第30話

 屋敷を出されてしまった俺は自分の部屋を目指した。

 人形を持ってくるようにとだけ言い渡された。

 どちらにしても人形を持ってくるようなのかというのは言ってはいないが思いはした。

 ともあれこれで人形を持っていくしかなくなった。




 俺の部屋がすごく久しぶりに感じられる。それほど時間的にはたっていないはずだけどな。

 件の人形は机に上だ、探すまでもない。


「ちょっと窮屈だろうけど我慢な」


 お人形にそう声をかけてから。

 それだけ掴んで持っていくのはさすがに気が引けたのでいつものバックに入れた。コンビニで買い物をして袋を受け取らない時に入れるようにするとか、ちょっとしたノートやペンを入れて置くための普通のバックだ。


「また明日からバイトなんだが、どうなるんだ? やっぱりやめておいた方がよかったのだろうか」


俺はまた屋敷へと向かった。

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