第3話

 俺が拾ってきたこの人形は、小さな女の子がおママごとに使うような人形だった。

 栗色の髪を肩口まで伸ばしていて鳶色の瞳は大きめ。肌は煤けているがきちんと拭けば綺麗になりそうだった。瞳の色の割に服装が西洋風ということもなかった。

 かといって和服といえるような着物を着ていたわけでもない。服はところどころ破れてはいたが、セーラー服のようだった。

 持ち帰ってからまじまじと人形を眺めていたわけだがこの人形、男の娘でない限りは女の子のはず。少なくとも見た目からは女の子にしか見えない。


「何か確かめる方法はないかな」


 しかし今日は夜も遅いこともあり適当に机の上に置いて寝ることにしたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る