エピソード2【真っ赤な嘘】

わたしは錬金術の研究で忙しくなるから部屋には

入らないでくれとロビーに言っておいたので

今なら大丈夫だわたしはこっそり抜け出して

レイの待つ場所に向かった。

「レイーー!!」

そこには背の高い黒いオオカミ、レイの姿が会った。

「おう、ネロ久しぶり元気にしてたか?」

「うん、元気だよレイは傭兵の仕事大丈夫?」

「まあ大丈夫だ色々行って大変だけどな」

レイは傭兵で依頼さえあればあちこち行ってる

その分危険も付き物だけどそれだけ、彼が

優秀な証拠だ。

傭兵と言ってもレイは本当は冒険者だ

だけど冒険者も色んな依頼があるレイの様に

雇われて、荷物や旅人を護衛したり

変わりにあるものを取ってきて欲しいと頼まれたり

ある魔物を倒して欲しいとか

指名手配されたお尋ね者を、捕まえるなど

様々だ、だけどレイはその腕前を買われて

今じゃ優秀な傭兵になった。

「でも忙しいって事はやっぱりレイはそれだけ強いんだね」

「いや、俺もまだまだ、だ実際

身体中、傷まみれ出しなこの顔も」

自分から見て向かって左の目に傷がある

服と茶色のマントで見えないけど体と手足にも

刃物で切られた傷がある背中にも子供を守った時の

大きな刀傷がある。

「背中の傷は戦う物の恥って言うけどな」

「でも、戦ってついた傷は戦士の勲章でしょ?

カッコイイよレイ」

「はっはっ嬉しいよネロ」

そう言ってレイはわたしの頭を撫でた。

「おい、やめてよもうわたしは子供じゃないんだ」

「俺には、普通の子供らしい口調なのにか?」

「レイにだけだ」

わたしはレイを兄の様にしたってる

たくましくて頼れるこんな兄が理想でわたしの目標

だけど...。

こんな事言ったらレイは怒るかもしれないけど

たまに母性のある雌の姉の様な顔立ちに見える時も

ある、多分凛々しいからそう見えるだけだと思うけど。

「どうしたネロ?」

「いや、なんでもない」

わたしはレイに問いかけられたが

何でもないと言った。

その時何となく左腕を見た。

「あれ?レイその腕包帯巻いてる、マントで気づかなかったけど?」

「ああ、これか前の護衛の仕事でお前程じゃないけど重要人物の護衛をしてた時に敵の弓がかすって

ケガしたんだ、大丈夫だこれぐらい何ともない」

「ダメだよほら包帯外して」

そう言ってわたしは包帯を外して傷を見た。

「動かないでね」

白い光がレイの腕の傷を治していく。

「はいっこれで大丈夫」

「ありがとうお前は相変わらずすごいな

どんなケガも病気もすぐに治っちまう」

「医学と錬金術の勉強は元から好きだからね

まあ回復魔法しか出来ないけど何も出来ないよりはマシ」

「あの時とはちょっと逆だな俺がネロの傷を手当してたけど俺が逆に手当してもらってるな」

「だけどあの時レイが助けてくれたから今のわたしがいる本当にありがとう」

「だけどビックリしたよだってあの隊長に俺の居場所を探させて内密で俺の所にお前が来たと思ったら、目は逸らすは何言ってるのか分からない様な言葉を喋るはで驚いたぜ」

「しょうがないだろこれでも昔と比べたらマシになったんだから」

「でもお前のあがり症も大分落ち着いて良かったな」

あがり症レイはそう言っただけどわたしは

レイにはわたしの事情を話していない

けどそろそろかな、もう長い付き合い出し

隠す様な事でもない。

「ねぇ、レイ」

「何だ?」

「実は聞いて欲しい事があるんだ」

「どうした?」

「実は...」

その時

「ねぇ、何か聞こえない」

「どうしたんだ?んっなんか臭うな待てよこの匂いおい嘘だろまさか!!」

「こんな大きな羽ばたく音、聞いた事ないだけどこの国に向かってる」

わたしの様なネコ科の獣人は耳がいい

遠からでも集中すれば物音一つ逃さない

そしてレイはイヌ科の中でもオオカミの獣人

一度嗅いだ匂いは絶対に忘れない。

わたしは分からないけど

レイには心当たりがあるみたいだ。

「おい、広場に向かうぞ!」

「分かった!」

そしてわたし達は広場に向かった。


数分後...。


わたしは顔がバレないようにフードを深く被った

人混みの中

全員、空を見上げている

そしてわたし達を空を見上げて

「おい、あんな巨大なのは見た事ないぞ」

どうやらレイは前にも見た事があるらしい

だけどわたし自信は見るのは初めてだ

その巨大な生物は

羽ばたきながらこちらに向かってくる

バサンっバサンっバサンっ

ドッコォォォォォォォン

「ウォォォォォォォオン」

「どうなってんだよ?!」

雄叫びだけでも吹き飛ばされるかと思った

何故こんな所に

その巨大生物は

竜だわたしは本でしか見た事ない

だけどあの見た目は金色の瞳に赤い体

レッド・フレイム・ドラゴン

でもあれはさすがに大き過ぎる。

「ウォォォォォォォオン」

シュュュュボォォォォオン

突然竜が火の玉を口から放った

当たった地面は粉々に吹き飛んだあんなのまとも

食らったら一溜りもない。

「きゃああああああ!」

「逃げろ!!早く!」

「何だよ!!どうなってんだよ!」

全員我先にと走りだし逃げ出した。

「ウォォォォォォォオン」

すぐさま兵士達が来た。

「お前達まずは住民の避難を先に竜は応援部隊が来るまで何とか持ちこたえろ!!」

兵士達がやって来ただけど竜が来たのもいきなりすぎて、兵士の集まりも悪いこれじゃ時間稼ぎも出来ない。

「ネロお前は住民と一緒に避難してろ俺は兵士達と一緒に戦う、早く行け!」

「そんな無茶だよあんなのと相手するの?!」

「戦う事が出来る奴は俺以外近くにいない

お前はこの国の王子何だから自分の身の安全を考えろ!!」

そう言ってレイは腰の剣を抜いた。

そして剣は黒いオーラが纏ったレイは

闇属性の使い手で呪いや弱体化が得意だ。

そして剣に影を宿してそのまま走って行った。

「おい、危険だ無闇に突っ込むな!!」

「住民の避難が先だろここは俺に任せて急げ!」

「クソ、絶対に死ぬなよ応援部隊を連れて戻ってくる」

「おう!」

そう言ってレイは竜の前に出た。

「よお、竜さんよいきなり出てきて異性がいいな

ケンカしたいなら俺が相手だ本当は体術の方が得意だけどお前みたいなデカブツには効果が無さそうだからな!」

そしてレンは剣で斬りかかった。

カキーン

だが竜の鱗はそう簡単にダメージをあたえられない

「クソっ硬すぎだろ」

バサァァァァ

「うぁぁぁぁ!!」

竜の翼でレイは少し吹き飛ばされた。

「あぶねっ!」

だけど何とか上手く着地した。

「ウォォォォォォォオン」

「また、火の玉がダメだ間に合わない!!」

ブォオオオン

レイの元に火の玉が迫ってくる。

ドガーーンっヒュュュュュウ

「んっ?生きてる...おい、ネロお前?!」

「大丈夫、レイ?」

わたしは魔法陣の結界で火の玉を防いだ。

「ネロお前!」

「一人で戦わないで!!」

わたしは懐から銃を取り出して

竜に向かって撃った。

バンっバンっバンっ

「援護やサポートしか出来ないけど一緒に戦おう!」

「ふっ、たくましくなったなてかそんの何処で手に入れた?」

「錬金術で作った」

「さすがネロ様」

そういいながらレイは達上がる。

そして無数の火の玉を放った。

「来るぞ!!」

「分かってる!」

わたしはもう一度結界を出した。

「防御はいくらでも出来るけダメージをあたえないと意味が無いさっきの弾丸全然ダメだ」

「俺の斬撃もダメだったどうする」

わたしは考える。

「あいつは本で読んだ通りなら炎属性

水の力に弱い」

「だけど俺は闇属性と呪いしか使えないぞ」

「これならある」

わたしは水色の弾丸とそして。

「これ、何だ小さいのは弾丸だろ?」

「爆弾」

「爆弾?!なんでそんなもの!!」

「錬金術で作った」

「お前、なんでも作れるな」

わたしはレイに言った。

「水属性の氷水弾とフリーズフラム

さっき弾丸はあんまりダメージをあたえられないけど爆弾なら」

「だけど鱗が邪魔だ」

「外がダメなら中を狙う」

レイはわたしの言った事を理解したようだ。

「そうかあいつの口の中に!」

「そうだよ、問題はどうやって口を開けるか」

そしてレイは言った。

「眼球だどんだけ体の節々が硬くても眼球はどうしようも無いそこを狙うんだ」

「なるほど、その隙に」

わたしは彼にフリーズフラムを一個渡した。

「これ2つしかないんだ」

「俺とお前で1つずつやるしかねぇ」

「結界を解除するよ」

「ああ、いつでもいいぜ」

「よおし、行くよ!!」

そしてわたしは結界を解除した。

そしてわたしは左にレイは右に左右に別れて

竜に近ずいた。

「ウォォォォォォォオン」

竜が火の玉を撃ってきた狙いはレイの方に行った。

「おっと俺の方がだけどあの時みたいに膝をついてないぜ」

レイは軽やかに火の玉を避け続けて見事にほんろうしている。

そしてわたしはレイに気を取られてる隙に

わたしは物陰に隠れて弾丸を入れる。

そして銃口に光属性の強化魔法を限界まで

溜め込んで。

「おい、そこの暴君こっちだ!!」

竜がわたしの方に目線を合わせた。

ああ、やっぱり。

「目を合わせるのは怖いな」

バンーーーっ

弾丸はまっすぐ竜の眼球に向かって撃った。

ズビューっぶしぁーっ

そして眼球に当たり血液を吹き出した。

「グゥオオオオオオオオオ」

竜は苦し紛れにわたしにまた火の玉を放とうとした

だが。

「させるかァァァァ!」

レイがすかさずやって来て剣を竜のもう片方の眼球に突き立てた、そしてレイの呪い効果が竜を

より苦しめる。

グシャッ

「グオオオオオオオ」

そしてまた痛みで雄叫びを上げて口を大きく開いた。

「今だ!!」

そしてレイはフリーズフラムを竜の口の中に投げ込んだ。

ドカーンっ

爆弾と同時に喉の中の血液と一緒みるみるうちに

凍っていく喉にかなりのダメージをあたえたうえに

爆弾した全体がどんどん凍っていく。

だけど竜はまだ生きていた。

竜は暴れだしてレイが手を滑らせて竜から

落ちてしまった。

「クソっどんだけしぶといんだよ!」

そして竜は大きな尻尾を大きく横に振った。

「まずっ...」

バンッ

レイは吹き飛ばされた。

バコーン

そしてレイは壁に叩きつけられた。

「レイ!!貴様あああ!」

そしてわたしは手元にあるフリーズフラムを片手に走り出したそして強化魔法をフラムに宿らせて

竜に飛びかかった。

「いい加減、眠ってろ!!」

うつむいた竜に眼球が無くなった右目に

フラムを突っ込んだそして...。

ドカーン

喉が凍りついて雄叫びを上げられない

まま竜は頭の右上半分が無くなって倒れた。

わたしはレイの所え駆け寄った。

「レイやったよ!!」

「すげーぞネロあんなの食らったらさすがにもう

暴れられないだろうよ」

「待っててすぐに治すから」

そしてわたしは回復魔法をレイにかけた。

「ダメだ強化魔法を使い過ぎて回復魔法が少ししか使えない」

「足だ」

「えっ?」

「足を治せ歩ける程度にお前の錬金術の研究室に

エーテルやポーションを自分で調合して作ってるって言ってただろ病院も怪我人や避難した住民で

混雑してると思うそれだったらお前の研究室の方が確実だ」

「わかった、レイ冒険者専用のポーション

持ってる?」

「ああ...これだ」

レイはポーションを2瓶だけ出した。

「無いよりマシ」

わたしはポーションと回復魔法をありったけ使い

レイの足を何とか歩ける程度に治しただけど

急いでちゃんとした治療をしないと。

「わたしの肩に」

「悪い...」

そしてわたし達はその場を後にした。

「ふふっ」

「何笑ってるの」

「いや、初めて会った時と逆だなって」

どうやら初めてわたしとレイが会った時の事を

思い出していたようだ。

「キミの方が大怪我だけどね」

「たしかになあの時のお前もじもじ

してて可愛かったな...」

急に何言っているのだろう?

「ちょっと、こんな時に何を...」

その時わたしは胸がドキッとした

何故どうして?雄同士だぞなんで?!

きっとわたしは今顔が赤くなっているだろう

だけどどうして?

ダメだ頭が回らない。

「ねぇ、着いたよ」

わたしはレイと一緒に作った隠れ家でもあり

錬金術の研究室に着いたここは森の中で誰も知らない秘密の場所だ。

「着いたよ、レイ?」

返事がないまさか!

「レイ、しっかりして」

わたしはとっさにレイの顔を少し叩いたそれでも

返事が無い。

「レイしっかりして」

まだ息はしてる、落ち着けレイを助けられるのは

わたしだけだ。

研究室の扉を開けて中に入った。

わたしはレイがここで寝泊まりする用のベッドに

寝かせた。

「待っててレイ」

そしてあらかじめ作っておいたありったけの

怪我を治すポーションと魔力を回復するエーテルを

かき集めた、そしてナイフも。

「ごめんよ着替えは後で持って来るから」

わたしはナイフで服を破った。

「あれ、なんで胸元に布を巻いてんるだしかも魔力が込められてる?」

一瞬前に胸元を怪我下のかと思ったが

そんな様子は無いけど、だけど体を治すのに

邪魔だ。

「ごめんよ、これも破くね」

そしてわたし布をナイフで切り込みを入れて破った。

「えっ?嘘どうして!?」

わたしは目の前の状況に驚きを隠せなかった。

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