ抱いて寝たい」

そう言ったら、二人は少し困った顔をした。

別に抱くって卑猥な意味じゃ...。

「実は...ネロは...」

レミアさんが何か紙を出てきた。

「ネロがあなたの布団の横に

置いてたの...レイちゃん宛に書いた物だけど

目について勝手に読んじゃったのごめんなさい」

レミアさんは謝った、だけど、

それよりも...。

「何て書いてるんですか?」

そして、レミアさんから聞いた。

俺に呪いはコクくんがリンちゃんって言う

妹を取り返す為に仕方がなくやった事だと。

それと、俺の為に呪いった奴を探してると。

レミアさんの口から直接俺は黙って聞いた。

「その置き手紙ください」

「おい、レイ何をするつもりだ?」

叔父さんは俺に問いかけた。

「あいつを向かいに行く」

「やめろ、まだ本調子じゃない

さっき呪いが消えたばかりだ!」

叔父さんは俺に怒鳴った。

「レイちゃん...ヒロムさんの言うとうりよ。

今回ばかりはいくら、あなたが

戦闘向きでも、本調子じゃない。

せめて、三日は安静にしてないと」

それでも、俺は立ち上がる。

「レイちゃん待ってあの子の連絡を待つの

何かあったら、私達とヒロムさんの

警備隊の知り合いに頼んで乗り込むの」

「何かあってからじゃ遅い...」

俺はレミアさんを見つめた。

「はぁ...しょうがないわね」

レミアさんはネロの置き手紙を

渡した。

「どんな、場所なのか分からないけど

ここに行けばネロの居場所が分かるかも

しれないわ、そこでは、偽名を名乗ってるらしいわ」

「レミアさん何故?!」

叔父さんは焦っていた。

「もう、私達じゃ止められないわ

言っても聞かないもの」

それでも叔父さんは俺を止める。

「行くな、レイ、こういう事は

雄の大人に任せろ、どれだけ強くても

お前は雌だろ、気持ちは雄でも

限界がある」

叔父さんは俺が雌だから、心配してるのか。

気持ちは嬉しいだけど...。

「こんな雌が居っていいだろ?」

そう言って、俺は叔父さん目を見た。

本当に俺の親父に似てる。

「何かあれば直ぐに戻って来い...」

「ありがとう、叔父さん...」

俺はその場を去った。


一時間後...。


「ここか...」

俺はネロがいるかもしれない場所に着いた。

ネロの置き手紙には詳しい事は

書いて無かったけど。

確か、雪華組だっけ、そこに乗り込む為に

訳あってここにお世話になってるって、

書いてあったけど...。

「ここ花魁じゃん!」

えっ?何...まさか、雪華組に入る為に

あいつ、体売って...。

いやいや、待て、あいつの事だきっと何か

作戦があっての事だ。

どりあえず、俺は中に入った。

ガラララッ

「すいません!」

「はい、どうされまし...」

多分、女将さんかな?

俺の顔を見ると顔を赤くした。

「えっと、まだ店は開いて...」

俺を客だと、思ったんだろ。

胸に布巻いてるから、俺を雄だと思ったんだろ。

「いや、人を探してるんだ」

「えっと...誰ですか?」

偽名で名乗ってるって言ってたから...。

「白いライオンの子なんだけど...」

「あっ!背丈はこれぐらい」

「そうそう!」

「青い瞳の!」

「そうだよ!」

女将さんもネロの特徴に当てはまる事を

言ってくれてる。

「もしかして、ハナかな?」

ここでは、ハナって名乗ってるのか。

「その、ハナは何処に?」

女将さんは急に困った顔をした。

「実は...ハナは雪華組に買い取られたんだ...」

俺は聞いて一瞬時間が止まったかと思った。

えっ...雪華組に買い取られた...。

「その、雪華組の場所は!」

「えっ!いや、あんたなんなんだ一体?!

急に居場所を知りたいって?!」

「いいから、教えてくれ」

その後、何とか女将さんに雪華組の

場所を教えて貰った。

待ってろよ、ネロ!。


二時間後...。


「ここが、雪華組...」

俺はやっと、雪華組に到着した。

ここに、ネロが...そして、

子供を使って俺を呪った卑怯者いる。

コンくんと妹のリンちゃん...

叔父さん言ってたけど、コンくんがなかなか

戻って来ないって言ってたけど。

まさか、ここに?!...。

俺は怒りが爆発した。

ガラララッ

バンッ

俺は玄関の襖を大雑把に開けた。

「何だ?!お前は!」

「うるせえ!」

俺は木刀で肩に一発くらわせた。

この程度の奴ら殺す価値も無い。

ドンッ

バキッ

「ぐあっ」

俺は目の前の奴に前蹴りを腹にくらわせた。

ドンッ

バンッ

そのまま、吹っ飛んで壁に激突した。

「そこで、寝てろ!」

俺は走った。

待っててくれネロ!。


俺は、敵を六人ほど倒して。

まだ、意識がある奴に話しかけた。

「おい...ハナって娘知ってるか?」

「ハナ?もしかして...突き当たりを右の部屋に...」

「ありがとよ...」

バシッ

バタンッ

俺はそいつに、一発くわらせて

そのまま、突き当たりの部屋に入ろうとした。

すると...。

ガララッ

「いったい、なんの音?」

襖から、ネロが出てきた。

「ネロ!」

俺は思わず、ネロを抱きしめた。

「レイなんでここに?!」

「俺の為に無茶したんだろ?

だけど、もう大丈夫だ!迎えに来た!」

「どうしたの?」

そしたら、狐族の子供二人が後ろから出て来た。

「あれ?もう大丈夫なの!」

「君がコンくんか...」

コンくんは泣き出した。

「ごめんなさい...ごめんなさい...」

「いいんだ、妹の為だろ...立派なお兄ちゃんじゃ

ないか...」

俺は何とかコンくんを慰めた。

「とにかく、ここから出よう!」

俺はネロの手を引っ張って、

二人を抱きかかえようとした。

すると...。

「おい!」

俺は後ろを振り向くと

コンくんと同じ狐族の二人組が居た。

「よくも、散々荒らしてくれたな」

「お前らが、卑怯な事するからだろ?」

俺はネロ達を後ろに隠した。

「ちょっと!人質はやめて!

私が変わるから!」

人質?...何で俺が...。

「おい、人質はお前らがやったんだろ!」

俺は怒りが抑えられなくて叫んだ。

「人質なんて...オレたちは

そんな事してない!その子達に

なにもしてない!」

ネロは俺に話しかけた。

「ホントだよ」

「いや、どうなってんだよ?」

そう思った瞬間、狐の雄の方が話しかけた。

「ちょっと待て...お前、札で眠らされてた

標的じゃないか?」

「眠らされ...何言ってんだ!

あの、呪いは日にちが経過すると

死ぬ効果があるんだぞ!」

「ちょっと...アカネ!話が違うわよ!」

「オレも今初めて聞いたぞ!」

「いったい、どうなってんだよ?!」


数時間前...。


「あなた...初めて会った時から」

わたしは覚悟を決めた...冷や汗が出てくる。

「あなた...子供好きでしょ!」

えっ??。

「子供の扱いに慣れてるし、

リンやこの子のお兄さんもあなたを

見ても怖がらないし。

お願いこの子達の世話係として

雇うからここに住み込みで働いて!」

わたしはいきなり過ぎて呆気にとられていた。

だけど、バレた訳じゃなさそうだ

ここは、言うことを聞いたほうがいいな

それにほっとけないし。

「分かりました、わたしもこの子達を

今更、ほっとけないし」

「ありがとう、ハナさん、ちゃんとオレが部屋を

用意するから待っててくれ」

アカネさんもわたしが世話が係になのに賛成してくれた

隙を見てこの子達を連れて抜け出すしかないな。


現在...。


自分で抜け出そうとしたら

レイがいきなりやって来てしかも...。

「てめぇ!ウソ言ってんじゃねぇだろうな!

こっちは死にかけたんだぞ!」

「ホントだって!言ってるだろ!わからず屋!

てか、そっちの方こそホントなのかよ?

あること無いこと言ってこの子達に危害を...」

「待って!」

わたしは声を出して二人を止めた。

「彼女の言ってる事は本当です」

わたしは説明した。

「何か、誤解があると思いますけど

彼女に手には日にちがたつと死んでしまう呪いがついてました」

アオイさんとアカネさんは暗い表情をした。

「わたしは彼女の呪いを消すために

偽名を名乗ってここまでやって来ました

嘘だと思うならそれで結構です。

だけど、あなた達が子供を利用したのは変わらない」

厳しい事を言った...。

だけど、それが事実だ。

「ごめんよ...あなたにも...あなた達兄妹まで...

ごめんよ...」

「待ってくれ!アオイは関係無いんだ!

罰を与えるならオレにしてくれ!」

レイはわたしの方を見た。

「レイ、わたしはキミが無事ならそれでいいよ」

「お姉ちゃん達は悪い人たちじゃないよ!」

「リン...ぼく、からもお願いします妹もこう言ってますから」

レイはため息を吐いた。

「たくっ...でも子供を使ったのは何故だ?」

「すまん、人の責任を押し付ける訳じゃないが...

親父が生きてた時に貸しがある奴がいたんだ

そいつの命令なんだ...だけど、眠らせるだけでいいって

うちの組織な反抗した奴だから、眠らせてこっちが連れて行くから

それだけで、良いって言われたんだ」

わたしはどっちかって言うとそいつの方が憎い。

「だけど、知らなかったとわ言え...オレは...」

「話は聞かせてもらったよ...」

いきなり襖が開いた。

スゥゥゥゥッ

「叔父さん!レミアさんまで?!」

「盗み聞きするつもりは無かったんだけど

たまたま聞こえたから」

先生は冷静に言った。

「君たちは僕の大事なレイとその恋人まで

危険な事に巻き込んだ...」

「わかってます...オレはなんでも受け入れます」

「待って!アカネは...」

「アオイ!」

アカネさんはアオイさんの肩に両手を置いた。

「オレももう、大人だそれにここを守る役割がある...

だから、受け入れてくれ...」

アオイさんは泣き崩れてしまった。

「待つんだ二人とも...」

ヒロムさんは二人に話しかけた。

「話に聞く限り、二人も騙されたみたいだな。

そこでだ、騙された者同士そいつに仕返し、しないか?

君たちにも事情があるみたいだしな」

ヒロムさん...。

「君たちもそれでいいかな?」

「私はネロとレイちゃんと兄妹二人が無事ならかまわないは」

「俺もいいよそれで、あんた達も騙されたいだし」

「わたしも大丈夫です」

リンちゃんはアオイさんとアカネさんに駆け寄った。

「大丈夫だよ!怒ってないよみんな!」

「ありがとう...ありがとう...」

「ごめんな...家族と離れて暮らすような事になって...

ごめんな...」

二人とも、泣き崩れてしまった。

「ところで先生達、よくここがわかったね?」

「まぁね、ネロの魔力の痕跡をたどるのは

得意だから、朝飯前よ」

さすが、わたしの先生だ。

「それに、僕達がついた時には何名か倒れてたな?」

「そいつら、俺がぶちのめした」

「あんた、凄いなここの奴ら結構強い奴らに守らせてるのに」

レイが強すぎたんだろうな。

「ところであなたのホントの名前はネロなのね」

「そうです、だけど、わたしも結果的に騙してました

わたしは雄ですよ」

周りが一瞬時が止まったように無言になった。

「お兄ちゃん、ハナさんはホントはネロって名前で

しかも雄なの?」

「そうだよ、そっちの方が信じられないでしょ?」

「うん」

おい、こらそこの子供達聞き捨てならないぞ。

「ええ、意外!こんなに可愛いのに」

「まさか...」

アカネさんは青ざめた。

「オカマなのか...」

「えっ嘘...」

そのあと、わたしはアオイさんとアカネさん、二人に向かって風魔法で吹き飛ばした。

さっきまで険悪だったレイまで走ってみんなで心配していた。

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