第11話

「はい。どちら様でしょうか」


 中から応答の声がした。女性のようだった。


「図書館にある本を読みまして、詳しくお話を聞きたいと思いまして参った者です」


 俺は答えた。


「それでは少々お待ちください。要件を伝えてきますので」


 それから待つこと10分くらいだろうか。その間に俺は相手がどんな人なのだろうか想像がふくらんでいた。

 声の感じからして俺よりは年上のようだ。声から年齢を押しはかることは難しいが30くらいにはなっていそうだ。


 門が開いた。

 中にいたのは当然だけど屋敷の人だったけど、見た目は俺と変わらないだった。


「同じ町の人とはいえ山奥までようこそ。どうぞお入り下さい」


 そうして通されたのは入り口から入って真正面にある大きなテーブルだった。

 5人くらいは席につけそうな長い長方形のテーブルで吹き抜けのフロアになっている。

 上からの明かり取りの窓から光が差し込んでいて、テーブルの周りは全然暗く感じない。


「席にお座りになって、もうしばらくお待ちください」


 門からテーブルまで案内してくれた女性の人は奥の方へ行ってしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る