第8話 はじまり

アレクが話始めた。教室で動いているのは僕たち3人だけ。窓から見える景色もすべて止まっている。白い世界。「ケイ。僕らは地球人ではない。アトリナ星から来たアトリナ人だ。」「アトリナ?それは宇宙人ってこと。」「そう、この地球人から見たらそうなる。ケイ、あのお姉さんがロボットだとなぜわかったの?とてもうまく造られた製品であえて耳をエルクに寄せて造ったのに。なぜ?」「そう、とてもうまく、造られていた、ほんとにエルクいるんだ。驚いたけどうれしかった。しかし、1秒後には幻の妖精エルクは消えた。すれ違ったときに彼女、あのお姉さんには“匂い”がなかった。あと体温なし。とても冷たい空気をまとっていた。それに微かな電磁波。ロボットだと認識したよ。しかし正直玄関で会ったときは確認はなかったけどね。そのあと時間が戻り、僕が空に飛んで時にお姉さんがワープというよりミサイルのように追いかけて空中爆破でロボットだと確信に変わった。きっと彼女は伝言板の役割だったんだろう。僕がアトリナ人とか時間の売買とか情報を僕に渡すためのロボット。ほんとよくできてるね。アレク、君は味方?それとも敵なのか?そして朝比奈さん、君は誰だ?おとなしい地球人になりすまし、僕と苗字をかぶせてきて、保護シートのつもりでつかってたのかな?」アレクの手で制止して先に朝比奈さんが僕の前に来た。「さすがケイ。17年も地球時間にどっぷりでボケてるかと思っていたら。あなたが、地球に飛んだ時、あなたの上部に1か所バグが入り込んでバグ修正されないまま派遣されてきたから心配はしていたけど、まあ、情報処理能力は衰えてなかったってことね。ただ致命的なことは”使命”を忘れて地球人として17年過ごしていたってことね。」”使命”?「使命って?朝比奈さん、今更呼びにくいな、ほんとの名前は?「A18。」そう答えてから明らかに朝比奈さんの顔つきが変わった。おとなしそうなきれいな女子から明らかに性格のきつい美人女子に変わった。「Aから朝比奈?」思わず口から出てしまった。A18は明らかに不機嫌な目で僕を睨んだ。「ケイ、なぜ朝比奈にしたかわかる?」君がバグったまま地球に飛んだから急いで追跡してきたのよ。あなたの痕跡は朝比奈という名前だけだった。同じ名前だと遭遇可能性が高いと判断されたためあなたたと同じ朝比奈にしたの。名前は磁石と同じで引き合う力があるのよ。IDが同じって感じでログインできてとある程度の特定地域が確認できるの。地球でいう電波?いやテレパシーに近い。その甲斐があってケイにすぐ会えた。もちろん少し時間の操作はさせてもらったけど。」「A18今度は僕に話をさせてくれないかい?」アレクがまた一歩、僕に近づいてきた。

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