第38話 簡兮(ゆるりゆるりと そのときを)

ゆるりゆるりと そのときを

いざやたいよう まみなみに

いまこそおどり たてまつる


ちからづよきは とらのごと

ばしゃのたずなを とらせれば

まるでくみひも あむがごと


ひだりのてには たけのふえ

みぎてにきじの はねかざり

バンノマイする だいじょうふ


あからがおした おおおとこ

ようしりっぱに とののにわ

たまわりたるは さけいっぱい


ハシバミのきは やまにはえ

アマクサさわに はえている

おとこはどこに あるべきぞ


かぜのうわさに にしのくに

よきひとありと にしのくに

よきひとありと にしのくに


ああ、にしのくに にしのくに


【元の詩】

簡兮簡兮 方將萬舞

日之方中 在前上處


碩人俁俁 公庭萬舞

有力如虎 執轡如組


左手執籥 右手秉翟

赫如渥赭 公言錫爵


山有榛 隰有苓

云誰之思 西方美人

彼美人兮 西方之人兮


【ひとこと】

元の詩の解釈は概ねまとまってそう。物語が明解なので素直に訳した。酒をもらうおとこの自嘲なのか、ばんの舞をみた第三者の語りなのかは読者に任せる。元の詩もそういう作りのようなので。

 なお万の舞は複数人でやるものらしい。酒を賜ったのはそのセンターの漢とのこと。

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