第66話 君子于役(お父さんが ゆくよ)

※「ゆりかごの唄」の曲で


お父さんが ゆくよ

いいこして いようね

ねんねこ ねんねこ ねんねこよ


にわとりは こやに

お父さんは どこかな

ねんねこ ねんねこ ねんねこよ


うしたちは こやに

ひつじたちも かえるよ

ねんねこ ねんねこ ねんねこよ


お父さんと ゆめで

ごちそうを たべたよ

ねんねこ ねんねこ ねんねこよ


【もとの詩】

君子于役 不知其期 曷至哉

雞棲于塒 日之夕矣 羊牛下來

君子于役 如之何勿思


君子于役 不日不月 曷其有佸

雞棲于桀 日之夕矣 羊牛下括

君子于役 苟無飢渴


【ひとこと】

 フォーマットこれじゃなかったんでは感はある。その結果大きく原詩から離れたけど、自分では気に入っている。


 解説するのも野暮だけど、ふだん詩読まねぇよという方が大半なので意図をいう。

1番、「お父さんお出かけするよ。しばらく帰ってこないからいい子していようね」と母。寝かしつけのシーン。

2番、「鶏は小屋にいるよね。お父さんは今どこだろうね?」と子供。あるいは子の問いかけを受けて「そうだね、お父さんは今どこだろうね?」と母。

3番、「(昼間放牧しても夕方になれば)牛たちは小屋に、羊たちも小屋に帰ってくるよね」つまり(お父さんはいつ帰ってくるんだろうね)と子供。あるいは意図を汲んで母。

4番、「お父さんと夢でご馳走を食べたよ」つまり(お父さん今は何を食べているんだろうね)と子供。いま起きたのか、昨日の夢か、食事時か。ねんねこねんねこと溶けてゆく日常のワンシーン。


 ここまで読んでわっかんねぇよ!ということなら、まぁ自分の実力不足であろうな。逆に分かったなら、そのくらい分かるわ!という反応があると嬉しいです。(虚空への呼びかけ)

 冬は寒く、夏は暑いのと同じくらい、春は詩を詠ねばいられない季節なのだけど、今年は例年よりその気分が強いので(←今年は花粉が多いみたいな感じなので)解説をつけてみたりした次第。

 とりあえずということで。

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