第24話 何彼襛矣(林生梅が咲いている)

※「みかんの花咲く丘」のリズムで


林生梅りんしょうばいが咲いている

花嫁さんよ綺麗だな

遥かに見える釣り人は

糸縒り合わせ何を釣る


【元の詩】

何彼襛矣 唐棣之華

曷不肅雝 王姬之車


何彼襛矣 華如桃李

平王之孫 齊侯之子


其釣維何 維絲伊緡

齊侯之子 平王之孫


【ひとこと】

 訳詩にあたってはザクッと意味を落とした。

「桃李などと混ぜて詠んでいては情景がボケる! 絞れ!」というのと、「せっかく『みかんの花咲く丘』だすなら1番で水面が見えなきゃでしょう⁉︎」の心から。薩埵峠いいですよね。大好き。まぁここは海じゃなくて長江よね。わかる。

 もはや詩経の訳詩ではなく典故にしただけの替え歌である。が、それで良いのだ。私の目的は読了である。読み進める助けになるならそれでいい。


林生梅リンショウバイ 唐棣とうていのこと。他に小梅こうめ庭梅ニワウメともいう。替え歌に比重を置くとコウメ一択となるが個人的には小梅と言われてもこの花が浮かばないので「リンショウバイが」もしくは元の詩に倣って「とーうて(い)のはなが」「とーうてーいのはな」と歌いたい。

◯糸縒り合わせ何を釣る そりゃ女よ。身も蓋もないけど。太公望は文王を釣ったけど、詩経のこれは花嫁良縁を釣る意図らしい(糸だけに)。

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