第106話 猗嗟(なんて立派な)

なんて立派な人でしょう

身の丈高く美しく

広い額は賢げに

目元涼しくよく開き

走りも弓矢も素晴らしい


なんて立派な人でしょう

美しい目は清らかで

弓射る姿も整って

ひねもす射れどもど真ん中

さすが我らが姫のお子


なんて立派な人でしょう

目元 清らに麗しく

舞いの姿は整って

四矢は前射た矢を破る

国の乱れもまた防ぐ


【もとの詩】

猗嗟昌兮 頎而長兮

抑若揚兮 美目揚兮

巧趨蹌兮 射則臧兮


猗嗟名兮 美目清兮

儀既成兮 終日射侯

不出正兮 展我甥兮


猗嗟孌兮 清揚婉兮

舞則選兮 射則貫兮

四矢反兮 以禦亂兮


【ひとこと】

めちゃくちゃ褒めるじゃん。つまりは当て擦りですね、分かります(断定)。(←俺は見たいものを見る)


元の詩中の「甥」というのは「うちの女が産んだ子供」の意味で言外に「父親は知らないが」を含むという旨の解説を見た。さ、最高かよ……。バチバチにキマってるじゃん。好き……。


時代背景をよく知らないんだけどさ、つまり「大層ご立派なおめめですねぇ。(かっぴらいてよくご覧になったら?) ずいぶんと弓矢がお上手ですねぇ。的さえ分かれば全部当たるんですね(それなのに何が射るべき的かお分かりにならないのね、まず母親をなんとかなさったら?)」っていう皮肉であってる? ま、あってなくても俺はこう読むんだけどね!(ハートに矢が刺さる絵文字)



刺さりすぎて史実というよりフィクションとして読んでるんだけどさ(←良い子のみんなは真似しちゃダメだよ!)、文姜ちゃんにとってお兄ちゃんの顔、ドストライクだったんじゃないかなぁって。王さま(って言い方でいいのかな)やる器じゃないなってところは冷めた目で見つつ、顔がドストライクで、やっぱり顔がイイ!って思ってて欲しい。(もっとずっと厄介な一族の血みたいなところから離れたところで幸せつかんでて欲しい)

 お兄ちゃんの子産んだ後は「やだ、この子最高に顔がイイ!」って眺め暮らしてて欲しい……! 詩中で顔がイイって言われてるけど、それ全部当て擦りで「どっかの誰かによく似てるね」って嫌味であって欲しい。文姜ちゃんからは半ばうっとりと貴方は本当に顔がイイって言われてて、本人にとっては…(自主規制)…いやぁ詩経ってとんでもないですね。

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