第14話 戦利品漁り


「ガチャ、もう安全だから出てきていいぞ!」



 ガチャが隠れている方へ声をかけると、姿を現したガチャがものすごい勢いでこっちに駆けてくる。



 座り込んでた俺のもとにきたガチャが膝の上に乗った。



「ガチャ、泣いてるのかよ」



 こちらを見上げて、レバーを回して応えた。



 ガチャの涙は見えないが、俺の外套に染みが拡がっていく。



「大丈夫だって言ってただろ」



 頭を撫でてやると、ガチャはうんうんと頷いた。



 ガチャを一人残して死ねないって。



 頭をわしゃわしゃと撫でていたら、ガチャが何かを思い出したように俺の膝から飛び出し、先ほど隠れていた場所へ戻り始めた。



 あ、そっか。さっき飛んだ光の玉で金色コインが落ちたんだな。



 一個も逃さずに回収しとかないと。



 ガチャの隠れていた場所に行くと、金色コインが20枚ほど散乱している。



「いっぱい出たなー」



 俺の言葉を聞いたガチャが恥ずかしいのか、ガレキの裏に隠れた。



 光の玉もいっぱい出たし、強さ的にもLV的にもボスモンスターで間違いなさそうだ。



 とりあえず、金色コインを回収して後で20連ガチャするとしよう。



 どんなレアスキル出るか楽しみになってきた。



 集めた金色コインを失くさないよう、空間収納にしまいこんだ。



 あとゴブリンチャンピオンも解体と、宝箱のチェックもしとくかー。



「ガチャ、金色コイン回収はできたし、さっきの場所に戻ろう」



 隠れていたガレキからチラッと頭を出したガチャを手招きすると、さきほどの宝箱の場所に戻る。



 さっとゴブリンチャンピオンを解体して『ゴブリンの大骨』、『チャンピオンの大角』の素材にすると、近くに落ちていた巨大な剣を鑑定した。



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 チャンピオンソード


 基礎攻撃力:130


 属性:なし


 特別効果:骨系の魔物にもダメージ減少なし


 エンチャント:可能


 解説:刀身が1m80センチ程度の鋼鉄製の巨大な両手剣。打撃ダメージも出せる一品。


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 よさそうな武器ゲットだな。攻撃力高いし、剣技向上の恩恵もデカいが――



 でも両手持ちかー。



 魔法とか発動させる時、邪魔になる気もする。



 通常は短剣で、物理攻撃で押したい時はインベントリから出すとするか。



 戦利品であるチャンピオンソードを空間収納のインベントリへしまった。



 次は宝箱の方だな。



 金色の宝箱に触れて鑑定をする。



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 金色の宝箱


 耐久値:5000/5000


 罠:なし


 状態:無施錠


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 罠なしっと。



 金色の宝箱を開けると、中身はのっぺりとした仮面と小さな指輪だ。



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 偽りの仮面


 基礎防御力:5


 属性:闇


 特別効果:闇の力で人相をいろいろと変化させる。


 エンチャント:不可


 解説:銀色ののっぺりとした仮面。頭髪を含めて人相を変化させる。


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 幻影の指輪


 基礎防御力:5


 属性:光


 特別効果:使用するとMP消費なしで、装備者の姿形と同じ幻影を作り出せる。


 エンチャント:不可


 解説:妖精の意匠が彫られた銀の小さな指輪。幻影を生み出す



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 人相を変えられる仮面は、要るのか?



 まぁ、せっかくの戦利品だし、なんかの時に使えるかもしれないから、インベントリにしまい込むか。



 高く売れるなら、どこかで換金するのもありだろうし。



 あと、幻影の指輪は地味にありがたい。



 囮の幻影に敵の攻撃を集中させて、その間に影潜りで離脱できたりするだろうし、使い方はいろいろと工夫できそう。



 指輪はすぐに使えるよう装備しておこう。



「よし、戦利品はゲット完了」



 大人しく俺の隣で戦利品の鑑定を見ていたガチャが、目の前に来て急かすようにレバーを回す。



「分かってるって! さっき手に入れた金色コインで、20連ガチャろうぜ!」



 俺はインベントリに収納していた金色コインを取り出した。



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