エピソード10【王子の決断と戦士の決心】

俺は驚きを隠せなかった。

「レイそれって...」

「いや、待ってくれ!」

おかしいだって弟は...ケントは病気で

しかも俺の目の前で...。

「レイの叔父さん一体なんて書いてあったの?」

「叔父さんの話に寄るとこのライオネル国の

ちょうど近くのベウタリス国に俺の弟らしき

オオカミ族の雄の子が目撃されたらしい」

他人の空似だけどそれだとでも...。

「レイ、どうするの?」

「叔父さんの事は信じてるだけど...」

ありえないだって...。

「レイ...」

ネロは俺の手を取って優しく笑った。

「わたしも一緒に行くよ」

「いや、そんな待てよだって国の近くだって

あんなにジャック隊長や他の兵士にまで

反対されたのにましてや他国だぞ

無理だよネロ」

それでもネロは引き下がらない。

「レイ、わたしはね分かっただ本当に自分が

何になりたいのか」

ネロは窓の外を眺めた。

「国民の事も大事だでもわたしは

レイが羨ましかった色んな所に言って自分の

得意な事で誰かを助けてる所が」

そうかネロも確かに治療魔法で他国に行く事は確かにあるけど自由に観て回る事は出来ないもんな。

「わたしは観たいんだレイと同じ風景を」

自閉症なのにまっすぐ俺の方を見つめた。

「レイわたしは自分の中で決めてた事があるんだ

だからキミも決断してくれ

確かめに行くのも行かないのもキミ次第だ」

そう言ってネロはもう一度しっかり俺を見た。

「どうするまた今度考える別に今じゃ無くても

いいんだよ?」

いや、実は手紙を読んでた時から決まってた。

「俺は確かめに行くよ手紙でも

叔父さんも期待はするなって書いてあった

だけど弟じゃ無くてもそいつの顔を見てみたい」

俺は決心した何だが前と比べると俺自信

迷わず行動するようになったなネロの影響かな?。

「そうか、それなら!」

そう言ってネロは立ち上がった。

「わたしの決断もちゃんとして来るよ」

「どこに行くんだ?」

ネロは扉の前に立って振り返る。

「クラリスの所だよ」

カチャッバタンッ

そう言ってすぐに出ていってしまった

何でネロの決断にクラリスの所に行くんだ?


10分後...。


クラリスはあの時先生の所に行くと言っていたから

先生と一緒にいると思っていただけどそこに

クラリスはいなかった先生に聴いてみたら

クラリスに取って悲しい場所にいると言っていた

そして今ちょうどわたしはその場所に着いた。

「やあクラリス」

「ネロ、ダメじゃない怪我まだ本格的に治ってないんだから」

そう言ってクラリスは立ち上がった。

「父親の事恨んでる?」

「いえ、恨んでないわ」

そこにはクラリスの父親と母親のお墓があった。

「クラリスのお母さん助けられなくてごめんよ」

彼女のお母さんは二年前に亡くなった

心臓の病気がきっかけでクラリスを置いて

天国に行ってしまったわたしも何とか頑張ったけど

結局助ける事が出来なかった。

「何で謝るのネロ?」

わたしはクラリスの両親の墓を観た。

「だってまだ一緒に居られたのに...」

何でこんなに早くお別れが来ないといけないんだ。

「ネロは悪くないはだってお母様

安心した顔で安らかに天国に行けたもの

逆にお礼を言わないとありがとうネロ」

クラリス...。

「それにあなたの方が余っ程苦労してると

思うだって少なくともお父様は私とお母様には

優しかっただけどあなたは自閉症もあって

あなたのお父様は正直...」

「クラリスもそう思う?」

彼女は罰が悪そうに答えた。

「他の人の親を悪く言うつもりはないけど

正直もっと言うべき事があるでしょって思った」

「ありがとう」

お礼を言うとクラリスは笑っていた。

「それに...」

クラリスは赤くなっていた。

「両親が亡くなってこんな私を気にかけてくれたのあなたぐらいだし」

「そんな当たり前でしょ兄妹みたいなもん

だよわたし達」

「兄妹か...」

「んっ?何か言った??」

「いや、別に!!」

クラリスは何だか慌ててる様子だけど何とも無いならわたしもしつこく聴くのはよそう。

「それでクラリス相談なんだけど」

「何かしら?」

わたしは本来の目的の為にクラリスに話を持ち出した。

「ほら、今までずっと話し合って来たでしょ」

「ああ、ネロやっと決心がついたのね待ちくたびれたわ」

クラリスはいつでも覚悟ができてたようだ。

「クラリスはいいかも知れないけど周りだって思う事があるかも知れないから

慎重に考えてたの全くおてんばなお姫さまだな」

「うるさい!」

そう言ってわたし達は笑いあった。


翌朝...。


国民達が王族の発表を聴く為の祭壇に立つ為にわたし達は向かっていた。

「なあ、ネロ本当に良いのかクラリスには悪いけど彼女の方が...」

レイはわたしが何を話すかもう先に知っている。

「いや、性格的にわたしよりクラリスの方がいい...」

わたしは決めたそれに...。

「他にも話さないといけない事があるから」

わたしは決めたんだ未来を自分の目出みたい。

「ねっ!」

「おう...」

レイもさすがに恥ずかしいのかなだけどわたしは祭壇に足を踏み入れた。


「これよりネロ王子の演説が始まる!!」

わたしは国民達の前に立った。

そして他国の王族や上流貴族達もわざわざ集まってくれている。

「我が国、ライオネル国の国民達そして和平を

結んでくれた他国の王や王女達よ今日は良く来てくれた!!」

国民達は静かに聞いてくれている

だけど中には小声で話している者もいる

わたしは耳が良いから少しだけ聴こえる。

『王子か久しぶりにお姿を見れて嬉しい』

『一体何の話をするのだろうか?』

『やだ...今日のネロ王子も可愛い... 』

何か一人変な事言ってる人がいたような気がする...

とにかく続けよう。

「国民達よわたしはこの国も他国も

国同士の争いがわたしは嫌いだ、

だからわたしは国民達の為にも

この国以外の笑って暮らしている家族達の為にも

わたしはこの先もずっと国民達や他国の民の未来の為に

尽くすそれは変わらない!!」

ここまで来たもうわたしはここで全てを言う!。

「だからその為にわたしは王座を降りる!」

そう言った瞬間、国民達も兵士達もざわめきだす

少し離れたジャック隊長やロビー達も呆気に取られた顔をしてる。

「おい、ジャック隊長私の聞き間違いか?

ネロ王子が王座を降りるそんな事が...!!」

「いや、私も聴いたぞこれは国民達が荒れるぞそのままに何とか...」

隊長の言うとうり国民達や兵士達そして

元老院の人達も全員叫び出す。

「どういう事ですか王子!!」

「王座を降りるこれは前代未聞ですぞ!!」

「この国はどうなる!!」

「王子よお考え直し下さい!」

ブォオオオオオオオオオオオン

いきなり強い暴風が吹き上げて来た。

「静かにしなさいネロ王子の演説は

まだ終わってない!」

先生...ありがとう...。

そしてわたしの肩にそっと手を置かれた。

「俺も先生や隊長そしてロビーさんお前の

妹と同然のクラリス大丈夫だちゃんと味方がいる」

わたしはレイの言葉で勇気づけられた。

「驚くのも無理は無いだけど

わたしは思ったこの魔法と知識はもっと色んな

民達に役立てたいそれにここに王がいなくなる訳じゃない!」

そう言った瞬間、クラリスが綺麗な優しい

緑の正装でやってきた。

「わたしの父上の弟君の娘クラリスに王位を

継いで貰う!」

国民達もクラリスがいきなり出て来て

呆気に取られているだけどここで引き下がる訳には

いかない。

「わたしは王位を彼女に継がせるだけどこれからもわたしはこの国に尽くすだが

彼女こそが適任だ彼女はずっと自分の父上がして来た事を自分が王位を継いで国民達に償いをしたいと思ってる」

クラリスは前に出た。

「私は今で沢山努力して来たつもりですしかし、王位を継ぐそれはどれだけ努力しても

足りないでしょう皆様の気持ちは分かりますネロ王子より一つだけとは言え歳下この国の

発展も他国の和平もネロ王子がやって来たから成り立っていた、だけどもし国民達が

私の事を受け入れてくれるのであれば

この一生を国の為に尽くすここに誓う」

クラリスはこちらをチラッと見た。

わたしは小声で言った。

「カッコイイよ」

レイもさりげなくウィンクした。

「ネロ王子と比べてば私はまだまだ

だけど私と一緒に歩んでくれる国民達がいれば

私は未来に向かって歩んで行けるもう

嫌なんだ私とネロの父上が争いあったように

憎しみ合うのは!!」

わたしとレイも前に出る。

「わたしからもお願いだわたしも全力でサポート

するどうか彼女を受け入れて上げてくれ!」

レイもわたしの後に続く。

「自分はただの我が国の王族を護る懐刀

意見を言える立場じゃ無いのは自分が分かってる

だけどお願いだあなた達が受け入れくれれば

きっと良い未来に向かって歩めるどうかお願いだ

彼女にこの国の未来を託してくれ!」

そして国民達は静かになった。

ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

「クラリス王女バンザイ!!」

「これから頼みますよ!!」

「大丈夫です私達が着いてます!」

「さっきは悪かったよ頼りにしてますぜ!」

国民達は受け入れてくれたようだ。

「ありがとう二人とも」

「大丈夫さわたしはもう王子では無いけど

これからもサポートするよ可愛い妹の為だ」

そう言ったらクラリスは顔を赤くしてうつむいて

しまった。

「レイもこれからも変わらずよろしく」

「おうよ!」

あっそうだちゃんと言っとかないと。

「皆わたしからもう一つ話がある!」

そして国民達は何だ何だとまた静かになった。

わたしはレイの腕を引っ張った。

「この幼なじみであり懐刀のレイとわたしは

付き合ってる!」

「...えっ?ちょっと待ってネ...」

クラリスが何か言いかけたがそれと同時に。

「ヒューヒュー!」

「水臭いなネロ王子いやネロ様!」

「やっとネロ様に春が来たか!」

やった国民達も喜んでくれた。

「なあ、ネロここで言う事ないだろ...」

「レイ、たら恥ずかしかってもう!」

もう気を使わなくて良いからデレちゃお。

「クラリスわたしやっと春が...」

あれ?クラリスが石像になってる何で?

てかよく見るとジャック隊長が泣いてる

そして先生とロビーが両方から肩を手に置いてる。

「おいネロ」

「どしたの〜えへへ」

「デレてる場合じゃないだろ!

あっちを見ろ!」

わたしは後ろを振り返ると姫君達がクラリス見たいに石像になってる。

「あれ?レイ見てキミと一緒に訓練してる

兵士達が何か泣いてる」

「あれ、何であいつら泣いてるの?」

何か小声でネロ様羨ましいって聴こえてくる

まあ、良いや。

「レイとりあえず行こう!!」

「もう行くのか?」

わたしはレイの手を引っ張った。

「もちろんレイの弟のケントさんを探そう

早い方が良い!先生後はよろしく!!」

「任せなさい!」

レイは嬉しそうに笑った。

「ああ、行こうぜ!」

「うん!」

こうしてわたしとレイはケントさんを探しに

ベウタリス国に向かった。

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