戦争終わったら俺無職になるんだけど、まあ、その戦争終わらせたの俺だけど

 俺の記憶はほぼ全て殺し合いで出来ていると言っても過言ではなかった。

 殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺されて殺されて殺されて殺されて殺されて殺されて殺されて殺し合って殺し合って殺しくまくって殺しまくる。

 目の前にある死と愉快なダンスをしながら高笑いを上げて殺し合う。

 異常という以外何者でもないような光景を日常としてしまう。

 隣で酒を飲んで俺と仲良くしようと笑って飯を進めて来た軍人が次の日には見るも無残な肉片となり、一つの部隊が数十分後には全滅していたり、至る所に死体が散らばっていて、血で血を洗うどころか、大地が人間と魔族の血によって赤黒く染まってしまっている。

 

 そんな地獄のような戦場が殺し合いが俺の全てであった。


 俺にある一番古い記憶は身を焦がすような魔族に対する殺意、怒り、憎悪である。

 

 魔族の手によってこの身を焼かれて、家を焼かれて、友人を殺されて、家族も殺された。

 身体中の火傷跡を見るたびに魔族への殺意を思い出す。

 魔族の全てを奪って殺して殺しつくして魔族をこの世界から殺戮したいと思う。


 ・・・・・・・・・・・・

 

 まあ、でも、ぶっちゃければ今はそんなに気にしていないんだけどね。

 だって、もう終わったことだもん、いくら俺でも時空間移動とかは出来ないし、死者蘇生は今の俺なら死体があって死にたてほやほやならば出来なくはないけど、逆にそうじゃなければ死者蘇生は無理だ。

 俺の村を焼いて家族を友人を殺して俺を焼いた、クソ魔族は探し出して同じ目に合わせて殺したし、ついでとばかりに、気に食わない魔族共も片っ端から殺戮したしね。

 それに、これが割と一番大切なんだけど、ぶっちゃけ大分復讐って感じの記憶が薄れて来てるんだよな。

 だって、それはそうだろって話だ。

 俺が村を滅ぼされたの大分前だぞ、少なくとも10年くらいは前だぞ。当時の俺、多分5歳とかだぞ。

 皆、5歳の頃の記憶を覚えてますかってなったら、まあ、そんなに覚えていないと思う。

 俺も覚えていない。

 母親の暖かい温もりとか、父親の偉大な背中とか一切覚えてないね。いや、かすかに記憶の片隅になくはないかもしれないけど、まあそれも誤差のようなものだ。

 という訳で今は魔族に対する身を焦がすような殺意も怒りも憎悪もさしてないね。あっても誤差みたいなものってわけ。


 それに、こんなことを言えば元も子もない気がするけど、人間も大概クソなんだよな。

 だって、やってることが魔族と変わらないんだもん。

 魔族の幼子(女児)相手に必死に腰を振ってる人間の兵士を見た時、ついつい殺しちゃったこととかあるしね。

 それは殺しちゃうよって話だ。

 それは人間にも優しい人間はいるよ、それでも、そんな優しい人間が魔族相手となるととんでもない下種外道になるんだよな。

 魔族相手ならば何をやっても良い、正義は我らにありって言ってね。

 魔族の村を平気で焼くし、魔族を捕まえて、切り刻んだりダーツの的にして遊んだりしているし、何というか、魔族も人間もとっちもどっちだなって感じだ。

 

 といっても俺は種族としては人間だし、一応魔族によって全てを奪われた訳なんだし、人間側の味方として魔族を殺戮しているけどね。

 

 いやまあ、昔はそれこそ10歳になる前とかはもっと魔族に対して激しい怒りを抱いていたし、精力的に魔族を殺戮してたし、人間を救おうと努力をしていたよ。

 でもね、いろんな戦場で人間が魔族に行っている残虐な行いと、魔族同士でも助け合いをしてたり、協力しあってるのをみていたら、一周回ったんだよね。

 何というかどうでもよくなった。

 

 はい。以上。終わり。


 といっても戦争自体がそもそも論として終わったんだけどね。


 誰が終わらしたかって言えば、まあ俺が終わらしたね。


 魔族共が起死回生とかいって10万の軍隊を編成して王都を落とそうとしていたから、俺一人で突っ込んで言って全員綺麗に殺戮した。

 流石に数も数だし魔族の先鋭もかなりいたから、戦いは1週間以上も続いたけど、何とか俺が勝ったね。

 我ながら強すぎると思うわ。

 どこの世界に魔族という人間をはるかに超える寿命と身体能力と魔力を持ち性格も戦闘狂な化け物10万を人間と言う身でありながら殺戮出来るねんって話だ。

 多分、真面目に人間の王都を落とそうと思ったらこの10分の1、いや100分の1の1000人でも落とせると思うよ。

 過剰戦力にも程があるな。

 いやまあ俺一人に滅ぼされてるんだけどね。


 という訳で俺のおかげでかれこれ300年以上も続く頭のおかしいだろってくらい長期化した人魔戦争は人間の大勝利、魔族側の完全降伏という形で終わりを告げました。


 めでたしめでたし


 で、だ。


 これが一番大切なのだが、俺自由になったんだよな。


 俺は物心付いた時から戦場にてひたすらに殺し合いをして生きて来た。

 割と冗談抜きで戦場は苛酷だから、空間魔法が使えない時はよく食料がなくなって、代わりに魔族の肉を喰らって、血を啜り、魔族や人間の死体を掛け布団にして寝てたりしてたからな。

 そんな俺は上司曰く常識が一切ないらしい、失礼なとは思うが、まあ、その通り過ぎるので何とも言えない。


 そんな常識のない俺でも戦場という場所があったからこそ、生きれたし、ある意味での存在意義のようなものがあった。


 ただ、そんな戦場がなくなってしまった。


 一応、国からは一生遊んで暮らせる程度の報奨金と俺の眷属が+で人生100週しても一生遊んで暮らせる程度のお金を稼いでるから、別に無職でも問題はないし、ひたすらにグウタラして生きるのも悪くはないと思う。


 それでも、何というか、職業無職ってのは抵抗があるんだよな。

 何より面白くない。


 で、何をしようかなって思ってた時に、戦場でよく兵士たちが口にしてた、学園ってのに興味を持ったんだよ。


 どうやら、学園というのは自分と近い年の人が集まって大勢で切磋琢磨したりして自分の力を高める場所らしい?後は甘酸っぱい恋とか熱い友情とかいう青春?ってのに溢れてる場所らしい。

 

 聞いた感じ楽しそうなんて、これは行くしかないと思った訳で、そうと決めたらすぐ行動で上司に学校、もしくは学園に行きたいですって言って、俺が学園に行けるように手配して貰いました。


 そんなこんなで話はトントン拍子に進んで、今俺は王都にある王立学園にいます。

 

 今日から新しい学園生活ってのが始まる。


 俺としては非常にワクワクのドキドキで最高に嬉しい気分だぜ。

 ヤッタネ。


 

 ――――――――――――――――――――


 補足説明

 主人公の性格について。


 今の主人公の性格は自由奔放で自由気まま、やりたいことをやって、やりたくないことはやらない、気に食わない人がいれば簡単に殺すし、自分の思い通りにならなければ、自分の思い通りになるように無理やり道を切り開く。

 欲望に忠実で我慢ってのを知らない、子供みたいな性格です。

 その上、結構お喋りで、能天気で考えなし。

 まあ、主人公の性格としては最強の力を持ってイキってる典型的ななろう主人公に少し類似してますね。

 

 ただ、こうなるまでに至る経緯は非常に過酷であり、それこそ復讐しようと思いで溢れていた10歳前とかの主人公は常に殺意マックスで、近寄るなオーラ全開、復讐系なろう主人公の中でも結構どぎつい方の性格であり、話しかけても、帰ってくる答えは魔族を殺すことについてのみ、(某ゴブスレさんレベル)誰とも関わらずにひたすら魔族を殺戮する、悲しき復讐者って感じです。


 そんな悲しき復讐者が人間の醜さを見過ぎる程見てしまって、復讐も色々あって終わらせちゃった結果。

 はっちゃけまくりの頭ハッピーセットの主人公になってしまったて感じです。

 因みに主人公に倫理観はありません。

 倫理ィ、が倫理ィしてます。 


 因みにこんなに強い主人公なら、戦争終わっても軍に入れられるだろってのについては後々外伝が入るのでお楽しみに。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る