エピソード4【相棒と恋】

わたしは城の地下の書物室で本を読みあさって

いた。

「なあ、ネロ」

「なんだい?」

わたしは集中すると素っ気なくなる。

「あの竜の事がそんなに気になるのか?」

「だって前に書物で見た時の説明だとたしかに

確認自体はされてるけど何もしなければ

おとなしい生物何だよあの竜は」

わたしは仮説を立てた。

「わたしは思ったんだたしかに火の玉を飛ばして来たり建物を壊していた、だけどおとなしい竜が

何の理由も無く暴れるだろうかって」

「...何が言いたい」

レイは真剣な顔つきになった。

「本当に昔の記録何だけどある召喚術士が

召喚した使い魔を使って暴れさせた事件が記録に残ってるんだ」

レイは目を見開いて言った。

「つまり竜を暴れさせたのは誰かが

仕組んだって事か?!」

「断言は出来ないけどでも、調べて状況が悪くなる訳じゃ無い」

わたしは本を閉じた。

「やっぱりここの本には何か手がかりになる事は

書いてなかった見逃した所が無いか念の為

本を直接読んだけど何も書いてなかった」

その時レイは呆気にとられていた。

「おい、ちょっと待てお前この本の全部、記憶してるのか?」

「そうだよ、どうして??」

レイは完全固まった。

「この量の本を嘘だろ?!」

「わたしは勉強が好き自分で言うのも何だけど

記憶力には自信があるんだ」

レイは呆気にとられていた。

「とっとにかく何か心当たりがあるのか闇雲に探る訳じゃないだろ」

わたしは服のポケットから小瓶を出した。

「これを調べる」

その小瓶には赤い液体が入っていた。

「それはまさか...」

「竜の血液、ジャック隊長に何でもいいから

竜の遺伝になる物が欲しいって無理言ってわたしにくれたんだ」

わたしとレイが倒した竜の血液もし

操られていたなら竜の体の一部に何か反応がある

その為にこの血液を調べる。

「よし、研究室に行こう」

「俺たちの秘密の場所か?」

「ううん、ここの城の研究室」

そしてわたしはレイに向かってハッキリ言った!!。

「それに...あの場時は...レイとゆっくりする...

場所だから...こういう危ない実験はあまり...」

「さっきまでの勇ましい喋り方どうした!!

せめてハッキリ言えよ!!」

「うっうるさいな!本気で好きになった相手が

ずっとそばに居て嬉しいげどずっとドキドキして

わたしも表情変えないように頑張ってるんだ」

レイとは悲しい約束をしたけどわたしは

それでも嬉しかっただからニヤニヤが止まらない。

「ああ、ダメだ喜びに笑みが出てくる!!」

「お前、普段はおとなしいのに感情高ぶると

声の音量すごいよな」

「仕方ないだろ自閉症何だから!!昔とくらべると

マシになったけど、イライラしたりすると

大声出しちゃうんだよ!!」

「俺が原因か?」

レイは詰め寄って来た。

「いや、そういう訳じゃ...」

壁に背中が当たった逃げ道は無い。

「冗談だよでも嬉しいな俺にはちゃんと隠さないで自分を出してくれて」

「雄みたいな詰め寄り方しないでよ」

ダメだドキドキして来た。

もう!シャッキとしろよわたし!!

「心は雄だよ俺はけど可愛いなーお前...」

首の匂いを嗅いで来た。

「ちょっとくすぐったい...」

やばい、心臓が飛び出そう。

「いいじゃん...、俺がお前の護衛について三週間

俺らの秘密の関係にも慣れてきたよだけど

もっと素で一緒に居たいよ」

「明日の夜添い寝してよ、だけど今は待って...」

「分かった...」

レイはしゅんとしてしまった。

「今晩にする?」

「いや、大丈夫だもしネロの考えが正しければ

また大変な事になる」

その目ずるい口ではそう言ってるけど

顔はすごい寂しそう、やってやるよちくしょう。

「今すぐ研究室に行く誰も入れさせないで」

「おい、ちょっと!」

わたしは研究室に急いだ。

ボンっバタンっカシャっ

そしてわたしは扉にカギを閉める

集中するんだ集中だ集中。

そしてわたしはありったけの紙とペンそしてインクを机に置いた。


翌朝...。


「ネロ...起き...」

誰だろう、だけど何だか安心する。

「起きろってば!!」

「うわあああ!」

わたしはレイの大声で飛び上がった。

「たく、めちゃくちゃ散らかってるじゃないか

何だこれ?」

レイは周りに散らばる紙を見ていた。

「これはわたしが昨日徹夜でまとめた研究結果だよ」

「お前これ一晩で...本当にお前にはビックリさせられっぱなしだよ」

レイは呆れ半分とため息を吐く。

「まあ、俺が持って来た夜食はちゃんと食べてた見たいだな」

「ああ、あれレイの和食美味しかったまた食べたい」

実はレイは東の国の東洋獣なのだ

だから故郷の味ってやつかな和食が得意だ。

わたしはレイに抱きついた。

「はっ!!しまった寝起きで頭が回らなくてつい!」

レイはものすごく顔を赤くしている。

「いや...いいんだ...だけどその...」

「何?」

「もう一回甘えてくれたら作ってあげるさ」

「...また今度でいい?」

「良いよ...」

ダメだお互いクールに行こうとするけど

甘酸っぱい感情になる。

「それでネロ結果は?」

「ああ、その事なんだけど」

わたし半分減った血液の瓶を拾った。

「調べて見て分かったよこれ黒魔術の魔法の反応があっただけどこれは召喚じゃなくて直接魔法を打ち込んだような感じだよ」

「じゃあどういう事は」

「詳しい事は分からないけど誰かが

原因で竜が暴れたって事は確かだよ」

まだ調べる事は沢山ある。

だけど今はすこしだけ。

「ねえ、レイ昨日の約束」

「良いのか?」

「うん、だけどあくまで添い寝だけまだ早いよ」

わたしは顔を赤くした。

「早いって何がかな?」

レイは顔を詰め寄って来た。

「恥ずかしいからやめて...」

「ゴメンってとりあえずお前の部屋に行こう」

「そうだね分かった」

そしてわたし達は研究室を後にした。


数分後...。


わたしとレイは着替えを済ませて今日の予定を

話し合っていた。

「レイ今日の予定は何...何かレイ秘書見たいだね」

「ずっとそばに居ないといけないからこういう役割もピッタリだろええも今日の予定は」

「あれ?兎の雌の獣人誰だ」

「どうしたのレイ?」

わたしは見に覚えのある兎の獣人が衛兵と話している。

「あっ!この国の元賢者のレミアだよ」

「えっ?!あの魔法を極めた大賢者レミアか?!」

彼女はめったに城に来ないのにどうして?

「やあ、ネロ王子」

「どうも賢者レミア久しぶりです」

握手しようとして頭を撫でられた。

「あらあら相変わらず昔から堅苦しいわね

まあ口数が前と比べたら多くなった方だから

一歩全身かしら」

そう言ってわたしの頭を撫で続ける。

「あの、わたしも一応体術の基本は学んでますよ」

そう言いながら自分の拳に光の強化魔法を付ける。

「はいはい、分かりましたおお怖い怖い」

この人はいつもわたしに笑えない冗談を飛ばして来る。

「えっと...あの一体二人はえっと知り合いで?」

「ああ、申し遅れたはごめんなさいレミアよ」

「ネロ王子の懐刀レイです」

「あなたがレイね光栄よ」

「いえ、大賢者レミア様がネロ王子と元からお知り合いで?」

ああ、レイにはそう言えば言って無かったか。

「国に使えた大賢者レミアはもうやめたけどね

今は魔術を教える先生レミアだけどね

ネロ王子は私の弟子何だよ」

「えっ?!あの大賢者レミアの弟子!!」

レイは驚きを隠せなかったまあそうだろうね。

「元々この子の母親とは昔からの親友なのよ

でも全くこんな可愛い子残して天国に行くなんて

信じられない」

レミア先生はわたしの方を見て言った。

「種族はライオン族だけど目元は母親譲りね」

懐かしそうにわたしを見る目を合わせてくれたが

わたしはとっさに目をそらした。

「あら、また目をそらされた」

レミア先生は残念そうに言った。

「まあ、昔に比べたら回数は減ったかな

それだけでも進歩ね」

先生は相変わらず前向きだ。

「あのーお...私は話の輪に入っていいのでしょうか?」

レイは自分の事俺って言いかけたけど何とか

言い直した。

「あら、申し訳ない事したわね」

「所で先生なぜこちらに?」

「ああ、ごめんなさい説明が遅れたわね

実はあなた達について来て欲しいの」

「えっ?と言う事はレイとわたしも?」

「そうよちょっと急ぎの用事なの来て」

「全くいつも先生は急なのですね分かりました

レイ行こう」

「分かりましたですが何処に行くのですか?」

「それはついてからのお楽しみ」

一体この人は何を考えているんだ?

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