神社で拾ったこの人形、本物だったりしない?

望月ひろし

第1話

「なんでこんなの拾って来ちゃったかなぁ」




 仲間うちの肝試し大会で、ある廃墟となって久しい神社に忍びこんだ。

 その時に調子に乗った俺は本堂に飾ってあった人形を持ってきてしまったんだ。

 その時の肝試しのミッションは本堂の御神体らしい仏像を撮影してくるというもので、人形なんて話は全くなかった。

 調子に乗っていたんだ。どうせ誰もいない神社に捨てられている持ち主不明の人形だし、問題ないだろうと。


「おいおい、さすがにやりすぎだろう。戻してきた方がいいんじゃないかな?」

「そうだよね。連帯責任でこっちまで呪われたらイヤだし」


 俺はそこで冷静になった。確かにそうかも。


「まぁ大丈夫だって。それにまた本堂まで行くのはゴメンだ」


 それには異論は出なかった。肝試しが終わって、もうみんな帰る気まんまんだった。


「で? この人形どうするんだ?」

「…………俺が持ち帰るよ」

「まぁ当然だな」



そうして今に至る。

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