第44話 二子乘舟(一葉のお舟に影二つ)

※「夕焼け小焼けの赤とんぼ」のリズムで


一葉のお舟に影二つ

ゆられてゆくよ幸ぞあれ


一葉のお舟に影二つ

幸いあれと祈ります


【元の詩】

二子乘舟 汎汎其景

願言思子 中心養養


二子乘舟 汎汎其逝

願言思子 不瑕有害


【ひとこと】

 光が強いほど影が濃いように、願えば願うほど叶わないことが思われてくるもので……。儒家の解釈でなくなってこれが怖い歌だということくらい分かる。ので、その路線で詩作した。これを祝い唄だととる人は心が素直だと思う。

 なお「不瑕有害」は「泉水」でも見たフレーズ。

 「汎汎其景」は影ではなくすみやかなりだ、と何かに食いついている解説を見た。だからという訳でもないが二人は直接詠まずに影とした。だって船が滑ってゆくならすぅぅっと遠ざかってゆく訳で。二人はすでにイマココにいない。ここでの歌い手は舟を見送る目線だ。

 二人は何者なんでしょうね。色々解釈あるのは分かった。全然関係ないけど、最近見たアニメでは船頭と逃がされるはずの人でしたね。強弓から発射された矢ならぬモリで貫かれてたけどね。

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