第14話 流星が流れる刻

海に行くのが決定した。

しかしながらその前にはテストがある。

期末考査というやつだ。

俺はその勉強を真剣にしなくてはならない。

何故なら.....このテストの点数は例の親が見るから。


それで俺とめぐみが引き離されるか。

引き離されないかが決定する可能性もある。

とにかく真剣にしなくてはならない。

犠牲になるのは俺だけで十分だ。

だからこそ、と思う。


「先輩」


「.....みう?どうした」


「もし良かったら図書館で勉強会しませんか」


「.....ああ.....それはお前と俺だけで?」


「そうですね.....と言いたいですが。.....今回は勉強会なので周りの皆さんも誘いませんか」


帰宅時に3人で下駄箱に向かうとそう言われた。

俺は在津と花鈴を見る。

花鈴も在津も、じゃあ参加するか、的な感じになっていた。

頷きながら俺は、なら参加するよ。みう、と切り出す。

するとみうは、はい、と笑顔になった。


「それに水着の事も話したいです」


「.....水着は良いだろ.....特に」


「駄目ですよ先輩。私胸が大きくなったので.....」


「余計な事を言うんじゃねぇ!!!!!」


花鈴が、ふむ、という感じで俺を視線で射抜く。

俺はゾッとしながら、た、助けてくれ。在津、と言う。

すると在津は、お前はいっぺん死んだ方がええで、とニコッとした。

この野郎.....肝心な時に役に立たない。


「ですから先輩。今日はヨロピコです」


「.....先が見えない.....」


俺は額に手を添えながら。

そのまま俺達は勉強をする為に図書館に向かう。

すると、それにしてもいきなり何故プレゼントだったんですか?、とみうが聞く。


俺は冷や汗を流しながら、な、何でも良いだろ、と答える。

みうは?を浮かべて俺を見ていた。

まさか爺ちゃんに子作りの本を渡されたとか言えるか。



「ここはそうね。こうして公式に当てはめて.....」


「成程ですね。花鈴先輩とっても頭が良いですね!」


「これは当たり前の問題でしょ。.....しっかり勉強した方が良いわ」


「成程!」


俺達は姉と妹の様なそんな2人を見ながら笑みを浮かべていた。

それから在津は伸びをしながら、にしても良い図書館だな。改築したって話だったが、と切り出してくる。

俺は、まあそうだな。確か去年だっけ?改築されたの、と言う。

在津は、ああ、と返事をした。


「.....これなら調べ物がいっぱい出来そうだな。俺は英語が苦手だしな」


「.....ああ。そうだな」


「.....なあ。お前さん」


「.....何だよ」


「親に今回も送るんだろ。書類。.....大丈夫か」


「.....そうだな。.....クソ食らえとでも書いて書類で送りたい気分だが」


そうだな.....。

俺もそう思うわ。

お前の様な良い奴が友人なのにな。

現にクソ食らえって書いて送ったらどうだ、と苦笑する在津。

俺は、めぐみの事が心配だからな、と苦笑いを浮かべた。


「.....妹想い。そして.....良い奴。お前の様な奴は滅多に現れんだろうな」


「.....そうか?.....俺の様な奴だったらそこら辺にいっぱい居ると思うぞ」


「いやいや。またそんな謙遜な」


「お前がな」


そして俺達は睨み合い。

それからぶっと吹き出した。

全くコイツはな、と思いながら。

そうしているとドサドサと音がした。

背後を見ると白髪の美少女が.....本を落としている。


「.....何だ?手から滑ったのかな」


「.....」


「.....おい?在津。どうした。そんなボーッとして」


「い.....いや。.....その。.....幼馴染に似ているなって」


「.....は!!!!?お前の!?」


俺は慌ててガタッと椅子を蹴散らす様に立ち上がってから直ぐに少女の落とした本を拾いに手伝いに向かう。

するとその人形の様な美少女は顔を上げた。

そしてこっちを見てかなり驚愕する。

特に在津を見ながら。

在津は.....唖然としながら少女を見る。


「.....と、智和.....?」


「.....あ.....やっぱりお前だったの.....か」


「.....マジかよ.....」


俺は愕然としながら見ていると。

花鈴とみうもやって来た。

それから、どうしたんですか?、と聞いてくる。

俺は、いや。この娘は在津の幼馴染なんだ、と答える。


「.....え!?在津先輩の!?」


「こんなに可愛い女の子.....凄いわね」


「ああ。.....在津。本当に本人か?」


「.....ああ。.....結花を見間違う訳が無い。.....まさかこんな場所で出会うなんてな」


「.....そちらの方は.....」


結花さんと名乗る少女は俺達を見てくる。

在津は、コイツらは俺の友人だ、と答えた。

すると結花さんは、そうなんだ.....、と柔和になる。

そして、智和。友人出来たんだね、と涙目になった。


「.....泣くなよお前。.....昔と変わらないな。そして昔話を持ち出すなよ」


「.....嬉しくてね」


「.....在津。せっかくだから結花さんと一緒に座らないか」


「.....そう.....だが。.....いや?良いのか?」


「.....ああ」


そして椅子に座ってから話を聞く事になった。

その間.....在津もそうだが。

結花さんも何だか恥ずかしそうにしていた。

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幼馴染が転校してから彼女が出来た。そしたら噂を聞きつけた幼馴染が1人で戻ってきたんだが アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou

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