第9話 女子会と.....みうと花鈴とめぐみの過去

今週の日曜日に女子会が決まったのだが.....何故こうなってしまったのだろうか。

俺は何故か3人を追う形になっていた。

それは爺ちゃんと婆ちゃんが、何故お前は行かない、と急かしたせいだ。

その為に追う羽目になったのだが。


「みうさん。何処に行くのかしら」


「そうですね。この先に美味しいカフェテラスがあるんです」


「あ〜!それ良いですね!」


キャイキャイ言う女子達を必死に追う俺。

何というか.....申し訳無いとは思う。

だけどこのまま帰っても爺ちゃん婆ちゃんが煩い。


それに別の場所に行ったら孫思いの爺ちゃん婆ちゃんは、どうだったか、と聞いてくるであろう。

困ったものだ、と思いながら俺は追跡する。

側から見れば不審者だな。


「女子会なんて何でいきなりだったんですか?」


「.....それは何か.....話したいなって思って。花鈴先輩と」


「そうね。私もみうさんの事が知りたいって思っていたの」


そんな会話をしながら3人はカフェに到着する。

俺も少しだけ間を空けてからだがカフェに入った。

それから3人が見える位置に移動する。

ちょうど俺は見えないぐらいに。


「このお店はパフェが美味しいですよ」


「ケーキも美味しそう!」


「そうね。.....パンケーキも美味しそうね」


何か問題は無さそうだな。

俺は考えながら店員さんに、ご注文はお決まりでしょうか、と言われたのでコーヒーを頼んだ。

それから俺は目の前を見る。

3人はパンケーキとかパフェとか注文していた。


「美味しそうな料理のカフェですね」


「そうでしょ!?私はオススメなの!ここ!」


「確かに綺麗なカフェだわ」


そんな言葉が聞こえてくる。

その中で、で.....その、と言葉を発したみう。

それから花鈴に向く。

花鈴さん。質問しても良いですか、と。


「何かしら?」


「.....お友達は嫌いなんですか?作るの」


「.....!」


そうね、と答える花鈴。

それから、苦手って訳じゃないわ。でも.....もう良いの。過去の事があったから、と答える。

俺は、俺も知りたい、と思いながら耳を澄ます。

すると花鈴は、私は.....友達に裏切られた。.....それは.....笑顔だった。私のためにってやってくれた事が全部マイナスだった、と答える。


「.....昔話はこれぐらいしか出来ないわ。.....あまり思い出したくない。家の事もそうだけど」


「.....話してくれて有難う御座います。.....じゃあ取引という事で私も話します。.....私も.....親が嫌いです」


「!.....それは何故かしら」


「母親はPTAの会長でした。だから私に常に優秀を求めた。.....母親が嫌いでした。殺してやろうと思うぐらいに」


「.....」


みうは平然の様に笑顔で話す。

だけどその姿は.....あまりに冷たい感じだった。

本当に嫌いなんだな、と思うぐらいに。

俺はコーヒーを持って来た店員さんに頭を下げながら話を聞く。


「.....私は二度と母親に会いたくはないです」


「.....みうさん.....」


「.....私もです」


するとめぐみが手を挙げた。

それから、にーにを傷付ける親が嫌いです、と。

俺は!と思いながらめぐみを見る。

めぐみは、私に隠しているつもりです。にーには。.....でも私知っています。.....にーにがいかに.....私を大切にしてくれているか、と答えた。


「.....めぐみさん.....」


「めぐみちゃん.....」


「.....私は.....にーにの将来だけが心配だ.....から」


めぐみはグスグスと泣き始めた。

ポロポロと涙が落ちる。

俺はその姿にグッと拳を握った。


血が出るぐらいに。

アイツ知っていたんだな、と。

俺が操り人形だったのを。


「.....もう良いよって言いたいのに.....でも今の世界からは逃げられないですから」


するとみうがその姿にめぐみを抱き締める。

それから頭を撫でて涙を滲ませた。

なんて良い子なの、と言いながら.....優しく頭を撫でる。

その姿は母親と娘だった。


「.....信じられないわね。.....そんな事になっているなんて」


「私はにーにが兄として好きです。.....こんな兄は世界中を探してもにーにしか居ない。.....だからにーにを苦しめたくないんですが.....」


「私達の問題なんて問題すら無いね」


「.....そんな事無いです」


そんな感じで会話していると店員がパフェとかを持ってきた。

俺は、ねえねえ、とみうが切り出すのを聞く。

そして、食べよ。先ずは。それから女子トークしようよ!、と笑顔になるみう。

2人はその姿に目を丸くしながらも、はい、と答えた。


「.....」


正直。

今日は来て良かったんじゃ無いかって思う。

そう思いながら.....俺はコーヒーを飲んで微睡にふけていた。

そしてコーヒーの波面を見つめる。

するとこんな声がした。


「その前に.....皆さん」


「.....はい?」


「何かしら」


「.....このメンバーで友達に近い関係になりませんか?」


「.....!」


俺はビックリしながらみうを見る。

そうしていると2人は悩んでから.....だが。

花鈴が手を挙げて、私はやはり友達は無理だわ、と控えめに言う。

するとみうは、ですか.....、と落ち込む。

そうして表現しているみうを見てからめぐみが花鈴に抱きついた。


「.....花鈴さん。是非お願いです」


「.....でも.....」


「私達はお友達です。隠れた.....それでもダメですか。嫌なのは重々承知です」


「.....そうね。それは分かるわ。.....でも逆に良いのかしら。こんな私で」


「はい.....!」


みうさん。私は貴方の事が苦手かもしれないのに?、と言う。

するとみうは、そうですね。.....まあでも.....私は特別な人って思えてきています。貴方の事を、と言う。


花鈴はその言葉に顎に手を添えた。

そして、申し訳ないけど考えさせてほしいわ。.....まだ怖いから、と答える。

みうとめぐみはパアッと明るくなる。

そうしてからみうが笑顔で切り出した。


「待ってます!.....あ。せっかくですしメッセージ交換しましょう!アドレスとか!」


「え?.....でも私.....かなり古いガラケーだけど良いのかしら」


「アハハ。大丈夫ですよ!」


ニコニコしながら花鈴の手を握るみう。

花鈴はみうに対して苦手意識な感じだったが。

それでも柔和な感じで.....対応していた。


俺はその姿に静かにテーブルにお代を置いてから。

そのまま少しだけ笑みを浮かべてその場から立ち去った。

もう大丈夫だな、と。

そう考えながら。

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