第39話 2−8
「少なくても体系は9つあるわけね」
今度は3×3の点つなぎのように棒を引っ張って繋げた。
「物といっても今のところ通信機器へ降ろした例は知らないわね。難易度が高いのか相性が悪いのかは分からないけど」
ホワイトボードに『物>自分>他の人』と書いた。
「難易度でいえば物に降ろすのが一番簡単ね。その次に自分で一番難しいのが他の人。それでも術者によって相性があるから、自分に降ろすのが得意っていう術者もいる。物に降ろすのが簡単というのは降霊術における一般論になるわ」
「相性と相関があるんですね」
「そう。この町で物に降ろすとしたらやっぱり鋤や鍬が多かったでしょうね」
次に『神様>精霊など>人の霊』と書き出した。
「こちらは神様が一番降ろしやすい。そして精霊など、人の霊の順番になっている。これは高次の存在の方が話を聞いてくれやすいからだと言われている。だから、一般論として一番簡単なのは『物に神様を降ろす』ということになるわね」
「そうなんですね。人の霊の方が降ろしやすいと思ってました」
俺はホワイトボードを見て感嘆を漏らした。
「人の霊は神様や精霊などに比べると霊格が高くないからね。霊になって間もない場合は事情が変わるけど、アンテナが低いとでもいうのかな、捕まりにくいのよ」
比沙子さんの話は続く。
「例えば伝説にあるような武器とかね。あれは神様が『加護』という名の降霊とも言えるかもしれないわけ。加護のおかげで、その神様の力を一部あるいは全部を使えるわけだから」
「普通に物語や神話なんかで読んだことのある、あれやこれやに降霊術が関わっていたとしたら、すごく神秘的な話ですね」
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