エピソード9【苦労の後の苦労】
「レイ、痛いかな?」
「いや大丈夫だ」
一晩寝て何とか魔力も戻ったそれでレイとわたしの傷を
治している。
だけどあの声は一体何だったのだろう?。
「レイ、ほらあの時本来使えない魔法を使っていたでしょ?
あの時声が聴こえたんだ」
「ネロお前もなのか!俺も何だよ!!」
レイもか何故わたしとレイが同じタイミングで
本来使えないはずの魔法が使えたんだろう?。
コンコン
「どうぞ、入って!」
ガチャッ
「あら、思ってたより元気そうね二人とも」
「あれ、先生?!」
「レミアさんここになぜ?」
先生が何故急にわたし達が無茶したから
怒りに来たのかな?
「あのー先生もしかしてわたし達の事をお叱りに?」
「しないわよ」
先生は近くのイスに座った。
「確かに結構無鉄砲だったけどあれだけ自分で考えて
行動に移したのは逆に偉いは二人ともすごいは私も見習わないと」
逆に先生は褒めてくれたわたしとレイはお互い見合わせて何だかおかしな
気分になった。
「やったねで良いのかな?」
「いいんじゃねえの褒められたんだし」
「そだね」
先生は何だかニヤニヤしてた。
「いや、仲がいいなって」
何か無性に先生が殴りたくなる時がある
だが握り拳を作るとレイがやめとけと言いたそうな顔でわたしを見る
レイに免じてここは押さえよう。
「それでここに来たのはわたし達をちゃかしにですか?」
「それもあるけど実はね大変な事があったの」
大変な事?。
「何があったんですか?」
わたしは先生に聞いてみた。
「実は封印されていた刀と書物が飛んで言ったの」
「えっ?先生どういうこと?!」
「レミアさん詳しく話して下さい何があったんですか?」
「それが突然なのよ刀が影を纏ったと思ったら書物まで光だして
そしてパッと無くなったのよ」
そうだあの時たしか。
「レミアさん俺使えない魔法が使えた時に声が聴こえたんです」
「えっ?レイ刀が見えたのわたしは書物が出てきた」
これは偶然なのか?。
「使えるはずの無い魔法が使えて刀と書物が出てきて
しかも声が聴こえたそれも二人とも」
先生は考えこんだ。
「これは奇妙な話ね、私も何か分からないか調べて見るわ」
「先生、ありがとうございます」
そう言って先生は立ち上がった。
「それじゃ怪我してるのにお邪魔したわねゆっくりしてちょうだい
お城の事は私とロビーそしてジャック隊長が何とかするから
心配しなくて大丈夫よ」
カシャンッバタンッ
そう言って先生は出ていったこういう時は頼りになるんだよな。
「よい、しょっとお」
「あれ、どこ行くのレイ?」
レイ急に立ち上がった。
「便所だよ」
何だそうだったのか。
「見たい?」
レイはニヤニヤしながら言った。
「わたしにそんな趣味はない!!」
レイは冗談だよと言いながら出ていった。
便所に言った後俺はしばらく窓から城の外を眺めていた。
「俺とネロあの力が無かったら助からなかったんだよなぁ」
そう思うと何だかゾッとしただけど今は俺とネロは助かった
その事実を喜ばないと。
「なぁ、レイ殿」
「んっ?ジャック隊長何ですか?」
隊長が何だか少し元気が無いようだどうしたのだろう?
「すまなかった君にあんな事を言ってしまって!」
ビックリしたまさか深く頭を下げて謝罪の言葉を叫んだ。
「いっいいんですよ俺もあの時は生意気な口で喋ってたし
隊長もそりょこの国の王子を危険な場所に行かせたく無いのが
普通ですよ」
隊長は鋭い目付きで俺に言った。
「いや、君は王子の事を理解している本当に良い護衛と言うより相棒だな」
「はっはっ相棒かぁ」
何かいつの間にかカッコいい呼ばれ方してきたな今度なぁ、相棒って呼んでみようかな?
「君は本当にいいじょっゴホゴホ」
「大丈夫ですか?」
急に咳き込んだ何だろう少し顔が赤い気がする
熱があるのか?。
「いっいや、君は本当に良い戦士だこれからも頼む」
「ああ、はい!ありがとうございます!!」
まあ、本人も大丈夫そうだしいいか。
「それと君に渡す物がある」
何だろう?。
「君、宛に手紙が届いてるんだ」
「はい、ありがとうございます」
俺は隊長から手紙を受け取った。
「じゃあ確かに渡したからな」
そう言って隊長はどこかに行こうとした瞬間立ち止まった。
「なあ、レイ殿」
「はい?」
何だろう?。
「今度一緒に...」
「一緒に何ですか?」
なんだろう、剣の練習に付き合って欲しいのか?。
「いや、いいんだ何でもない...」
そう言って隊長はどこかに言ってしまった。
「レイさっきの?」
「ああ、ネロこっちに来てたのか?隊長が手紙を渡して...
どうしたんだすごい怖い顔してるぞ?」
「部屋に戻ってる...」
どうしたんだよネロ...。
まさかジャック隊長そんなレイの事を...。
「うんんんんんんんんんん」
わたしは枕に顔を押し付けてもがいてた。
「でもお似合いだな...」
レイには歳上で雄らしい殿方のほうがお似合いだ
隣に立っても
恥ずかしくない人なんだレイは。
ガチャ
「どうしだネロ?」
「ううん、別に...」
ダメだ上手く話せない。
「まあ、無理して話聞き出そうなんて
思ってないけど...」
バタンッ
「ネロ!!」
突然扉が勢いよく開きそこには...。
「クラリス!!」
バッ
「良かったネロ!心配したんだよ!!」
「ああ、いやそんな...」
クラリスは普段は冷静だけど何かわたしの事に
なると結構突っ走るんだよな。
「ああ、どうも恥ずかしい所を見られてしまいましたね、あなあがレイさんねネロの懐刀の
よろしくお願いしますいます」
クラリスは礼儀正しく挨拶した
わたしの一個歳下なのに偉いな。
「ああ...」
何かレイの様子が...。
「まったくもうネロってば」
「こらっレイが見てるだろ抱きつかないでごめんよ昔から
クラリスは...」
レイすっごい怖い顔してる!!
謝ろうとしてレイの方を向こうとしたら
細い目でずっとガン見してる!!。
「ちっちょっとクラリス席を外してくれるかな?」
「はい、分かったじゃあレミアさんの所に行ってるね」
そう言ってクラリスは出ていった。
何だよクラリスって雌の子は俺も知らない奴じゃんか同じライオン族で本来の綺麗な黄色い毛並みを
していた。
「あの?レイ...」
「何だよ?」
何でネロに対してイライラしてんだよ俺は。
「何か怒ってる?わたしがあんな感じだったから
もしかしてそれで?」
「別に...」
ダメだ俺の方が目を合わせて話せない。
「はぁ、ごめん!妬いてた!!」
「はっ?!」
急にネロは手を合わせながら頭を下げて
謝った。
「さっきジャック隊長がキミに対して
好意があるような素振りをしてて
しかもお似合いだったからそれで複雑な気持ちになった...」
妬いてた...しかも隊長が...。
「いや、ネロあれはただ話してただけで...」
「羨ましかったんだ、たとえ好意がなくても
二人が立ってる姿が釣り合ってて...」
ネロ俺はお前だけしか...
ああ、そういう事か俺も...。
「ネロ俺も人の事言えないんだ
俺も妬いてたんだクラリスって雌の子に」
「えっ?クラリスに??」
俺もネロも妬いてたんだな。
「クラリスはわたしのいとこだよ?」
俺は一瞬時間が止まった。
「えっ?でも血縁がいないから自動的
お前が王位を継いだんだろ?」
「ほらこんな事言うのも何か暗い話になるんだけどわたしの父上の暗殺の計画を立てた人覚えてる?」
「えっと確かお前の叔父...アッ!!」
そうかその叔父の子供かそういう事か!。
「彼女に罪は無いだけどこの国の王を殺した
自分の親だから何か言われる前に他国に
内密で暮らして貰ってるんだ
だけど今は誰も彼女を責めないと思う」
「何でだ?」
ネロは上を向いた。
「先生がずごいボロカスに言ったんだよ...」
どうやらネロの話に寄ると
レミアさんが
あいつは王として優秀でも父親として
最低だったいつ殺されてもおかしくない様な
奴だったと言っていた。
たとえどんな王でもそんな事言えば大変な事に
なるのだけどレミアさんは
何よ事実を言ってるだけでしょほら
殴りたきゃ殴りなさい首を切り落として
死刑にしたきゃしなさいほらやんなさいよ
とっ言い放ちその場にいた兵士達も逆に引いてしまってその後もレミアさんは
言いたい事あるなら言いなさいよっと
ドスの効いた声で言うと全員黙ってしまった
その後もロビーさんとジャック隊長も
レミアさんの言ってる事は正しいと
言っていたらしい
それで段々国民や兵士の人達も考えを改めて
一番の被害者はそんな親の元で産まれた
ネロとクラリスだったんだと結論に至ったんだ。
しかしレミアさんは恐ろしい。
「レイ、絶対に先生を敵対したらダメだよ...」
「そうする...」
何があるか分からないもんな。
「でもなぁ、レイ...」
「何だよ?」
ネロが俺の腰当たりに抱きついて来た。
「わたし心配レイ、モテるから」
「おいおい、俺はそんなにモテないよてか
確かに俺達悲しい関係だけど浮気なんてしないよ」
まあ、俺も人の事言えないかネロが誰かに取られないかって
全く不安じゃ無いと言ったら嘘になる
今だけはこの幸せをじゃまされたくないんだ
俺はネロに鼻と鼻をくっつけた。
「お前が可愛いのがいけないだからな」
そのまま俺はネロの頬にキスした。
「甘えん坊の歳上め」
「寂しがりやの歳下め」
あっそうだ。
「ジャック隊長から手紙もらったんだ」
「ラブレターだったらジャック隊長を銃で蜂の巣にする」
サラっと怖いこと言ったけどとりあえず俺読んでみる事にする。
「あれ?これ俺の叔父さんからだ!」
何だか叔父さんからの手紙か。
「レイの叔父さん?」
「元々は俺ここの出身じゃ無いからな叔父さんは今でも
俺の産まれ故郷に住んでるんだ俺や弟がまだあっちにいた頃は
叔父さんが何かしら面倒を自分からしてくれて
でも何だろ急に?」
ネロは優しく笑いながら喋った。
「レイの弟さんやんちゃ?それとも大人しい?」
俺も何故だろう何だか悲しくなかった。
「ううん、やんちゃかな?病気になっても外に出たがるから」
「叔父さんは?」
そうだなよしアレだな。
「メチャクチャ優しいオッサン」
「それ褒めてるの?叔父さん泣くよ」
間違っては無いもんね
とりあえず手紙読むか
俺は叔父さん当ての手紙を開けてさっそく読んだ。
「えっ?...嘘だろ...」
「どうしたのレイ?」
そんなだってあいつは...。
「弟が生きてる...」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます