第6話 起動

僕はいつも考えるより口にするより先に行動してしまうようだ。状況処理するより前に手が扉にかかっていた。「待って、待てェ➖」あのお姉さんがものすごい勢いで地上から飛んで来る。まるでミサイルのようだ。扉に手をかけて僕はこの美しいものを壊したくないと瞬時に思った。『また会えるよ。』僕は飛んだ。飛んだと言うよりミサイルから逃げたと言った方が正しい。次の瞬間、お姉さんは見事に,ミサイルのように僕の足元に届かず空中爆破。“やっぱり。”予想は確信へと変わった。「結局お姉さんの名前、聞けなかったなあー。まあ、はじめから名前は無かったんだろうけどね。」お姉さんの粉々の破片が冬空の冷たい太陽の光に反射して光る。「きれいだ。」その塵は空高く吸い込まれて行く。その沿線上には楕円形の大きな物体がいた。すべて吸い込んでいった。「プシュッ」目の奥の画像が消える。そして僕はさっき歩いていた坂道に降り立った。小さな風が吹いた。周りは僕の着陸に気づかない。僕は頭を左右に振った。右手を見た。霧のような煙幕、もう一度頭を左右に振って右手を見た。煙幕は消えて僕の僕の右手てがはっきり見えた。女子達がおしゃべりしながら僕を追い越し様に「ケイくん、何突っ立てるの?今日期末でしょう。遅刻するわよ。」少し混乱しているが僕はいつもの僕に戻った。“何も無かった”僕は携帯を見た。もうすぐ7:52。僕は他の生徒たちに紛れ校門へと歩き出した。校門にはいつも通り先生が立っていた。「おはようございす。」僕は先生に挨拶した。左足が門に入った瞬間、頭の中に何かが接続された気がした。接続?いや起動したが正しい。校庭に無数の電磁波が張り廻っていた。生徒たちは何も感じなくいつも通りに校内、そして教室へと入っていった。その中に一人、二人、数名の生徒の体が光った。僕は数回瞬きをした。「どうした、ケイ?」僕の肩をたたく、「アレク。」気配がなかった。頭の中の上部回答。『危険値大』今はカモフラージュだ。「なんだか目にゴミが入ったみたいで、アレク見てくれないか、僕の目。何かついてないかい。」僕は左目をこすった。アレクは近づき「何もないよ。」「そう、とれたのかな。」「大丈夫かい。」「あー、大丈夫だよ。Thanksアレク。」「教室行こうぜ。」僕はアレクの目を見逃さなかった。彼は僕を疑った。


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