第14話 時間回収はじめます
一部破けた白の世界が動き出した。リサ、それにもう3人ビリビリと時空を破り白い世界に入ってきた。3人は校内に電磁波が張られたときに光った3人だった。1人は菊2年3組の女子だ。あとの2人は男子。菊と同じクラスのカイト。そしてもう1人は1年1組の空。容姿はとても細く綺麗だが男子だ。正直僕は空が嫌いだ。そして3人は当たり前のように「ようやく、はじまりましたか。」「長かったあー。」菊がそう言いながらオレンジに抱き着いた。オレンジも”きゃあきゃあ”言いながら抱き着いた。A18が菊に「あなたもアトリナ?」「そうよ。A18とアルクがケイの戦闘部隊を追った直後に司令官に呼ばれたの。カイト、空と3人。使命はバグったケイがあなたたちを消滅させるかもしれない。それにオレンジを直後に出撃させたけどトラブってたようで。所在不明。そう原因不明、受信トラブルが重なったため派遣されたの。オレンジが口を挟む。「え?私、定期交信報告してたのに?」菊が続けて「まあ、アトリナとしてはどうしても今回この地球時間を回収したかったんじゃないの?任務の遂行成功のために。」A18はアルクを睨み「あなたの能力が低いからこうなるのよ。私だけで十分、地球時間は回収できたのに。」アレクがつづけて「A18、君は気づいていないが、どうして僕が一緒に派遣されたか知っているのか?君がケイに好意を持っていることは上層部、司令官はしている、」A18が「そんなことはないわ。」アルクは続けて「オレンジ、君もだ。」アレクは菊をみた。アレクの頭の上部回答が”エラー”を表示。「菊、お前は知らない。」そのため司令官はA18と一緒に派遣命令を出したんだ。A18とオレンジが黙る。菊が「まあ、データー上、好き嫌いは、私に関係ないけどね。アレクあなた達が出撃した後、あの宇宙海賊がアトリナ奪還を正式に宣言したの。以前から噂はあったけど。そのため強大な地球時間がどうしてもアトリナには必要になったの。不測の事態に備えるため。それで私達が緊急出撃したわけ。」続けてカイトが「アトリナ、国王は本気だ。時間は我々アトリナのもの。宇宙は我々が支配している。時間分配すべて我々の秩序の元で管理しなければならない。地球時間の回収は絶対遂行されなければならない。空、おまえもそう、思うだろう。」空は少し透かしたように天井を見上げ「あー。」と答えた。僕は僕がいないところでいろんことが動いていたことに少し驚き半面、腹立たしかった。”信用されていなかった。”悔しいが今は仕方ない。いくら王族の息子とはいえ戦闘部隊未経験。経験値がない。結果がない。本当に悔しいが”信用に値するものを持ち合わせていない。菊が続けて現状報告。「司令官よりケイが派遣された戦闘部隊、母船も含め今現在、誰一人連絡が取れない状態です。」「隊長、ビル隊長もか!」「そう、みたいです。」「なぜだ。僕はうまく地球に潜入できたと思っていたのに。なぜだ、僕はいったい誰に定期交信報告を行っていたのか?」「ケイ、君の報告記録は偵察機に乗船し、ワープ地上に降り立った時点からアトリナには一度も届いていなかったみたいです。そのあと、A18、アレクの定期交信報告も同じ状態です。そしてきっと私達3人も。今回は前回のことがあるため反射交信、送受信していたのですがこの地球に着陸後にアトリナからの受信ができていません。しかし、報告はできているのですがどこに送信されているか、正直わかりません。」カイトが「確か誰一人、地球時間回収部隊から帰還したものはいない。そう、聞いていたがやはり本当だったのか。僕らは時間回収どころか地球から脱出できないじゃないか!」”母は帰還した。”言いかけたが僕は黙った。僕は現状を把握するよう頭の上部から回答を待った。破けた白い世界の空気が重くなる。ヌコを抱きあげリサが言う。「あなたたちさっきから何を言っての。アトリナ?地球時間?回収?ねえ、サクラ、サクラはオレンジが本当の名前なの?わけわかんないけど、サクラ、私あなたのことオレンジって呼ぶわ。いい。」リサの変な気迫で「う、ううん。そうして。」「じゃ、オレンジで。あと、おとなしくて美人の朝比奈さん、あなたはA18ね。よろしく。なんかキャラ変わったみたいだけど、今がほんとの朝比奈さん、ごめん間違えた、A18ね。そう呼ぶわ。そしてアレクは、えーっとまあ、いいわ。」「えー」アレクがガクッとする。それに菊にカイト、君たちは知ってる。大丈夫。あと空。君はなんか癖ありそう。女の子にもてそうだけどね。この中で一番怪しい。」空は目をそらしてまた天井を見る。「あと、私が抱いてるこのネコ、いやヌコ。しゃべる時点でもう、アウトなんだけど。君も怪しい」ヌコは小声で「感のいい小娘だ。」「こら、ヌコ聞こえてるわよ。小娘じゃなくリサ。私はリサ。」リサはそう言いながらヌコをギューッとした。「そしてケイくん、あなたがボスね。私も仲間に入れてね。これだけ知ってしまったんだからね。」A18がリサの手を取る。手のひらを見て、「星、星がないわ。おかしい。リサは、アトリナではない。なのにどうしてこの白い世界に入ってこれたの?」オレンジが言った。「リサ、昨日流れ星みたって言ってたからそのせいじゃないの?」「えっ、流れ星で」菊が「昨日の流れ星には私達3人が紛れていたのよ。偵察船もね。もしかしたら、何らかの力で、地球人なのにリサが受信してしまったとか?」オレンジが嬉しそうに言った。A18は少し、不機嫌そう。オレンジは「ねえ、ケイ、いいでしょう。リサも仲間にいれても。」リサがケイに向かって、「ケイくんお願い。」僕は空と同じく天井を見上げ、「僕たちは君たちの時間を奪いに来たんだぞ。侵略だ。君の時間もすべて奪う。すべてなくすことになるんだぞ。時間が無くなる。記憶が無くなる。死ぬことより残酷なのかもしれない。」リサは躊躇なく答えた。「いいわよ。これが目の前の現実だから。」”きゃー”オレンジがリサに抱き着いた。菊もA18。きゃーきゃーの姿はただの女子だ。僕は右手を上げ言った。「これより回収を始めます。」
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