第62話 伯兮(わたしの夫はよいおひと)
わたしの 夫は よいおひと
背は 高くして たくましく
槍を とったら いさましく
みなの あこがれ 王のそば
あなた 東に 行ってから
わたしの かみは スズメの巣
綺麗に したって いいけれど
だれに みせたら いいでしょう
あめあめ ふれふれ おもっても
かんかん ひでりの 日がつづく
あなた あなたと おもっても
あたまの いたむ 日がつづく
わすれなぐさは どこにある?
わたしの 庭に 植えましょう
あなた あなたと おもうほど
荒れた こころが つらくなる
【もとの詩】
伯兮朅兮 邦之桀兮
伯也執殳 為王前驅
自伯之東 首如飛蓬
豈無膏沐 誰適為容
其雨其雨 杲杲出日
願言思伯 甘心首疾
焉得諼草 言樹之背
願言思伯 使我心痗
【ひとこと】
かなり素直に訳しました(当社比)。それでも1番は手元の本から少し離れた。
1番だけやたらと勇ましくて2番〜4番は暗い。しかも、歴史と見比べるなら攻めに行くのは南であって東ではないらしい。ははーん?つまり
おうは みなみに いきました
あなた どうして ひんがしに
かぜの うわさに ききました
だれが きせたか ぬれたきぬ(濡れ衣)
みたいな感じだと想像。詳細語るわけにいかなかったのか、元々はあったけど何処かで落っこちたのか、そんな感じね?(名推理)
転にあたる句がないから話が飛びすぎるんだと勝手に思うことにした。
だとすれば夫を思う妻のふりした王政批判の詩なんですが……流石に妄想が過ぎるのでここまでにしますか……。
(75)×4の童謡はたくさんあるのでこの形にしておけば何らか歌えるはず(一月一日とか、嬉しいひなまつりとか、鯉のぼりとか……なんだけど「私の人形はよい人形」で歌うのは無理……あの曲は音符にバッファがない……)。とりあえず歌詞というよりは詩に作ったけど、うーん……なんていうか、惜しい。惜しくない?自分さん、あと一歩推敲して欲しい。とはいえ目標は読了であってよい詩をつくることではないので、この辺で。
◯雀の巣 髪がボサボサである様子。元の詩では「飛ぶ蓬」。なんのこっちゃと思ったがまさにそれっぽいのを扱っているPDFがあったので備忘として貼っておく。要するに日本のいわゆる〝よもぎ〟とは別種を想像しているらしい。なお私とはまるで関係ない資料のため文献についての指摘はご容赦願う。
中渡瀬 将之『中国詩文における蓬と転蓬』
https://bibdb.ninjal.ac.jp/bunken/ja/article/100000174135
https://ynu.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=7476&item_no=1&attribute_id=20&file_no=1
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