第42話 テンプレ!
「なんですか?人が話してるところを遮るように話しかけてきて?そんなに大切なことには聞こえませんでしたが?」
「ああん?誰に口聞いてると思ってんだ?うるっせぇな。お前さっきグレーウルフとかオークとかを弱いって言ったろ」
「そりゃ、弱いからですし。そもそも貴方誰ですか?会話始める前にはまず名乗るものでしょう?」
そこで彼は、心底納得したような顔をして、そしてまた嘲笑うかのような得意げな顔に戻った。
「ああ、そうか。お前、俺が誰か知らなかったからあんな態度だったのか。ならしょうがねぇな。許してやる!俺様は慈悲深いからな!俺様はC級冒険者ディックだ」
テンプレでもそろそろイラついてきた。もう敬語使うのやめよう。
「俺はノアでこっちはジオだ。で、お前なんで俺達に話しかけてきた?」
「なっ!……俺様が許してやったてのになんだその舐めた態度は?俺様が直々にご指導してやるってのに……所詮はイキったガキどもか。やっぱ、力の差も理解できない雑魚なんだな」
「それお前が言うか?力の差を理解できてないのはお前だろうに」
「笑わせるな。俺は実際に毎日グレーウルフとかオークとか狩ってきてる俺と、ろくに戦ったこともないだろう若さで力の差を理解できないお前。どっちが勝つと思う?」
随分とおめでたい頭をしている。これは一発かまさないと気が済みそうにない。ここは一つ、踊ってもらおうじゃないか。
「もちろん俺だ。そもそもお前の認識が間違っている。お前と俺では潜ってきた来た死線の数が違いすぎる。もちろん俺が多い方な」
「お前!お前お前お前お前お前お前!ここまで俺様をコケにしあがって!くそ!覚悟しろよこのガキがぁあ!」
そういってディックはの胸ぐらを掴んで壁に叩きつけてきた。でも俺は無反応。いや、厳密に言えば少し嘲笑していた。「この程度か?」と。
俺の物理耐性が低いからと言っても、それは俺の他のステータスと比べてだ。物理耐性3869は十分硬い。実際、さっき叩きつけられたも全く痛くなかった。
「舐めるなぁああああ」
俺の態度にキレたのか今度は冒険者協会にある酒場のテーブルに投げつけてきた。しかもそれだけじゃ足りないみたいで剣を抜いて近寄ってきた。
流石にそろそろいいかな。騒ぎすぎて冒険者たちは全員こっちを見ている。ここで反撃しても正当防衛だと言い切れるし、ディックが反論しても証人がたくさんいる。それに、ディックに恥をかかせるには絶好の舞台だ。
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