第26話
「そういうわけで、この国の神様と土着の霊に助力を求めた。手を貸してくれた神様のおかげで神奈町が出来上がった。とまぁ、これが結末だけど、そこまでの道のりは大変なものだったはずよね」
「まぁそうでしょうね」
「父としても祈りを捧げたり、助力を乞うたこの町の始まりの神主本人だったわけじゃないし、いわば父はこの昔の記録を現代に掘り起こした神学者であり考古学者というだけなんだから」
「それってすごい功績じゃないですか」
俺も話を聞いていて、そのすごさは感じることができた。
もし本当ならとても不思議な話である。これはもうファンタジーといっても差し支えないほどだ。
「でもね、その痕跡がないのよね。だから誰も信じる者がいなくなっていった。そう書かれている。それもそうだと思えるような実情だってあるのよね。例えば今の時代『雨乞い』なんて非科学的でしょ。祈祷して次の日に雨が降ったとしても、偶然だとか、それこそ雨雲レーダーで予測できたなんて言われたらそれまでだもの」
「だけど、これは今の話じゃない。この町が開墾されたという江戸時代くらいの話」
「そう。江戸時代くらいに雨雲レーダーなんてあったとは思えない。誰かが江戸時代に行って導入をしたなんて、それこそファンタジーよ。誰も信じないわ」
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