エピソード13【雌獣人だけの島】

「やっと港町についたねレイ」

「ああ、やっとだな」

今はまだ昼間ここの港町は海の向こうから来た商人や旅人それから

旅行者が多いからこの港町も賑わってる。

「それで、レイ結局一人で行くの?考えがあるつて言ってたけど?」

「安心しろ確実にばれない着いて来い...」

わたしはレイの後に着いていった。


「ネロ~にやってるぞ~」

またこの格好だよ!

あの時はワンピースだったけど今度はベレー帽に

スカートと腕の袖に何かモコモコしたやつが付いた雌の子専用の服をわたしはまた。

「あーもう、何でこうなるんだよ!!」

雌専用の服でもせめてシンプルなのが

良かったよ!。

「それじゃあレイも着るんでしょ?

雌用の服を!」

レイは少し、渋っていたけど。

「今回ばっかりはしょうがねぇな...」


数分後...。


「これでどうだネロ...」

「...綺麗」

情熱的な赤、良い色を選んだな。

「俺は顔の傷が目立つけどな」

「それでも綺麗だよ」

レイは雌らしい格好が苦手何だよな

まあ、心が雄だから仕方ないか。

「二人ともお似合いですよ!」

いきなり店員のお姉さんが話しかけて来た。

「姉妹ですか?お似合いですよ二人とも!」

この服を買った後わたしは店の裏で泣いた。


「ネロ落ち込むなよ...」

「だって...だって...」

ネロは完全に心が折れてるまあ、雌によく

間違えられてるけど、やっぱり嫌なんだな。

「でもレイどの船に乗ればいいの?」

「問題はそれなんだよなえーと?」

「キャー!」

何だ?悲鳴が聴こえた?!。

「よぉ、姉ちゃんあんたあの島から来たんだろ?

こんな昼間から出歩いてそんなにオレ達と

遊びたいのかい?」

ああ、なるほど三匹の野獣達が

お姉様にちょっかい出してるんだな

これはお仕置がしつようだな。

「ネロ後ろから頼む」

「おっけー」

俺は野獣共に近ずいて行った。

「あのーすいません」

「あっ?何だよ??」

「後ろ危ないですよ?」

ネロはどっから持ってきたか分からない

レンガでどついた。

ドンッボロボロッ

そして一人は倒れた。

「てめぇ!何しやがる!!」

バッ

ドォオオオオオオオオオオオン

そしてもう一人をぶん投げた。

「残るは一人...」

「ひっひぃいいいいい!!」


数分後...。


「助けてくれてありがとうございます!」

「いえいえ、大丈夫ですよ...」

さっきの奴らは俺とネロでボコボコにして

しっぽ巻いて逃げて行った。

「あなた達知ってるかしら?

雌の獣人しか入れない島、私そこで暮らしてるんだけど友達が風邪を引いて島にも薬を売ってる

売店があるんだけど、在庫が無かったの

だから船を使ってここまで来たんだけど...」

そういう事か。

「あの...」

俺の後ろに隠れてたネロが口を開いた。

そうだったこいつ自閉症だからなれない相手と

話すの苦手なんだった。

「わたし...治せるよ...」

彼女は目を輝かせた。

「えっ?ホントにそれならちゃんとお礼

するから一緒に来て!お願い!!」

「いいよ...」

「実はお...あたし達もあなたの住んでる島に

用事があったの」

彼女はやったーって言いながらワンワン鳴いている

犬族だからかな?

てか本当に犬みたいじゃん!!。

「私はロザリーよろしく!君たちは?」

「あたしは...レズリー」

やばい嘘の名前を考えるのすっかり忘れてた

ベウタリス国に居た時のお婆さんに

言われてたっけ、情報の出入りが激しいから

どこで怪しい奴に自分達の情報が誰かの耳に入るか

分からないから、偽名でも変装でも何でもいいから

とにかく目立つなって、

忠告されてた。

まあ、でもとっさに考えたけど、雌っポイ

名前になった。

「そしてこの子は...ネネ...」

「えっ?」

そんな顔で見ないでくれネロ!

これでも頑張って考えたんだ許して!!。

「ネネちゃんだね!よろしくね!!」

「よろしく...」

良かったー信じてくれたー!。


俺達は小さな船に揺れながらステンノー島に

目指していた。

「所で何で私の住んでる島に用事があるって

言ってたけど何で?もしかして訳ありでここで

暮らすの??」

隠したい部分だけ隠して後は正直に。

「実はあたしとネネの真ん中に長男が居るんだけど

行方不明になってしまって

それで知り合いの占い師のお婆さんに聞いて

みたらここに弟の情報があるって出てきたの」

そしてネロも口を開いた。

「...藁にもすがる思いで...兄さん探しに来た...

あそこ情報いっぱいあるって...」

「そっか苦労したんだね...」

そう言ってロザリーは笑って慰めてくれた

なんか心が痛いな。


そして俺達は港に到着した。

「こっちだよ、すぐそこだよ」

そして俺達はロザリーの後を追った。

ギィイイイイ

少し年季の入った小屋みたいな所に入った。

「ねぇ、大丈夫?」

「ゴホッゴホッ」

咳き込んでるな。

「見せて...」

ネロはロザリーの友達の頭に手を置いた。

「結構、熱高い...でも...」

そしてネロの手が光った、それと同時に

ロザリーの友達は呼吸が安定していき

そのままぐっすり眠った。

「これで良いよ...後はあんまり無茶しなければ

すぐ治る...」

「わぁ、すごい!!」

「しー、ロザリー声でかい...」

「ごめんなさい...」


「さっきは、ありがとうね!」

「大丈夫だよ...」

「友達の風邪が治って良かったね」

俺達はロザリーに何度もお礼を言われた。

ホントに元気だなこの子...。

「ゴメンね私も一緒に行って手伝いたいんだけど

友達の看病があるから...」

「良いよまだ油断出来ないから一緒にいてやんな」

だけど、急にロザリーは真剣な顔になった。

「だけど、気をつけてここは訳の人達でいっぱい

なの中にはあんまり良い人じゃない人も、

いるし嘘の情報を話して来る人もいるから...」

なるほど確かに気をつけないとな...。

「レズリーもネネちゃんも気おつけてね

もしかしたら私も危ないお姉さんかもよ!」

何で最後に自分はやばいよアピールして来てんだよ!!。

「まあ、とにかく私に出来る事があれば

いつでも来て協力するから!」

「ありがとうロザリー!」

「ありがとう...」

ロザリーに見送られながら俺達は

情報を求めて街の中に歩いて行った。


少し暗い雰囲気だけど

ちゃんと街みたいだな。

「あら、新入りかな?二人とも良い顔立ち

してるじゃない」

豹族の雌の人がタバコを持ちながら話かけて来た。

なんかスゲー貫禄あるなこの姉ちゃん

って、すげーネロ警戒してるな!!。

「ネロ、睨みつけるなよ!」

「だって怖いんだもん!」

聴こえない様に俺達は小声で話している。

まあ、そりゃ怖いよなこんな場所だもんな。

「ねぇ、どうしたの?」

「あっいやね、実は情報が欲しくてそのー...」

豹族と姉ちゃんは何か酒場?みたいな

所を指さした。

「情報は色んな所で聴けるけど...

まあ、あそこに行ってみな、それでダメなら

他の所に行きなさい、大丈夫よここには

何かしら情報が流れるから、何かみつかるわよ」

そう言ってタバコを吸いながら俺達に助言してくれた。

「ありがとうございます...」

ネロは豹族の姉ちゃんに近ずいた。

「コレ...タバコを買うお金に...」

そう言って金貨をあげた。

「あら、ありがとう」

そう言ってニッコリ笑って

俺達はその場を後にした。


ガチャッ

カランッ

俺達は酒場の中に入った何人か客が

入っていたがやっぱり雌の獣人ばかりだ。

「ねぇ、昨日の夜何人相手した?」

「ええと四人ぐらいかなー」

「マジでしんどくない?」

「オヤジばっかりであんまり体力ないから

全然大丈夫だよ物足りないぐらいよー」

うわあ、大人な世界だ。

あっやばいネロの方を見たら

ネロの子供らしいここが空の彼方に飛んでいって

しまった。

「おい、大丈夫かまだ子供らしい心はあるか?」

「ユニコーン大好き...」

「よし!」

まだ、大丈夫だな良かった!。

とりあえず俺達はカウンター席の所に座った。

「何か飲む?」

俺達、酒飲めないんだよな。

「あたしまだ年齢が...」

「わたしも...」

「お酒以外もあるよ...」

それじゃ...。

「あたしは適当にオレンジジュースで」

「...ミルク」

「分かった...」

出してくれんだ。

「はい...」

もう出たの速くない!。

「ありがとうございます...」

「ありがとう...」

何かなれないな...。

「ここに何しに来たの?」

「実は...」

俺達はバーの店員の黒猫のお姉さんに事情を説明した。

「その...ケントくんだっけ?

その子がどんな人なのかは私は知らないけど...」

「何か知ってるんですか?」

「教えてくれますか...」

「そのケントくんの情報を知ってるかは

分からないけど雄の情報なら

ランラさんが知ってるかもしれない...」

なるほどその人に聴けば...。

「その...ランラっ人は何処にいけば会える?」

「ランラさんは夜にしか現れない

太ったサイ族の獣人だよ

この島から出て客を取ってるかここのバーで

朝まで飲んでるか、とにかくいきなり

やって来るんだよ」

それだと見つけるのは難しいか...。

「あっでも今日は確か知り合いの家に

行って遊んで来るって言ってたよ住所も知ってるよ」

「えっ?でもいいんですかあたし達に教えて

それにいきなり行って怒られたり...」

だけどバーの店員のお姉さんは

紙ナプキンにペンで住所を書いていた。

「大丈夫だよそんな事で怒りは

しないよましてや情報でしょ?

仕事の話はあの人すきだから...」

そう言って住所が書いた紙ナプキンを渡してくれた。

「ありがとうございます!」

「あっありがとう...」

「いいよ彼女によろしく」

そう言って俺達は、酒場を後にした。


数時間後...。


「ここがそうか...」

ロザリーの船を借りてまた港町まで戻り

紙ナプキンの住所を頼りに何とかここまで

たどり着いた。

「待つんだレイ!」

「どうした何かあったのか?!」

まさか誰かに尾行されてたのか?!

「もう、着替えていい?」

「ダメだ」

ネロは顔を真っ赤にしてキレ出した。

「何でだよ!!」

「いや、だってどうやって此処が分かったか説明しにくく

なるだろ?それに自分達の正体をまだ偽った方が良いだろ?」

そう言ったらネロもなっとくしたようでそのまま家に向かった。


もうやだよ、スカート寒いしヒラヒラ引っかかるし

さっさとランラって人に会ってこの服からおさらばしたいよ。

「ここだネロ...」

「それしゃあ早速...」

わたしはドアをノックした。

ガチャッ

「はい、どうしたの?」

だけど出て来たのはいかがわしい下着を着た猫族の雌の人だった。

「あっあっあっあっあ」

ダメだ頭が真っ白になっていく。

「あの、ランラさんはいますか?」

「なんだ、その人なら奥にいるわよドア開けとくから自由に見て回って」

そう言われてわたしとレイは二人で入った。

中は何だか下着姿の雌の人達とその姿に見とれてる雄の人達が沢山いた

何か奥の部屋で声がするしベッドのきしむ音がするけどあそこには入らないでおこう。

「ねぇ、そこのオオカミのお姉さん一緒に飲まない?実はワイン持って来たんだ」

こいつレイの事をナンパしやがって!!。

「いえ、あたし...用事があるよで失礼!!」

そういってわたしの手を握り急ぎ足でその場をさった。


「なんなんだよあいつてかランラどこ...」

人が多くてよくわからないなー。

「ねぇ、レイ見てあの人じゃない?」

俺はネロが教えてくれた方を見た。

「あの人だなよし俺に任せろ」

俺はそのままサイ族の雌の人に話かけた。

「あのーちょっといいかな?」

「何だい?」

なんか感じ悪いなこの人。

「あなたがランラであってる?」

「だったらどうした?あたしは雄意外に興味無いよ...」

俺は金貨の入った袋を少し見せた。

「これなら興味あるんじゃないかな...情報が欲しい...」

「なるほどね...わかっただけどここだとまずい...ついてきな外で話そう...」

俺達はランラの後に続いて外に出た。


俺達は港の船着き場の海が近い手すりに手を置いて話していた。

「それで?どんな情報が欲しいの?」

「あたし達の真ん中の...」

「ちょっと止めなあんた達が姉妹じゃ無い事ぐらい直感で分かるよ

あたしの前であんまり嘘は良くないよ」

マジかよこの人ただ者じゃ無いな。

「じゃあ、わたしが雄なのもバレてた?」

「おや、それはビックリだね分からなかったよ」

ネロはまたしゃがみこんで泣いてしまった。

「とにかく、俺達はあんたの事を騙すつもりじゃなかった」

「まぁ、いいさ早く言ってみな」

俺は事情をすべて話した。


数分後...。


「なるほど...話に聞く限りそのあんたの弟はあんたそっくりだね?」

「ああ、良く似てるって言われてたよ...」

ランラは考えこんでいた。

「そいつがあんたの弟か知らないけどそれっぽい人物なら知ってる」

まさかケント!!。

「どこなんだ教えてくれ!」

「まあ、落ち着きなだけどそいつ何か慌ててたんだ

まるで何かに追われてるみたいな」

追われてる、何でケントが?。

「そいつはあたしに銀貨が沢山入った袋を渡してどこか

人目が無くて人里離れた場所を知らないかって聞かれた」

やっと手がかりが!。

「それで何処なんだ?」

「氷永の雪原だよあそこは一年中、雪が降るからそれに

強い魔物が沢山いるからわざわざあそこに行く物好きはいないからね

多分そこにいると思う」

氷永の雪原あそこはかなり危険な場所だ

だけどやっと手がかりが待ってろケント!!。

「ありがとう!コレお礼の金貨!!」

俺は金貨の入った袋を渡して後にネロの手を取って急いで走った。

「うわぁああ、レイそんなに急がなくても!

ありがとうございましたランラさーん!!」

ネロの話に寄るとランラは目が点々になって唖然としてたらしい。


「あっレズリーとネネちゃん、お帰りどうだった?」

「手がかりがあったよ、悪いな友達の看病があるのに船を出してもらって」

「良いのよ友達も、もう大丈夫だよって言ってたから」

ロザリーは良い奴だな本当に。

「ねぇ、本当の事を言おうよ」

「そうだな、このまま騙すのも後味が悪い」

俺達は深呼吸してロザリーに話した。

「あの、俺達実はこの名前は偽名で...」

「それなら何となく知ってたよついでに姉妹じゃ無い事も知ってたよ

だって似てないもん」

えっ?嘘マジで知ってたの??

ネロも口が開きっぱなしだし。

「言ったでしょ?あそこは色々と訳ありの人達のたまり場

なんとなく分かるの、だけどあなた達悪そうな人達じゃなかったから」

俺とネロはお互い顔を見合わせて笑った。

「俺の本当の名前はレイだ、よろしく!」

「そっちの名前の方がにやってるよ!」

そしてネロは帽子を脱いだ。

「わたしの本当の名前はネロちなみに雄だよ!」

「えっ?雄だったのそっちの方がビックリ?!」

そしてネロはまたしゃがみこんで泣いた。

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