第5話 螽斯(はたおりむしさん)

※「とんぼのめがねはあかいろめがね」のリズムで


はたおりむしさん おうたをうたう

こども たくさん うまれたよ

うまれたよ


はたおりむしさん はねすりあわす

こども たくさん うまれたよ

うまれたよ


はたおりむしさん なかよしこよし

こども たくさん うまれたよ

うまれたよ


【もとの詩』

螽斯羽、詵詵兮。

宜爾子孫、振振兮。


螽斯羽、薨薨兮。

宜爾子孫、繩繩兮。


螽斯羽、揖揖兮。

宜爾子孫、蟄蟄兮。


【ひとこと】

 螽斯はキリギリスのことだとか、イナゴのことだとか諸説あるらしい。ここでは海音寺氏[1]に倣ってキリギリスとした。機織虫はたおりむしとはギリギリスの別名である。キリギリスは股を擦って音を出し一度に九十九匹の子を産む、ということになっているらしい[2、3]。

 言わなくてもわかると思うけど、あえて言及しておくと最初から最後までにゃんにゃんしている詩です。かわいい訳でしょう? 我ながらよい訳! ただし1〜3番をどの順にするのがいいかについては未だに悩むところである。


[1]海音寺潮五郎『詩経』 中央公論社、一九九〇年

[2]石川忠久 著『新釈漢文大系110 詩経 上』明治書院、1997年

[3]吉川幸次郎 注『中国詩人選集〈第1巻〉詩経国風』上下、岩波書店、一九五八年

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る