アポロンズ・ハート スカウトキャラバン

1話

「プリズムっていう悪徳傭兵集団ねえ……」

 オルフェウスは、報告書を読みながら呟いた。

 自社の利益最優先、裏切り上等、評判は最悪だ。ついに、軍部が討伐に動くことになった。

「神出鬼没だから見つけるのも一苦労か……」


 

「理人くん、大丈夫? 疲れてない?」

「ああ、問題ない」

 プリズムの構成員が潜伏していそうな所で張り込んでいるのは、アポロンズ・ハート所属のテオと理人の二人だった。

警察から軍部に、プリズムが関わっている疑いのある事件の情報が寄せられた。

年寄りを狙った詐欺。

資金繰りに困ったのだろうか、そんなセコいことをやっているそうだ。

「プリズムの連中っぽいね」

「追うぞ」

 今回、騙されたフリ作戦で、通報者の年寄りにも協力してもらっている。

 今、理人達の前に現れたのは年端もいかない少年だった。所謂、受け子だ。


 協力者の年寄りと受け子がカフェの中で金の受け渡しをする。

「今です」

「OK」

 先に待機していたオルフェとザックが受け子の座るテーブルを囲む。

「おれおれ詐欺かよ。セコいことするなあ」

「プリズムの構成員だな?」

 逃げようとする受け子をザックが取り押さえる。

「さあボスの居場所を吐いてもらおうか」

 オルフェが、手錠をかけながら、言った。

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