第18話 羔羊(かわはこひつじ しろいきぬいといつつ)

※「かえろかえろと」のリズムで


かえろかえろと だれだれかえる

アストラカンの 役所勤めがかえる

「かえろがなくから かえろ」


かえろかえろと だれだれかえる

胸に勲章 絹の縫いとり五つ

「かえろがなくから かえろ」


かえろかえろと 何してかえる

駅のホームで 蕎麦を食べたらかえる

「かえろがなくから かえろ」


【元の詩】

羔羊之皮 素絲五紽

退食自公 委蛇委蛇


羔羊之革 素絲五緎

委蛇委蛇 自公退食


羔羊之縫 素絲五總

委蛇委蛇 退食自公


【ひとこと】

 いやこれ訳すの無理ぃ……言葉遊びのセンスをめちゃくちゃ問われてる……。開き直ってサラリーマン川柳しようと思ったけど海潮寺氏が「アストラカン」の単語で訳していたのでそれに倣うことで事なきを得た。

 アストラカンは子ヒツジの毛皮で、あるいはそれに類する巻き毛の毛羽(けば)で覆われた厚地の毛織物のこと。厚地で保温力があるため、防寒用帽子、婦人オーバー地、外套(がいとう)の襟などに用いられる。[2]そしてエクスペンシブ。

 ははん? つまりアストラカンだけでお偉いさんの冬景色だな?

◯胸に勲章 解説の中にモーニング姿で儀式帰りというのがあった。2番はコートの下、もしくはコートのいらない季節に移った礼服の話と理解している(私は)。その辺りは読者に委ねる他あるまい逆毛皮のコートに勲章付けないだろうが、もしコートに勲章を付ける例があったら教えてください。


[2]

https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AB%E3%83%B3-25535

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