第4話

 夜があけ朝が来る。

 目を覚ました俺は置いたままの人形を見て、ちょっとだけ安心したような落ち込みたいような気持ちになる。

 俺のはお人形遊びをするような趣味はない。だけどそういう趣味を否定するつもりはない。

 昨日のことが夢ではなかったことに安心し、お人形遊びをするわけでもないのにノリで持ち帰ってきてしまったことに落ち込みたい。


「どんなときでも時間は待ってくれないか。そろそろ支度して出かけないとな」


 趣味はなくても戻してくるわけにもいかない。そして、それを捨てるなんてとんでもない。どんな呪いが降りかかるかわかったものではない。

 

「さてと、仕事仕事っと。それじゃ、行ってきますっと」


 もちろん誰に言ったわけではない。扉を閉めて部屋を出た。

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