第58話 氓(どこのだれだか)

どこのだれだか ぬのきじ◯◯ かかえ

糸かえてと やっこさん

真面目そうでも めあては 

淇水きすいに ついてきた

トンキュウ△△△へんまで 来ながら誘う

だけど きゅう△△△すぎ いそぎすぎ

どうか よきひと きじ◯◯つを決めて

挙式 吉日 秋の日に


氓之蚩蚩、抱布貿絲。

匪來貿絲、來即我謀。

送子涉淇、至于頓丘。

匪我愆期、子無良媒。

將子無怒、秋以為期。


が来るまで ずに待って

なれどまだ来ぬ 色男

あなた見えねば さめざめ泣いて

あなた見えれば さんざめく

ボクとゼイとで 占い立てて

凶とでなけりゃ 嫁ぐ腹

あなた 迎えにきてね

わたし 待ってるわ


乘彼垝垣、以望復關。

不見復關、泣涕漣漣。

既見復關、載笑載言。

爾卜爾筮、體無咎言。

以爾車來、以我賄遷。


くわのはっぱが つやつや なのは

えだが ついてて わかいから

あなた わたしに にこにこ するは

おやが いきてて わかいうち

ハトよ およしよ くわのみ くうな

くえば ヨタヨタ よっぱらう

おとめ およしよ ゆめには ような

ようは おとこに ゆめみるな


桑之未落、其葉沃若。

于嗟鳩兮、無食桑葚。

于嗟女兮、無與士耽。

士之耽兮、猶可說也、

女之耽兮、不可說也。


くわの はっぱは いついつ おちる

はっぱ 黄ばんだ頃 おちる

わたし◯◯◯ とついで さんねんかんは

くちを ぬらして のりしてた

とつぐ ばしゃ まで ぬらし

きすいの わたし◯◯◯に およめいり

まさか  なくとも しらず

ホラと おもわず よくおきき


桑之落矣、其黃而隕。

自我徂爾、三歲食貧。

淇水湯湯、漸車帷裳。

女也不爽、士貳其行。

士也罔極、二三其德。


あさは はやくて よるには よなべ

度の メシさえ ママならぬ

なのに あのひと 又 かけて

乱暴する まつ

里の兄弟 事情を知らず

糸瓜へちまの皮とも思わない

赤い糸だと掴んだけれど

絶えぬあかぎれ 赤っ恥


三歲為婦、靡室勞矣。

夙興夜寐、靡有朝矣。

言既遂矣、至于暴矣。

兄弟不知、咥其笑矣。

靜言思之、躬自悼矣。


おなじ おはかと おもうて いたに

老いは かなしく うらませる

かわに きしあり さわには つつみ

あれど つつしみない おっと

きまり ひとつも まもれぬ ひとを

たのむ カイなく ウオもなし

可愛かわい 可愛かわいと かこには いえど

いとど かかわりたくもなし


及爾偕老、老使我怨。

淇則有岸、隰則有泮。

總角之宴、言笑晏晏。

信誓旦旦、不思其反。

反是不思、亦已焉哉。


【ひとこと】

 言葉遊びを優先させた。例の如く私の書くものを信用してはならない。

 海音寺先生の訳は面白いし、なるほどそういう意味だろうという気がする。

 漢字表記とひらがながまちまちなのは編集が途中だからです。ごめんなさい……。


◯いとど…いよいよ。はなはだ。

 ↑わりと無理があるんではと思っているが生糸から始まった縁の伏線回収がなさすぎて……ついう訳。出来心。

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