第2話

あの神社は肝試しスポットになるくらいだから、無人になってからどれくらい経っているのか分からない。

 俺の勝手な推測になるけど20年くらいは経っているんじゃないだろうか。

 鬱蒼という雰囲気ではなかったが、それなりに林の中にあり周囲にも街灯はついていない。参道にはボロボロになった提灯。これがかつてここが参道であったことを教えてくれていた。

 本堂のほうはというと実のところそれほど荒れてはいなかった。もちろん無人なわけだから整備されているとはいえなかったが。

 だけど最低限の手は入っていたようには感じられた。これはとても不思議なことだ。

 そうじゃなかったら、あの神社を俺たちは選ばなかっただろうな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る