王風
第65話 黍離(揺れにぞ揺れる黍の葉よ)
※「荒城の月」の曲で
揺れにぞ揺れる
あちらの
心の内に吹く風を
揺れにぞ揺れる
あちらの
何を探して歩くかと
揺れにぞ揺れる
あちらの
知らざる人は思うだろ
ただ草はらがあるだけと
【もとの詩】
彼黍離離、彼稷之苗。
行邁靡靡、中心搖搖。
知我者、謂我心憂、不知我者、謂我何求。
悠悠蒼天、此何人哉。
彼黍離離、彼稷之穗。
行邁靡靡、中心如醉。
知我者、謂我心憂、不知我者、謂我何求。
悠悠蒼天、此何人哉。
彼黍離離、彼稷之實。
行邁靡靡、中心如噎。
知我者、謂我心憂、不知我者、謂我何求。
悠悠蒼天、此何人哉。
【ひとこと】
「夏草や兵どもが夢の跡 」まさにその通り。
ただし手元の本では「こんな風にした人は誰か」と
つまりここでは亡国の重鎮であった人(たぶん武官。将軍クラス?の有名人)が知人同僚皆死んだけど自分は生き残り、滅亡に際して何か出来ることはあったのでは?これ以外の生存IFルートがあったのでは?とフラフラと彷徨い歩きながら、(左遷されている折に起こったことだと)知る人は「あの人(自分のこと)はどれほど胸を痛めていることだろう」と思いを同じくしてくれるだろうみたいに想像する歌にした。こんなにも真っ直ぐ嘆いているのだから、要職についていた時も躊躇わずに諫言し、早々に役を解かれ謹慎処分されたんだろう。「俺に兵をくれ」と歯噛みしていたところに負け確したんだろうなと思いつつ作った。
最初は素直に「ああ天津風いま
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