第28話 燕燕(つばめ かえる かなたへ)

※「ふるさと」(うさぎ追いしかの山)のリズムで


つばめ かえる かなたへ

わかれ おしみ おくろう

はるか 遠野を みなみへ

ふるは あめか なみだか


つばめ かえる かのちへ

つばめ はねを つくろう

ついに ついた つくに

ひとり のこる このくに


つばめ とぶや うえした

えんを えがき とびさる

ついに みえず なれども

わすれ がたき つばくろ


こころ ふかく あたたか

めぐみ ふかく おだやか

ご恩は いまも めぐりて

おもい いづる わがきみ


【元の詩】

燕燕于飛 差池其羽

之子于歸 遠送于野

瞻望弗及 泣涕如雨


燕燕于飛 頡之頏之

之子于歸 遠于將之

瞻望弗及 佇立以泣


燕燕于飛 下上其音

之子于歸 遠送于南

瞻望弗及 實勞我心


仲氏任只 其心塞淵

終溫且惠 淑慎其身

先君之思 以勗寡人


【ひとこと】

この歌思ったより音が足りなかった……!

並び替えて圧縮して対応。元の詩は同じ場面を繰り返しなぞるような美しさがあるんだけれど、諦めてストーリー仕立てに。選択を間違えた感すごいけどこれはこれということで……。

 儒家の皆さんの解釈(時系列的に無理でしょという指摘はさておいて)好きなんですよね。姜氏が戴媯を送る歌だというやつ。何ひとつ入らなかったし4番姜氏→戴媯と取るには無理筋だけど、戴媯→姜氏ならギリいける(いけるか? 我が君って奥様にもいうか? どうなん? 細かいことを気にしなければきっとギリいける)のでセーフとする。いけてくれ……!


◯はねを つくろう 羽繕いの意味。

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