第2章

ディアンシ森林を抜け島の中心部の基地前まで到着した。


ヴィルガ「!?」

(デイビット!!)

(?周りにいるのは…)

(ポルソ・オッキオと…誰だ?他に3人)

(あいつらも『dono dal cielo』なのか?)

(スウィットに聞いてみるか)


無線をとる


ヴィルガ「スウィット聞こえるか?」


スウィット「聞こえるよ。どうしたんだい?ヴィルガ」


ヴィルガ「聞きたいことがあるんだが」

「『天資(dono dal cielo)』っていうのは何人所属しているんだ?」


スウィット「『天資(dono dal cielo)』は全員で4人居るよ」

「早撃ちのガンマン。テスタ・コルポの右腕にして『天資(dono dal cielo)』のリーダー。ポルソ・オッキオ」

「近接戦闘において彼に右に出る者はいない程の実力を持っている。マノ・ガンバ」

「世界一と噂されている謎多きハッカー。ナゾ・リングア」

「今回の核兵器実験の指揮担当をしている天才工学者。ディート・スパッラ」

「この4人が『天資(dono dal cielo)』だよ」


ヴィルガ「かなり厄介そうだな」

「すまない。助かった」


スウィット「大丈夫だよ。ヴィルガの方こそ大丈夫かい?」


ヴィルガ「ああ、大丈夫だ」

「気にするな」


スウィット「そっか」

「でも、あまり『天資(dono dal cielo)』を見くびらない方が良いよ」


ヴィルガ「もちろんだ。デイビッド(HEX)と同じ気迫が体中にひしひしと伝わってくるのを感じる」

「やつら一体何者なんだ?」


スウィット「ごめん。僕もあまり詳しく無くて」

「テスタ・コルポの側近部隊という事だけは間違いないよ」

「なにか人より卓越した能力があるかもしれない」

「充分気をつけてね!」


ヴィルガ「ああ」


基地前でスウィットから『天資(dono dal cielo)』の情報を聞き、ようやくテスタ・コルポが居る基地に潜入を開始した。


大佐から無線がなる


大佐「無事潜入出来たようだな」


ヴィルガ「ああ、しかし潜入出来たのは良いんだが何処に行けばテスタ・コルポに会えるんだ」


大佐「そうだな。シャハト博士にテスタ・コルポの居場所データを新しくして貰おう」

「スウィットに無線を繋げてくれ」


スウィットに無線


スウィット「どうしたんだい?ヴィルガ」


ヴィルガ「無事テスタ・コルポの基地に着いたんだが」

「テスタ・コルポの居場所データを更新してくれないか?」


スウィット「あー!良いよ!」

「今からテスタ・コルポのデータを更新しておくね」


ヴィルガ「助かる」


[データ更新]


スウィット「テスタ・コルポの居場所なんだけど」

「普段テスタ・コルポは自室にいるんだ。その部屋に入るには特別なカードキーが必要でね」

「でも、そのカードキー。実はスペアがあって」

「そのスペアを持っているのがポルソ・オッキオなんだ」

「まずはポルソ・オッキオからスペアを奪い取る事が最優先だよ!」

「多分だけどポルソ・オッキオは実験ルームに居るはずだ」

「君の存在がバレた以上、核兵器を見張っているんだと思う」


ヴィルガ「そうか、分かった」


スウィット「実験ルームは東棟の倉庫だよ」


ヴィルガ「すまない。助かる」


無線を切る


ヴィルガ「・・・」[身構える]

「これよりテスタ・コルポの暗殺。核兵器の破壊。シャハト博士の姉救出を始める」


基地中


基地中通路


ヴィルガ「ここに来て行き止まりか」

「仕方ない。引き返すか」

行き止まりが続き引き返そうとする。


無線がなる


スウィット「待ってヴィルガ!」


ヴィルガ「なんだスウィット?」

「そんな慌てて」


スウィット「今ヴィルガが居る場所にはホログラムがあるんだ」


ヴィルガ「ホログラム?」

「なんだ?何かまずいのか?」


スウィット「非常にまずいよ!」

「ここのホログラムには偽の壁や偽の通路。そして本来居ないはずの兵士が居るんだ」


ヴィルガ「!?」

「なんでそんなのがあるんだ?」


スウィット「多分ナゾ・リングアの仕業だと思う」

「ここでヴィルガを足止めさせる為にね」


ヴィルガ「なに!?」

「俺は一刻も早くあいつ(テスタ・コルポ)の所にーー」


スウィット「落ち着いてヴィルガ」

「僕が渡したIRを起動するんだ」


ヴィルガ「あ、ああ」


ブォン[効果音]

視界が少し青くなる


ヴィルガ「な、何だこれは!?」

「壁が…壁が無くなったぞ!?」

目の前の壁が一瞬にして無くなった。


スウィット「これはねヴィルガの視覚に干渉して本当の通路を映しているんだ」


ヴィルガ「なるほど」

「これで本当の道を辿っていけば良いんだな」


スウィット「うん」

「でも、長くは使ってはいられないよ」

「脳に影響があるんだ」

「休み休み使うといいよ」


ヴィルガ「あ、ああ…分かった」


スウィット「あと、ホログラムで投影されている兵士には気をつけて」

「僕の方でも兵士のデータは掴めなくて」

「だから、音を鳴らして判断するといいよ」

「ごめんね。ヴィルガ」


ヴィルガ「大丈夫だ。充分助かってるさ」


スウィット「ほんとかい?ありがとう」

「それじゃ頑張ってね」


ヴィルガ「ああ」


無線を切る


基地中通路


広いルーム


ヴィルガ(やけに広い空間だな…)

(何も無い…)


???「お前か…ポルソ・オッキオが言っていた男は」

「よくここまで辿り着いたな」


ヴィルガ「誰だ?!」[構える]


ナゾ「俺はナゾ・リングア」

「テスタ・コルポ様の情報を司る者だ」


ヴィルガ「天から授かった資(たから)とは聞いていたがまさか天の使いのほうだったとはな」

「馬鹿馬鹿しい」


ナゾ「ふっ笑いたければ笑え!しかし…」

「我々は"dono dal cielo(天から授かった資)"だ!!」

「あんなファンシーな奴らとは違う!」


ヴィルガ「さあどうだろうな」

「所詮お前たちは天(テスタ・コルポ)の使いには変わりないだろ?」


ナゾ「ふん、いいだろう」

「お前はこの世界(空間)の真実には辿り着けないのだからな!!」


ヴィルガ「!?」[銃を構える]


ナゾ・リングア戦 開始

ナゾ・リングア戦 第2


ナゾ「ぐぁっ!」

「流石は…テスタ・コルポ様と同じ『新たなる天地創造計画』の人間だ…」


ドクンッ![心臓音]


ナゾ「っと…少し本領を発揮するかな」


ヴィルガ「?まだ何か隠しているのか」


ドクンッ![心臓音]


ナゾ?「ふふ…少々あなたをナメてましたよ」


ヴィルガ(?…雰囲気が変わった?)


ナゾ?「改めてご挨拶を」

「私(わたくし)の名前はオブザレヴ・フィクス」

「幻術師を生業としています」

「おや?少し戸惑っているようですね」

「ナゾ・リングアとは仮の名前であり仮の姿です」

「私オブザレヴは、これからあなたに「天国と地獄(天地)」をお見せする者です」


オブザレヴ(ナゾ・リングア)戦 開始

オブザレヴ(ナゾ・リングア)戦 終了


オブザレヴ「ぐぁぁぁッ!!」


ヴィルガ「ホロ…グラムといい幻術といい…厄介なやつだった…」

「…?なん…だ?視界…が…」グラッ

「く…そっ…」バタンッ


オブザレヴ「ようやく眠りにつきましたか」

「『HEX(呪い持ち)』と言うのはーー全くーー」

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